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技の証明

白銀の軌跡が、夜気を裂く。

その瞬間――

ヴェスピナの羽が、大きく震えた。


「……チッ」


地を蹴る。


「ネクトリア!! 前に出過ぎ――」


飛び出しかけた、その刹那。


――すっ。


細い扇が、進路を優雅に塞いだ。


「お待ちなさい、ヴェスピナ」


静かで、揺るがぬ声。


「……姉貴」


低く唸るヴェスピナ。

だがアピスの視線は、ただ一人――

戦場の中央に立つ末妹へ向けられている。


琥珀の瞳が、わずかに細められた。


「ネクトリア」

よく通る、しかし過剰に張らない声。


それでも――

不思議と届く。


「――右足、半歩引きなさい」


一瞬の空白。

そして。

ネクトリアの体が、無意識に動いた。


次の鎌が――


空を切る。


アピスの扇が、静かに閉じられる。


「よろしい」


さらに、間髪入れず。


「そのまま間合い維持。突きは最短で」


白銀が、閃く。

――シュバッ!!

オオカマキリ兵の体勢が崩れた。


ヴェスピナの目が、大きく見開かれる。


「……おいおい」


思わず、笑みが漏れる。

アピスは淡々と告げる。


「安心なさい。あなたの一撃は、逃げません」


一拍。


「――あとは、恐れないこと」


ネクトリアの瞳が、わずかに揺れた。

そして。

白銀の切っ先が、まっすぐ敵を捉える。


その背後で――


ヴェスピナは腕を組み、にやりと笑った。


「……へっ」


誇らしげに。

嬉しそうに。


「やるじゃねぇか、ネクトリア」


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