7日目「青春」
七限目「青春」
ついにアオハル来たかあ~。
どうするっぺよ。
私の青春時代の思い出でも語ろうか・・・何の変哲もないアオハルを・・・ね(笑)。
いやいや、エッセイ系の多投は避けたいですし、ワシの青春時代の思い出なんて誰も望まないと思います(哀)。
ここは正々堂々とジャンルは恋愛、現実世界・・・かもねでいきましょう。
「募る思い」
5月の陽気とともに蒸し暑いある日。
無言の二人は川辺の東屋ベンチで腰かける。
環はじっと碧の顔を見つめた。
(言うんだ。言うんだ・・・今日こそ)
そう思えば思うほど彼女の顔は真っ赤になり頭が垂れ下がる。
「どうした?環」
覗き込む彼の眼差しが真っすぐで思わず環は顔を背ける。
「ああ、ごめん!あのごめん!」
「変なヤツ」
「うん、そうだよね。ごめん聞いて欲しいことがあるんだ」
「わかっているって、だからここにいるんだろ」
「そ、そ、そ、ね」
「・・・・・・」
首を傾げる碧に、環はゆっくりと顔をあげ、今度こそ彼の瞳をじっと見つめた。
「どうしたんだよ。一体」
「き・・・聞いてくれる」
「だから、聞くって」
「うん、ありがと」
「ああ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「あのさ」
「うん」
「私・・・アオちゃんのことが好き」
「・・・う・・・うん」
「ずっと前から・・・幼稚園の頃からずっと」
「うん」
碧は静かに頷く。
「だから・・・」
「うん」
彼は表情を強張らせながら何度も頷き続ける。
「私と付き合ってください!」
環は立ち上がるなり、凄い勢いで一礼をして碧の前に右手を差し出した。
「・・・・・・」
彼女は深く閉じた目を薄っすらとあける。
碧は固まり震えている。
「あの・・・」
「俺でいいの?」
「もちろん!アオちゃんがいい」
「うん」
彼は震える手を伸ばし彼女の手をとった。
緊張で互いの手の平はじっくりと汗をかいていた。
五月晴れの陽気が2人を茹で蛸にした。
それから二人は付き合う事となった。
恋人同士・・・その言葉は環にとって甘美な響きだった。
しかしながら、碧は気恥ずかしさから素直になれなかった。
ことあるごとに、スキンシップを試みる彼女に彼は素っ気ない態度を取り続ける。
そして、今日も・・・。
下校時。
「だ~れだっ」
背後から目隠しする環に碧は溜息をついた。
「やめろよ」
「・・・つまんないの」
「だから、人のいる所でそんなことするなよ。恥ずかしい」
「・・・私といると恥ずかしいの?」
「そういう意味じゃないよ」
「じゃあ、いいじゃん」
彼女は彼の右腕にしがみついた。
「・・・だから」
「アオちゃん」
「なんだよ」
「好き」
「・・・・・・」
「アオちゃんは?」
「・・・好きだよ。だけど・・・」
環はすっと碧と手を繋ぐ。
「いいじゃん」
「なんだよ。それ」
「あのね」
「なんだよ」
「ずっといっしょだよ」
「・・・・・・」
「ね」
「・・・・・・ああ」
ゆっくりとゆっくりと思いを深めよう。
ふたりの時間はこれからもずっとあるのだから。
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
「ふふふ」
環は幸せそうに微笑む。
朝陽が窓に差し込み、彼女は静かに目を開いた。
「・・・・・・」
「ふっ・・・はぁ」
自嘲の笑いとため息がほぼ同時にでる。
「夢か・・・そう」
環は静かに呟いた。
指摘あるかもしれないので、堂々と言っておきます。
オチはともかく・・・いきも〇がかりさんのあの名曲をヒントに作っています。
あと拙作のキャラを使って、まじぇまじぇしました。
これ書かんでもいいかなと思いました・・・けどね〜。
青春って難しいっす(笑)。