表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/8

05

タケルは医務室の個人用バスルームの鏡の前に立ち、DAAの制服の襟を整えていた。それは強化繊維で作られた洗練されたチャコールグレーのアンサンブルで、彼の不安定な内部エネルギーを安定させるためにソルトアイアン(塩鉄)の糸でアクセントが加えられていた。ジャケットの皺を伸ばすと、そのカットが彼の鍛え上げられた体格を際立たせているのが分かった。


「似合ってるじゃん!」


彼は鏡の中の自分にそう言い、不敵な笑みを浮かべた。


廊下に出ると、ケンタが壁に寄りかかって時計を確認していた。インストラクターはタケルをじろじろと眺め、さりげなく頷いて肯定の意を示した。

「似合ってるな」とケンタが言った。

「だろ?」タケルも同意し、持ち前の自信が戻ってきた。


「よし、ついてこい!」

ケンタは壁を蹴って離れ、アカデミーの無機質でハイテクな廊下を早足で歩き始めた。

スライド式のガラスドアや生体認証スキャナーを通り抜けて2分後、彼らは「1-A」と記された重厚なオーク材のドアに到着した。ケンタはノックもせず、彼らしい大げさな仕草でドアを勢いよく開けた。


「ハロー、親愛なるDAA校の生徒諸君!」ケンタが轟くような声で告げた。「今日は新入生がいるぞ!さあ、入ってこい!」


タケルは教室に足を踏み入れ、周囲を見渡した。「ちわっす!」

彼の視線はすぐに、二列目にある見覚えのある黒髪の頭を捉えた。「よお!シンジ!ちわっす!」


シンジははっきりと聞こえるような舌打ちをし、頭を抱え込んだ。そして、睨みつけるような視線を教壇へ向けた。「ケンタ先生……本当にあいつに僕の名前を教えたんですか?」


「ああ、教えたとも!」ケンタは少年の苛立ちなど全く気にせず、朗らかに答えた。「さて、授業を始めるぞ。タケル、シンジの隣に座れ!」


タケルは堂々と歩み寄り、嫌がる知人の隣の空席に滑り込んだ。ケンタが「揺らぎのシマリング・メトロポリスの形而上学的特性」についての講義を始めると、タケルは身を乗り出し、シンジに囁いた。


「なあシンジ、なんでここには生徒が6人しかいないんだ?」


シンジは彼を見ようともせず、黒板に目を向けたまま答えた。「昨夜言ったことを覚えてるか?適性があるのは全人口のわずか10パーセントだ。そしてその10パーセントのうち、ここにいられるだけの安定性を持っているのは一握りしかいない。ここは普通の高校じゃないんだよ、タケル」


「へぇー」タケルはゆっくりと頷きながら囁き返した。「少数精鋭ってわけか」


授業が終わると、舞台は一変した。ケンタは少人数のグループを「バックヤード」へと導いた。そこは高周波エネルギー障壁に囲まれた、鮮やかな緑の芝生が広がる巨大な敷地だった。ここの空気は他とは違っていた。生徒たちに集中力を強制させるよう設計された、濃密な霊圧に満ちていた。


「よし、お前ら!」ケンタが叫んだ。その遊び心のある態度は、より鋭く、獲物を狙う獣のようなものへと変わっていた。「これよりバトルロイヤルを行う!チームなし、慈悲なし、手加減なしだ。……まあ、お互い殺さないようにな。書類仕事は嫌いなんだ」


生徒たちは散らばり始め、それぞれがフィールドの角を陣取った。タケルは芝生の中央西側に歩を進め、他の5人の生徒からの視線を感じた。彼らは「王」のオーラを纏った「新入り」を品定めするように、興味深げに見ていた。


「よし!」ケンタが手を挙げ、指を使い慣れた印の形に組んだ。「3……2……1……開始ビギン!」


空気は霊的シグネチャーの不協和音と共に爆発した。一瞬にして、他の生徒たちは背の高い草むらへと姿を消すか、局所的な重力バーストで空中に身を躍らせた。


タケルはその場に踏みとどまり、心臓が肋骨を叩き始めた。誰がどこにいるのかもまだ分からず、盾となる「魔神ジン」も具現化させていない。しかし、彼の「適応の神」としての本能が燃え上がると、世界がゆっくりと動き始めた。草のなびきや、エネルギーが練られている空気の微かな振動が見て取れた。


彼は拳を握りしめた。指にはめたリングが、鈍く、リズムを刻むような真紅の光を放つ。今はまだ、彼らの名前も能力も知る必要はない。彼が知るべきことはただ一つ。このフィールドにいる全員を倒すことだ。


「来いよ」タケルは呟いた。視界の端で影が揺らめくのを感じ、その瞳を鋭く細めた。「お前らの実力、見せてもらおうじゃねえか」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ