英雄都市に入りたい3人
ある都市は万年、ドームで覆われていた。
そこには入口までしか、入場する事しかできない。
ある記者が内部の情報を掴む事に成功した。そこは戦争で活躍した英雄や戦いを生き抜いた市民などを手厚く保護しているという、そしてその記者は程なく、消えてしまった。
市民は英雄都市として、その街を崇め、入居しようとする人達で溢れた。
そして、戦争で活躍したものや将来有望とされているものを通す事になり、騒動は一応、終結した。
ある記者が戦争で戦果を挙げた英雄や戦地で過酷な戦いを生き抜いた人達を手厚く保護しているという都市があるという情報を掴み、国民に流して消えた。
多数の人々は戦争で手柄をあげれば、生涯安泰と捉えて、その都市に移住できると考えて、その都市を英雄都市と名づけた。
街は壁で覆われていたが、マスコミが嗅ぎ付け、宣伝した事により、英雄都市に憧れる人達は後を絶たない。
英雄都市の出入り口はトラックが一台通行できる金属製のドア一つで、脇に人が通行できるようなドアが一つ、ドアの前に守衛所があり、守衛が24時間体制で見張っている。
守衛所の前に3人の若者が居た。白い肌の男、1人は肌の黒い男、アジア人男性その順番に並んでいる。
3人が守衛所で、通行許可証の申請をしている。
守衛が金属探知機で、3人を1人ずつ、検査していき、何も出ない事が確認できると守衛は通行許可証の判子を押した。
「ブランドン」と守衛が言うとアジア人の男は敬礼をし、勢いよく
「ハイ!!」と返事を返す。残りの2人は元気の良さに些か、驚いた。守衛は眉を顰めながら、許可証を渡す。
「クリス」と守衛が言うと、白い肌の男は敬礼をし、「ハ!」といい、許可証を受け取った。
「ベン」と守衛が言うと、肌の黒い男は遠くを見ながら、「ハ」と言って、受け取った。
守衛は3人の顔を見ながら、
「ここは戦争で過酷な状況を生き抜いた人達が住む、神聖な場所だ。くれぐれも不始末を犯さないように、分かったな?」
3人は敬礼をし、
「サー、イエッサー!」と言って、門を潜っていった。
門を潜る前に守衛はベンと目が合った。
ベンの目は大きく、見開かれていたが、守衛はただ、ジッと見つめて、3人が門を潜るのを見送った。
3人が案内されたのは、司令室のような場所だった。
街にある監視カメラの映像を垂れ流しにしている。多数のモニターや機器、何に繋がっているか分からない、ボタンやスイッチがある。
そこに赤い軍帽、軍服を着こなした白人男性が立っていた。彼は軍人としても、高い評価を受けていた。名前はサイモン大佐と言われて、軍部や部下も彼の退官を止めたが、辞めてしまった人だ。
あの伝説のサイモン大佐、尊敬の眼差しで3人は敬礼をして、待機した。
大佐は3人をジロリと見つめる。
「楽にしろ」
大佐がそう言うと、3人は敬礼を解いた。
「お前達よく来たな」
3人はハッと短く、答える。
「お前達の目的は聞いている。そもそもお前達は何の為に英雄都市に入りたい?左の奴から答えろ」
左からブランドン、クリス、ベンの順番に並んでいる。3人が自信がないようにしていると、その内、意を決して、クリスは大佐を見据えた。
「大佐、自分からお話ししてもよろしいでしょうか?」
「命令は左からだが、まぁ、いいだろう。」
「ハッ、私は尊敬されつつ、いい暮らしを送りたいからであります。毎日、いいものを食べて、好きなように生きる。幸せな生活を送りたいです。」
大佐は唇を綻ばせる
「随分、正直なんだな」
「それが取り柄でありますので」
大佐は声をあげて笑った。
「次」
本来の順番を飛ばされた、ブランドンが答える。
「俺を馬鹿にしてる奴らを見返して、やりたいからです。」
「ほぅ?じゃあは部隊でお前はお荷物扱いか?」
「断じて、違います。」
「ほぅ?お前の所属している部隊は、精鋭揃いだと聞いているが?」
「それは俺の肌の色だと思います。」
「どういう事だ?」
「それは俺がアジア人だから、差別されているんだと思います。」
「そうか、それは辛いな、よし、次」
大佐は大体、事情が分かったという風に話を切り上げた
ベンは探るように大佐を見つめる。
「話したくないのか、じゃあ、いい」
そう言って、終わろうとすると
「俺は母ちゃんを楽させてやりたいんです。」
ベンは慌てて、そう答える。
大佐は珍しそうな顔でベンを見つめる。
「そうか、親孝行な奴だな」
大佐は1人、歩きながら、頷くと部屋を回った。
「よし、じゃあ、クリス、お前から世間でいう所の英雄都市に入ってもらって、決断して欲しい。」
そして、1日目が始まる。
何が起こるのか?




