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大好きな幼馴染が苦手なあの人と付き合いだした…彼女ができても幼馴染はずっとわたしを包み込んでくれている

作者: 猫の集会
掲載日:2026/06/14

 わたしは…ダメな子?

 

 幼稚園の頃のわたしは、背が低くて力もなくて…

 

「おい、チビちゃん。そんな箱も持ち上げられないのかよ」

 って、よく幼馴染のリョウに言われていた。

 

 ダンボールって、意外に大きくて持ちづらいんだよね。

 

 でも、リョウは…そんなダンボールを軽々しく持ち上げた。

 

 チビかぁ…。

 

 小学生になっても、やっぱり背が低いわたし。

 

 そして、力もない。

 

 遠足のお弁当のとき、お弁当箱があかなくて、苦戦していたら、

「ちからねーな、チビ子」

 って、リョウがあけてくれた。

 

 図工の時間、絵の具の赤色を自分の洋服にぶっ放したときも、どんくせーな…ホラーみたいじゃねーかよって言いながら、ジャージを貸してくれたっけ。

 

 …

 

 

 

 高校生になっても、やっぱり力のないわたし。

 

 でもね、なんとか毎日走ったりたくさんご飯食べたりして、人並みになれたの。

 

 体力をもっとつけるためにも、運動部に所属しているし。

 

 わたしの所属する部活は、バスケ部なんだけど…

 

 そこのキャプテンの杏果きょうかちゃんが、めっちゃ厳しいの。

 

 というか…

 

 わたしにだけ、あたりが強い気が…

 

 たぶん目障りなんだと思う。

 

 なんであんたが、この部活にいるわけ?ってね。

 

 だから、なるべくみんなのあしを引っ張らないように、必死に頑張っているの。

 

 はぁ〜…

 

 今日も頑張ったぁー…

 

 帰りに、ふらふらになりながらも自動販売機でジュースを購入。

 

 わぁ〜、つめたー♡

 

 さっそくキャップを…

 

 

 …

 

 

 早く飲みたいのに…

 

 あかない…

 

 うううっ…

 

「かすみ、おまえ…そんなのもあかないのかよ」

「リョウ…」

 

 ヒョイっとジュースを奪い、軽くあけてくれた。

 

 リョウは、くちは悪いけど…いつもわたしを助けてくれる。

 

 リョウも同じ高校で、バスケ部だ。

 

「リョウ、いつもありがと…」

 

 え?

 

 ジュースを受け取るタイミングで、リョウの後ろから、杏果ちゃんが顔を出した。

 

「どーもー」

「え、あ…どうも」

 

 え?と思い、リョウの顔をみるとリョウが思いがけないことを言ったの。

 

「彼女」

 と。

 

 え…

 

「今日から、リョウの彼女の杏果ー。よろしく‼︎」

 と、目力強めで言われた。

 

 あぁ、だからか。

 

 だから…あんなにわたしにあたり強かったんだ。

 

 

「…じゃ、またな」

「あ、うん」

 

 杏果ちゃんが、振り向いてニヤって笑った。

 

 そして、リョウの手を握って行ってしまった。

 

 

 

 はぁ…

 

 でも、そっかぁ。

 

 リョウ、杏果ちゃんのこと好きだったんだ…。

 

 全然知らなかったな。

 

 まぁ、でも…そうだよね。

 

 杏果ちゃん、運動できるし明るくてハキハキしてるもんね。

 そして、なによりかわいいもんね。

 

 

 わたしとは、大違いじゃん。

 

 そっか…

 

 おめでとう。

 

 おめでとう…

 

 まさか、リョウの誕生日以外でおめでとうを言う日が来るなんて…

 

 それから、学校でたまに二人を見かけたりしたけど、やっぱり好きな人が別の人といるのをみると…正直、つらい。

 

 ほんとうは、笑顔でお似合いだよって言えたらいいんだけど…

 

 そんなこと口にしたら、涙がとまらなくて、迷惑かけちゃうもんね…。

 

 だから、そっとおめでとうをとなえた。

 

 困らせたくは、ないんだ。

 

 それから何ヶ月も二人は、交際を続けていた。

 

 そして、卒業まで二人は交際していた。

 

 わたしの片想いも更新中だ。

 

 いい加減、諦めが悪い自分がキライになる。

 

 

 自分をキライなまま、高校を卒業する。

 

 さようならと正門を出ようとした時、リョウと杏果ちゃんを見かけた。

 

 あの二人は、このまま結婚するのかもしれないな。

 

 わたしは、クルッと振り向いて、最後に二人にありったけの笑顔で、おめでとうって言った。

 

 その言葉を聞いた二人は、驚いた顔をした。

 

 次の瞬間、わたしも驚いた。

 

 だって…

 

 だって、リョウがいきなり

「じゃあな。杏果、もう恋人ごっこも終わりだな。だから約束守れよ」

 って言ったの。

 

 恋人ごっこ?

 

「へぇ、結局そうなると思った。バカバカしい。もうあんたらなんか興味ないし。結局あんたはかすみだよね」

「え?」

 

 わたしがキョトンとすると、リョウが一瞬わたしをみて、恥ずかしそうに眉をひそめたあと、真面目な顔に戻り杏果ちゃんに

「好きになろうと努力は、した。でも…やっぱりごめんな。杏果にもいいところは、あるぞ」

 と、伝えていた。

 

 それを聞いた杏果ちゃんは、フッと笑って

「へぇ、そうだったんだ。それは、どうも。でも、やっぱり頑張り屋のかすみが一番か。かすみ、わたしずっとあんたのことキライだった。でも、それはただのヤキモチだった。今までごめんなさい。」

 

 わたしは、思わずリョウの顔を見てしまった。

 

 リョウもキョトンとしていた。

 

「ちょっと!二人してなんなのよ!わたしだって、ごめんなさいくらい言えるんだから」

 

 わたしとリョウは、にっこりしたあと偶然にも声がハモった。

 

「「ありがとう」」

 って。

 

 そして、この後三人で爆笑した。

 

 まさか、まさかこんな日が来るとは思わなかった。

 

「かすみ、あんたのことキライだったけど、心の底からキライじゃなかったよ」

「ありがとう杏果ちゃん。わたしも杏果ちゃんが苦手だった。でもね、憧れでもあった」

「憧れ?このわたしに?」

「うん。」

「かすみって、やっぱヘン。」

「杏果ちゃんもヘン」

「なにそれ」

「わからない。でもヘンな人同士仲良くしたいな」

「もう卒業なのに?」

「うん」

「やっぱりヘン」

「「「あはは」」」

 

 杏果ちゃんとは、笑顔でさようならして卒業することができた。

 

 杏果ちゃんが帰り、わたしはリョウにどういうことなのか聞いた。

 

 すると…

 

 杏果ちゃんがリョウにだいぶ前、わたしと付き合ってって告白されたらしくて、ごめんなさいしようとしたら、もし告白断るなら部活でわたしをハブにして、退部に追い込んじゃおっかなぁ?って脅してきたんだとか…

 

 それで、一応リョウなりに付き合うフリをうわべだけしていたと。

 

 わたしのために…

 

「リョウ…そんなことしてくれなくてもよかったのに…。こんなわたしのために…大事な高校生活を…」

「だって、後悔したくないじゃん?それに好きな人を守れるのって、なんかいいじゃん」

 リョウは、笑った。

 

「リョウ…ありがとう。大好き」

 

 わたしは、ずっとリョウの優しさに包まれていたことをいまさら知った。

 

 そして、思わずリョウに告白をしていた。

 

 

 あれから数年後

 

「かすみー、行くよー」

「待ってー、杏果ちゃーん」

「もう、呼び捨てでいいって」

「わたしは、ちゃん付けがいいの」

「なにそれ」

 

 あれからわたしと杏果ちゃんは、親友になった。

 

「お待たせー、リョウに太樹たいきー」

「「おっす」」

 

 杏果ちゃんに太樹くんという彼氏ができて、今日は四人でダブルデートなの。

 

「かすみ、今日もかわいい♡」

「リョウもかっこいいよ♡」

 

 ふふ♡

 

「朝からイチャつくねー」

「オレたちもイチャつくか?」

「ヤダ、人前でそんなの恥ずかしい」

「なら、後でイチャイチャしような♡」

「なっ…それは…さぁ…♡」

「「ヒュー♡」」

「ちょっと、二人のせいでわたしがヘンな人みたいじゃない」

「杏果ちゃんは、ずっとヘンだよ♡」

「かすみもね」

「「「「あはは」」」」

 

 まさか、こんな日が来るとは思わなかった。

 

 とても、

 最高の人生になりました!

 

 

 おしまい♡

 

 

 

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