大好きな幼馴染が苦手なあの人と付き合いだした…彼女ができても幼馴染はずっとわたしを包み込んでくれている
わたしは…ダメな子?
幼稚園の頃のわたしは、背が低くて力もなくて…
「おい、チビちゃん。そんな箱も持ち上げられないのかよ」
って、よく幼馴染のリョウに言われていた。
ダンボールって、意外に大きくて持ちづらいんだよね。
でも、リョウは…そんなダンボールを軽々しく持ち上げた。
チビかぁ…。
小学生になっても、やっぱり背が低いわたし。
そして、力もない。
遠足のお弁当のとき、お弁当箱があかなくて、苦戦していたら、
「ちからねーな、チビ子」
って、リョウがあけてくれた。
図工の時間、絵の具の赤色を自分の洋服にぶっ放したときも、どんくせーな…ホラーみたいじゃねーかよって言いながら、ジャージを貸してくれたっけ。
…
高校生になっても、やっぱり力のないわたし。
でもね、なんとか毎日走ったりたくさんご飯食べたりして、人並みになれたの。
体力をもっとつけるためにも、運動部に所属しているし。
わたしの所属する部活は、バスケ部なんだけど…
そこのキャプテンの杏果ちゃんが、めっちゃ厳しいの。
というか…
わたしにだけ、あたりが強い気が…
たぶん目障りなんだと思う。
なんであんたが、この部活にいるわけ?ってね。
だから、なるべくみんなのあしを引っ張らないように、必死に頑張っているの。
はぁ〜…
今日も頑張ったぁー…
帰りに、ふらふらになりながらも自動販売機でジュースを購入。
わぁ〜、つめたー♡
さっそくキャップを…
…
早く飲みたいのに…
あかない…
うううっ…
「かすみ、おまえ…そんなのもあかないのかよ」
「リョウ…」
ヒョイっとジュースを奪い、軽くあけてくれた。
リョウは、くちは悪いけど…いつもわたしを助けてくれる。
リョウも同じ高校で、バスケ部だ。
「リョウ、いつもありがと…」
え?
ジュースを受け取るタイミングで、リョウの後ろから、杏果ちゃんが顔を出した。
「どーもー」
「え、あ…どうも」
え?と思い、リョウの顔をみるとリョウが思いがけないことを言ったの。
「彼女」
と。
え…
「今日から、リョウの彼女の杏果ー。よろしく‼︎」
と、目力強めで言われた。
あぁ、だからか。
だから…あんなにわたしにあたり強かったんだ。
「…じゃ、またな」
「あ、うん」
杏果ちゃんが、振り向いてニヤって笑った。
そして、リョウの手を握って行ってしまった。
はぁ…
でも、そっかぁ。
リョウ、杏果ちゃんのこと好きだったんだ…。
全然知らなかったな。
まぁ、でも…そうだよね。
杏果ちゃん、運動できるし明るくてハキハキしてるもんね。
そして、なによりかわいいもんね。
わたしとは、大違いじゃん。
そっか…
おめでとう。
おめでとう…
まさか、リョウの誕生日以外でおめでとうを言う日が来るなんて…
それから、学校でたまに二人を見かけたりしたけど、やっぱり好きな人が別の人といるのをみると…正直、つらい。
ほんとうは、笑顔でお似合いだよって言えたらいいんだけど…
そんなこと口にしたら、涙がとまらなくて、迷惑かけちゃうもんね…。
だから、そっとおめでとうをとなえた。
困らせたくは、ないんだ。
それから何ヶ月も二人は、交際を続けていた。
そして、卒業まで二人は交際していた。
わたしの片想いも更新中だ。
いい加減、諦めが悪い自分がキライになる。
自分をキライなまま、高校を卒業する。
さようならと正門を出ようとした時、リョウと杏果ちゃんを見かけた。
あの二人は、このまま結婚するのかもしれないな。
わたしは、クルッと振り向いて、最後に二人にありったけの笑顔で、おめでとうって言った。
その言葉を聞いた二人は、驚いた顔をした。
次の瞬間、わたしも驚いた。
だって…
だって、リョウがいきなり
「じゃあな。杏果、もう恋人ごっこも終わりだな。だから約束守れよ」
って言ったの。
恋人ごっこ?
「へぇ、結局そうなると思った。バカバカしい。もうあんたらなんか興味ないし。結局あんたはかすみだよね」
「え?」
わたしがキョトンとすると、リョウが一瞬わたしをみて、恥ずかしそうに眉をひそめたあと、真面目な顔に戻り杏果ちゃんに
「好きになろうと努力は、した。でも…やっぱりごめんな。杏果にもいいところは、あるぞ」
と、伝えていた。
それを聞いた杏果ちゃんは、フッと笑って
「へぇ、そうだったんだ。それは、どうも。でも、やっぱり頑張り屋のかすみが一番か。かすみ、わたしずっとあんたのことキライだった。でも、それはただのヤキモチだった。今までごめんなさい。」
わたしは、思わずリョウの顔を見てしまった。
リョウもキョトンとしていた。
「ちょっと!二人してなんなのよ!わたしだって、ごめんなさいくらい言えるんだから」
わたしとリョウは、にっこりしたあと偶然にも声がハモった。
「「ありがとう」」
って。
そして、この後三人で爆笑した。
まさか、まさかこんな日が来るとは思わなかった。
「かすみ、あんたのことキライだったけど、心の底からキライじゃなかったよ」
「ありがとう杏果ちゃん。わたしも杏果ちゃんが苦手だった。でもね、憧れでもあった」
「憧れ?このわたしに?」
「うん。」
「かすみって、やっぱヘン。」
「杏果ちゃんもヘン」
「なにそれ」
「わからない。でもヘンな人同士仲良くしたいな」
「もう卒業なのに?」
「うん」
「やっぱりヘン」
「「「あはは」」」
杏果ちゃんとは、笑顔でさようならして卒業することができた。
杏果ちゃんが帰り、わたしはリョウにどういうことなのか聞いた。
すると…
杏果ちゃんがリョウにだいぶ前、わたしと付き合ってって告白されたらしくて、ごめんなさいしようとしたら、もし告白断るなら部活でわたしをハブにして、退部に追い込んじゃおっかなぁ?って脅してきたんだとか…
それで、一応リョウなりに付き合うフリをうわべだけしていたと。
わたしのために…
「リョウ…そんなことしてくれなくてもよかったのに…。こんなわたしのために…大事な高校生活を…」
「だって、後悔したくないじゃん?それに好きな人を守れるのって、なんかいいじゃん」
リョウは、笑った。
「リョウ…ありがとう。大好き」
わたしは、ずっとリョウの優しさに包まれていたことをいまさら知った。
そして、思わずリョウに告白をしていた。
あれから数年後
「かすみー、行くよー」
「待ってー、杏果ちゃーん」
「もう、呼び捨てでいいって」
「わたしは、ちゃん付けがいいの」
「なにそれ」
あれからわたしと杏果ちゃんは、親友になった。
「お待たせー、リョウに太樹ー」
「「おっす」」
杏果ちゃんに太樹くんという彼氏ができて、今日は四人でダブルデートなの。
「かすみ、今日もかわいい♡」
「リョウもかっこいいよ♡」
ふふ♡
「朝からイチャつくねー」
「オレたちもイチャつくか?」
「ヤダ、人前でそんなの恥ずかしい」
「なら、後でイチャイチャしような♡」
「なっ…それは…さぁ…♡」
「「ヒュー♡」」
「ちょっと、二人のせいでわたしがヘンな人みたいじゃない」
「杏果ちゃんは、ずっとヘンだよ♡」
「かすみもね」
「「「「あはは」」」」
まさか、こんな日が来るとは思わなかった。
とても、
最高の人生になりました!
おしまい♡




