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運命は悪魔と共に。 ー凡才少年転生記ー  作者: まーぴん
序章

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1/1

プロローグ

 俺が目を開けると、そこにはただただ暗い空間が広がっていた。




 …………いや。どこ?ここ。


 辺りを見渡しても、見渡しているかどうかも分からないくらい、何も無い。

 あるのは、そんなところで立っている自分の体くらいだ。

 だが不思議なことに、自分の手も腕も体も、何故か幽霊のように、半透明に透けていて――


「……そっか、死んだんじゃん、俺…………」


 そう(つぶや)いた俺、村田叶斗(むらたかなと)は、この空間に来る前の出来事を思い出す。








 高校一年生、15歳。

 別に大した事はしなくて良い、普通の人生を送れば良い。

 俺はいつもそう思っていた。


 ドヤ顔で言えるような得意なこともなければ、将来の目標なんてものも、何も無い。

 どうせ流されるがままに、なんの意味もない人生を送っていくのだ、と。

 彼女歴は清々(すがすが)しい0年。告白すらしたことがない。

 顔も普通だったし、喋れる女子すらあまり居なかったから、当然だろう。

 好きなアニメとか、ゲームとか、ラノベとか。

 そんな話を、数少ない友達とするのが楽しかった。



 そんな俺が高校から帰っているときだった。

 いつもの仲間は居なくて、一人で帰っていた。

 寄り道をしたわけでもなく、違う道を通ったりもせず、普通に。

 ただ普通に、一人でトボトボと歩いていた。



 ……横断歩道だった。



 たまたまちょうど信号が青になったので、そのまま渡った。

 「目玉焼きは醤油に限る」とか、

 「なんで緑なのに青信号なんだよ、緑信号にしろよ」とか。

 そんなどうでもいいことを考えながら。

 いや、目玉焼きの件はどうでもよくないのだが。


 左から白い車が走ってくるのがチラッと見えた。

 でも、だからといってビビる必要はない。

 なぜならこの世には信号機という、素晴らしい発明品があるのだから。


 だが、その車は減速する気配がなく、むしろ速度が上がっているようにも見える。

 なんかキィィィィィとかいうヤバめの音も聞こえてきた。


(……これ、もしかしてヤバイやつ!?)


 危険を察知(さっち)した俺は慌てて横断歩道をダッシュして渡り終える。

 危ね、助かった…………



 と、思ったのも(つか)の間。



 車が気味悪い音を立てながらこっちに向きを変えて突っ込んできて、




 「......えっ」




 俺はぐちゃぐちゃに潰されて死んだ。








 大体、思い出した。

 俺は、車に()かれて死んだんだ。

 あの車、何だったんだろうか。

 酔っ払っていたのか、寝ていたのか、スリップでもしたのだろうか。

 でも、意外と怒りは湧いてこなかった。

 どちらかというと、無気力感とか脱力感とか、そんな感じが強い気がする。

 まあ、死んだからな。

 才能もなかったし、目標もなかったし、努力もそんなしなかった。

 そこら辺は、自分の中で自然に分かっていたことだ。

 


「......で、まじでどこだよここ」



 思わず、そう(つぶや)いた。

 ここが、死後の世界というものなのだろうか。

 何もないし、誰かがやってくる気配もない。

 普通、ここらへんには誰かが居て、いろいろ案内してくれるものだと思うのだが。

 いや、そんなのはアニメとかラノベの世界だけだな。多分。

 とか思いつつ、俺はとりあえず待つことにした。




 ……本当に誰も来ない。

 もしかして、永久にこのままなのだろうか。

 俺は永久に、この何もない空間で過ごすのだろうか。

 そんな不安が頭を(よぎ)る。

 娯楽も何もなしに、話し相手もいないで、ずっと、永遠に。

 考えるとぞっとしてくる。

 ああ、頼むから誰か来てくれ。

 神様とかそんな大したお方じゃなくていいから。

 いつもの雑談仲間とか、最悪知らない他人(ひと)でも全然いいから!


 そんな時。


「ごめん、待たせたね」


 後ろから唐突に声が掛けられた。

 明るめな印象の女性の声。

 俺は声を聞き後ろを振り返ると――



 思わず目を見張った。



 そこには、黒いローブのような服に身を包んだ、俺と(おな)い年くらいに見える少女が立っていた。

 腰辺りまであるオリーブグリーン色の髪が、清楚(せいそ)な雰囲気を漂わせている。

 そしてスタイルも、背は普通より少し高めくらい、全体的に華奢(きゃしゃ)ながら、重要なところは出過すぎず出なさすぎず、という完璧さ。

 さらに顔立ちは、そこらの人やモデルなどとはまた違った可愛さがある。

 また驚くことに、()の色が左右で違った。こちらから見て左が黄色、右が赤という色だった。

 二次元ではよく見るオッドアイだが、実際に見るのはもちろん初めてだ。

 まさか現実で見れるとは思わなかったので、思わず感動を覚える。

 いや、ここが現実かどうかは分かんないけど。


 とにかく、かなりの美少女だ。

 ひょっとして、女神や天使だったりするのだろうか。

 いや、ここにいる時点で、そういう系なのはまず間違いない。


「は、はい」


 思わず緊張して声が上擦る。

 それもそうか、相手は神様的立ち位置(と思われる)の超美少女。

 クラスの女子にすら普通に話せない俺にとって、緊張しないで話すというのは流石(さすが)に無理ゲーだ。

 目の前の少女は特にそんな俺の様子を気にすることもなく、話し始めた。


「私の名前はルミナリア。ルミナリア・ヴィーゼロッドよ。

 こう見えて、実はごうよ」

「なんてよべばいいですかっ!」


 よし言った!よし言えた!

 よくやった俺!よくやった村田叶斗!

 目の前の初対面の神様的美少女に話せるなんて、お前は勇者だ!真の(おとこ)だ!!


「えっ!?……えーっと……うーん…………」


 少女はその質問は予想外だったのか、一瞬驚いた表情になる。

 そのまま考える素振りを見せ、やがて思いついたのかポンと手を打った。

 その一連の動きが非常に可愛い。もはや(とうと)い。


「じゃあ、ルミナで。ルミナって呼んで」


 …………キターーーーッ!!!!

 名前呼びでも十分えぐいのに、なんとそれを超えた、(りゃく)し呼び!!

 アニメとかだと、キャラクターがあだ名で呼ぶ相手とは何らかの関係があるもの。

 つまり、これは俺とこの美少女…………ルミナと何か関係ができることが確定したも同然で……!やがて立場が全然違うながらも関係が深まっていき、やがていろんなフラグが立ってどんどん進展していき…………っと、危ない危ない。今はとりあえず集中だ。


「わかりました」

「うん。じゃあ、ちょっと長くなっちゃうかもだけど、私の話を聞いてもらえるかな?」

「はい」


 そうしてルミナは、俺に向かって話し始めた。


「じゃあ、早速見てもらいたいものがあるから、こっちに来て」

「はい」


 ルミナはそう言うと、彼女の後ろにある黒い壁のようなところをスッと通り抜ける。


……そこ通り抜けれるんや…………


 俺はそんなことを思いつつも、遅れないようにルミナの後について行った。


「ここがこの空間の中心部だよ」

「おお…」


 壁をくぐり抜けた先には、レトロな雰囲気を漂わせた、なかなかの広さがある会議場のような場所があった。

 部屋の真ん中にはやけに整った正方形の形の石が置いてあって、それを囲むようにして、これまた正方形の形で、4つの机と7つの椅子が置いてある。1つの机に2つの椅子があるけど、1辺だけ椅子が一つ、みたいな感じだ。

 右の机の上には、数冊の本が置いてある。


「ここってどういう場所なんですか?」


 俺が聞くと、ルミナは困った顔をして、


「わからないわ」


 と、答えた。

 分からないとはどういうことだろう、この部屋、というか、ここには彼女しかいないのだろうか?

 俺のそんな疑問が顔にも出ていたようで、ルミナが答えてくれる。


「ちょうどそれを話そうと思ってたところなんだけど、

 ……私にはね、ここに来る前の記憶が、(ほとん)ど無いの」


 なるほど、記憶が無いのか……

 …………。


 ……記憶が無い!?


「え、ガチっすか?」

「ガチよ。覚えていたのは、文字、言葉、それに自分の名前と立場、ってとこかな」


 マジかよ、ヤバいじゃん……


「あのー……それって大丈夫なんですか?」

「大丈夫大丈夫、置いてあった本でちょっとは把握してるから」

「本ですか」


 なるほど。まあそこら辺は神様パワーでどうにかするんだろう。多分。

 ていうか今見てみると、右側の机の上に、本が数冊置いてあることに気づいた。


「でも、それで記憶が戻るってわけじゃないし、ほら、やっぱり何があったか分からないってなると、いろいろ不安じゃない?」

「まあ、そうですね」

「でしょ!?そこで、お願いがあるんだけど……」


 ルミナはそう言うと、顔をズイと俺の方に寄せてきた。……って!

 ヤバイヤバイ、顔めっちゃ近い!心臓バクバク言ってる!

 話すのさえ難易度が高いっていうのに、これはまじで緊張するって!!

 やめて!!いや違う、やめないで!!!

 と、俺がそんなことを思っていると、


「私と一緒に、転生してくれない?」


 ルミナが、そんな事を言ってきた。



■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□



「えーっと、つまりこういうことか?ルミナは自分が元いた世界に行って、記憶を取り戻したい。けど、二人いないと転生は無理だし、一人で旅するのも不安があるから、俺も一緒に来て欲しい、と」

「そういうこと」


 どうやら、ルミナが元いた世界は、俺がいた世界とは違うらしい。

 モンスターが蔓延(はびこ)っていて、魔王とかがいたり、ギルドとか王国とかがあったり、冒険者がいたり。つまりあっちの業界では定番の異世界っていうわけだ。

 そして、もしかしたら旅していれば色々見ていくうちに思い出したり、何かのきっかけで記憶が戻るかもしれない、というわけだ。

 ちなみに、転生しても赤ちゃんからとかじゃなくて、今の姿で行けるそうだ。

 俺は先程(さきほど)からそれを聞いて心の中で、



 めちゃくちゃ興奮していた。



 いや、普通にエグいだろ。まず美少女×神様。これだけでもいいのに、さらにさらにあだ名呼びOK!?そんで記憶喪失(きおくそうしつ)、更に異世界。もうエグすぎ。やばい。しかもこんなお方と異世界旅できるとかやばすぎでしょ、え!?記憶喪失とはいえ絶対強いだろうから多分死ぬことも無いし断る理由がなさすぎて困るんだが!?


「……それで、いいかな?私と一緒に異世界に行ってもらっても」

「もちろんです」

「本当!?ありがとう!」


 俺が即答すると、ルミナは顔を明るくして喜んだ。

 マジで可愛い。


「じゃあ、こっちに来て!」


 ルミナはそう言うと、さっきの黒い壁に入っていった。

 俺もウッキウキの気分でそれに続く。


「よし!始めるわよ!」


 聞こえてくるのは気合の入ったルミナの声。

 俺もめちゃくちゃ楽しみだ。

 なんてったって、神様系美少女と異世界転生して冒険できるんだ。

 これでワクワクしないやつはいないだろう。


「えーっと、未契約(みけいやく)の状態で2人が転移する場合は、媒介(ばいかい)となる者と契約(けいやく)を結べば発動する……なるほど」


 ルミナはそう呟くと、何か呪文のようなものを唱え始めた。かっこいい。

 すると、真っ暗だった部屋が紫色で満たされ、部屋の床に、回転する大きな円形の魔法陣が現れた。

 (なお)もルミナは詠唱(えいしょう)を続ける。


 やがて、魔法陣の回転が速くなり、俺達の足元にも魔法陣が出現した。


 それを見て、俺の気持ちがさらに高まる。


 いよいよだ。いよいよ、俺はこの神様系美少女と転生できるんだ!!


 心の中で超興奮する俺に、呪文を(とな)えるのを終えたルミナが、俺のことを真っ直ぐ見て、威厳(いげん)あふれる声で言った。


「それでは契約(けいやく)()(おこな)う!

 ”強欲(ごうよく)悪魔(あくま)”ルミナリア・ヴィーゼロッドは……」


 きたきたきた!!

 えぐい!まじでもう……す……ぐ…………


 あれ、ちょっと待て。



 ……今、”()()()()()”って、言ってなかったか?


「……村田叶斗と、’秘儀(ひぎ)の契約’を結ぶ!!」


 ルミナが(おごそ)かに宣言して魔法が発動するなか、俺はかつてないほどにオロオロしていた。


 いや、ちょっと待って。一旦待って。少し理解する時間をくれ。あれか?言い間違い?だよな、うん。そうだよ。きっとそうだよ。だって、神様って、言ってた……し………………?


 ……そういや、今思えば、「神様」なんて、一言も言われてなくね!?!?

 ていうことは、今目の前にいる美少女は、神様じゃなくてまさかの悪魔!?


 まじで待って!

 一回待ってくれ!

 ほんまに待って下さい!

 頼むって!

 話が違う!!!!!



 だが、俺のそんな心の叫びは、すでに発動した魔法には届くはずもなく。





 俺とルミナは、異世界へと降り立った――

こんばんは。まーぴんです。

読んでくださってる読者さんの方の時間はわかりませんが、今僕の方は夜なのでこんばんはです。


初投稿です。初投稿!

書くときに暴走しすぎて思ったより文字数が増えてしまったんですが、今後もこんな感じでやっていこうと思います。

……いやダメですね。反省します。


高評価、ブックマークなどしてくださったら本当に嬉しいです!

どうかよろしくお願いいたします!!

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― 新着の感想 ―
こんばんわ! 感想失礼します。 初投稿お疲れ様です! 初投稿の初々しさを思い出しました笑 えっとすみませんね……作品の内容っと 主人公の話を聞かない感じ、ザ凡人でした…… 悪魔とどんな異世…
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