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2日目

 朝、3人は司令室に集まり、ブランドンは敬礼をすると、都市に向かった。ブランドンは気分が高揚していた。

 激戦を生き残った英雄、ケビンがこの都市に住んでいるのを知っているから、

 ケビンはブランドンにとって、不可能を可能にした英雄だった、過酷といわれた、激戦区をただ、1人生き残った英雄。

 ケビンがここにいると知って、更に会えるかもという期待はブランドンの胸を高鳴らせた。

 ブランドンは街を見回っていると、異様な光景に気付いた。家は全て、金属で覆われているからだ。

 その風景に見惚れつつ、彼は前に進んだ。

 暫く歩いていると、車の影に隠れている人物に出くわした。その人物は飛び出すやいなや、恐ろしい速さで銃を撃ち抜いた。

 その先には今、放たれたペイント弾で胸を緑に染めた人形が置かれていた。

 ブランドンは立ちすくんでいると、ケビンはブランドンに気づいて、手招きした。

 ブランドンは警戒しつつ、ケビンに近寄る。ケビンは人懐っこい顔で笑いかける。

「よう、来たか」

 ブランドンは敬礼をする。

「楽にしてくれ」

 ブランドンは敬礼から待機の状態になる。

「今は、訓練中なんだ」

 ブランドンはこの訓練が必要のない状態でも、いざの時に大して、準備している姿勢に感服していた。次の行動をまるまでは

「紹介するぜ、コイツは訓練仲間のトーマスだ」

 ケビンは胸をペイント弾で染めた。自分が打った人形を紹介した。ケビンは人形の手をタッチする。

 人形の手は度重なるタッチでボロボロになっていた。

「戦場では、他の仲間と一緒に生き残ったんだ、今日は教官は来ないな」

 ケビンが話に花を咲かせている途中で、ブロンドの女性が割り込んだ。

「ちょっと、程々にしときなさいよ」

「なんだリズか」

「全く」

「行くわよ」

 リズはそう言うと歩き出した。ブランドンは後をついて行く。

 ブランドンはリズの英雄譚を思い出していた。

 リボルバーを愛用して、弾は一発しか込めない、それだけで戦況を動かしたと、ある時、捕虜になった時にロシアンルーレットの賭けにされた時にその腕で脱出したと

 ブランドンは他の家と同じように、周囲を鋼鉄で覆われた家に着いた。

 リズは家に入るように促す。

 ブランドンは緊張の面持ちで家に入る。

 家に入って、まず、目に付いたのはテーブルの上に置いてある回転式拳銃。

「そこに座ってちょうだい」

 リズはテーブルに目をやる。促されるようにブランドンは席に着いた。

 暫くすると、リズはコップに氷に液体を入れて、持ってきた。

「さあ、やってちょうだい」

 ブランドンは促されるまま、液体を喉に通した。

 酒、リズが耳元で甘い声で囁く。

「ねぇ?」

「え?」

「一発やっちゃう?」

 ブランドンは急なリズの急な申し出に戸惑った。

「これに認められればね」

 リズは机に置いてあった。リボルバー拳銃に弾を込める。そして、シリンダーを回転させる。

 リズは頭に拳銃をつける。

(この人は何を考えてるんだ?これに何の意味がある?)

 ブランドンは理解が追いつかないまま、ことの成り行きを見守った。

 カチッ

 不発を確認したら、リズはブランドンに拳銃を渡した。

 リズはブランドンの様子をジッと見守っている。

 ブランドンは頭に拳銃をつける、撃鉄を起こし、引き金に指を掛ける。

 引く、そう思いながら、引き金を押そうとする。

 ブランドンの頭には脂汗が滲んでいる。

 引く!そう思いながら指を引こうとした時、リズと目が合った。

 ただ、結果を求めているだけの目、そこにブランドンの生死は特に興味がなく、自分の計算が合っているだけを求めているような暗い好奇心に囚われた目。

「うわぁ!」

 ブランドンは拳銃を放り出した。

 リズは拳銃を拾うと頭に拳銃を付けた。

 ブランドンは腰を抜かして、その様子を見守っている。

 カチッ、カチッ、カチッ

 リズは3回連続で引き金を引いた。

 4回目でスコアボードに狙いを付けて、引き金を引くと、スコアボードに穴が空いた。

「残念だったわね」

「うわぁ!」

 ブランドンは走って逃げ出した。

「また、外れなかった」

 リズはそう呟くと拳銃を眺めていた。部屋から出ていったブランドンには既に興味が失せていた。


 昼休み他の家と同じように鋼鉄で覆われた学校では、給食を食べるようにしていた。

「好き嫌いをなくしなさい、また、戦争になったら、いつ食べれるか分かりませんよ」

 星型の人参がスープに浮かんでいた。


 街の住民達はベビーカーを押して、逃げるブランドンの様子を見ていた。


 開いてるドームからは雨が降ってきた。

 雨に濡れながら、ブランドンは司令部に戻った。


 大佐が来てから、ブランドン早口で捲し立てた。

「大佐、ここの住民達は」

「ブランドン少尉!」

 大佐の迫力で、ブランドンは黙った。

「街での様子は内密にするように、本日は解散」

 3人は部屋に戻った。


 ブランドンが部屋に戻ろうとするとクリスが部屋の前で待っていた。

クリスはブランドンの様子を見守っていた。昨日、自分で見たものと同じか確認するように

「見たんだな?」

「ああ、あれはまるで、」

「そうだな」

「ここは英雄都市だろ?」

 クリスはブランドンなら大丈夫と昨日から考えていた事を話す。

「ここの奴らを排除して、俺らがここに入ろう」

「そんな事、大佐が」

「大佐も後で、納得してくるさ」

 ブランドンはその案が正しいか分からないがやるしかないと思った。

「じゃあ、計画は」

「声を小さくしろ」

 二人はお互いに不信感を抱いていたが、幸せになるためにやることに決めた。


 司令室では大佐がモニターを眺めていた。

 そこにベンがやってきた。

「どうした?」

「失礼します」

 大佐は強い口調で再度、質問する。

「どうした?」

「気になった事がありましたので、モニターを見せていただきたいのですが、宜しいでしょうか?」

「いいぞ」

 大佐がそう言うと、ベンは街の様子が映し出されている。モニターを丹念に見つめた。

「やっぱりそうだ、ここは英雄都市なんかじゃない、皆、騙されてたんだ!」

 大佐は眉を顰める。

「失礼だな、私は一度も騙した覚えはないぞ」

 ベンは何かに気付いたように目を丸くする。

「そうか、僕達が勝手に作り上げたんだ」

「そうだ、いい迷惑だ」

 ベンは何かを思い悩んでいる。

 大佐はその様子を見守っている。

「どうする?」

「時間を下さい」

「明日の朝までに考えるように」

 ベンは司令室から出ていった。

 大佐は日誌には書き込んでいる。

 ヨハンが機材の影から現れた。

「真面目な子ですね」

「でもな」

 日誌には本日は晴天なりと書かれている。


 学校では雨が外壁を穿つ音が鳴っている。

 闇夜の中、教師が一心不乱に黒板に数式を書き記している。それを高速でノートに書き写す音が聞こえる。


 


 

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