異世界転移と闇魔法を使う謎の少女 1話
異世界×最強の魔法使い×恋愛
「疲れた。もうやめよう。新しい土地にでも行ってもう一度1からやり直そう。なるべく自然豊かで緑が多く綺麗な場所がいい。」
失敗だらけの人生に嫌気が差して何かプツンと切れる音がした。
煌月 凉久17才 2019年6月25日より行方不明 以後発見ならず
美少女 「おーい、おーい、生きてる?...これは聞こえてないな」
今までの人生で恐らく一番であろうほどの聞き心地の良い美声で目が覚めた。そこには自分が望んでいたであろう景色があった
「清々しい青空、自分を照らしてくれる太陽、見とれるほどの自分を囲む青々しい草花、自分を心配している髪が綺麗な美少女、とても気分がいい。それにしても青々しい草花と言ったが本当に緑ではなく青色に見える。いや世界全体が青い!それとなぜ美少女は俺を心配してるのか?はは~ん↑一目惚れでもしたのかな~?まったく俺ってば罪な男!!!そんなことよりヤバい。あれ息が...できない...!!!!!」
美少女 「消し飛べ【シャドウグレイブ】」
美少女が呪文のようなものを唱えた瞬間、視界が青色からはじけ飛び色鮮やかになった。
凉久 「ガハッ...ゴホゴホッゴッ...ハァーハァーハァーハァ」
美少女 「危ないところだったね。」
凉久 「今なにが起きたんだ?」
美少女 「闇魔法だよ。まったく、今度からはスライムで顔面窒息なんてしないように気をつけてね。」
なるほど青いスライムが俺の頭の上に乗っかっていたのか。いや待て魔法にスライム?わからないことが多すぎる。ここは地球ではないというのか?
美少女 「ところで君は黒髪だけどまともなんだね。面白いね。気に入ったよ。私の名前はレイカ・ギルティアだよ。君の名前は何かな?」
凉久 「えっと俺の名前は煌月凉久だ。日本生まれの17才。プライドは富士より高く、慈愛は海より深い、模範的な健康児。西洋風に言えばスズク・キララギだな!よろしくなレイカ!ところで黒髪がどうかしたのか?」
レイカ 「日本生まれか...黒髪のこと納得できたよ。つまり転移者ということだね。何もしらないのは当然か...」
スズク「焦らさないでくれるかな?あと渾身の自己紹介をスルーしないでくれ。悲しくなる。」
レイカ 「黒髪の人はこの世界では珍しいんだよ。しかも黒髪の人は全員悪魔信徒だからね。普通の人は黒髪に近づこうとしないし、国にも入れないんだよ。それぐらい忌み嫌われているんだよ。それに普通の人は地毛が緑や金色、赤色なんかだしね。」
確かにレイカの髪は透き通るような青色をしている。よく手入れをしているのだろうな。遠くから見てもサラサラとしているのがわかる
レイカ 「助手くん無駄話もいいけどさっさと行こう。」
スズク 「行くってどこへ?あと勝手に助手になってるけど対して年とか変わらないんじゃないか?」
見た感じではとても幼く見える、高くても18才はいってないだろう
レイカ 「残念だけど君の予想とは違うと思うよ。私は今年で1250年生きてることになるからね。君と私じゃ天と地ほどの差があるからね。あと助手くんはこの世界でどうやって生き残るつもりだい?お金もないのに。今から行くのはギルドとギルティアという鑑定場だよ」
この世界にはギルドがあるのか少し興味が湧いてくるな。あと鑑定場はなにを鑑定するのだろうか?これからは楽しい毎日がやってくるに違いない
スズク 「俺はなんと無礼を働いたのだ。ギルティア師匠と呼ばせてもらってもいいですか?」
レイカ 「分かればよろしい!助手くん富士より高いプライドはどこへいったのかな?ニヤニヤ。そんなにかしこまらなくていいよ。まあ師匠とは呼んでね。」
師匠は煽り性能が無駄に高いな。所々ウザイ。しかし信用はできるタイプの人だろう。そういえばなぜ1000年以上も生きられているのだろうか。もしやエルフ的なやつか?
スズク 「師匠~質問です。」
レイカ 「なんだね助手くん」
スズク 「師匠は長く生きていますけどエルフとかなんですか?あとなんで日本を知ってるのですか?」
レイカ 「A.私はエルフではない。ただの人族だよ。だけど魂が特殊でね、私は死んでも死ねない性質を持っているんだよ。簡単に言えばこの世界で何度も死んでいるが転生を繰り返しているんだよ。そして私は1250年前の異世界転生者だ。私も元々は日本人だったんだよ。つまり精神はピチピチの1250歳日本人ていうわけ。でもね肉体はまだ16才なんだ。」
スズク 「おお~ピチピチのおばあちゃん」
レイカ 「今なんて言ったのかな?助手くん。魔法で消し飛ばされたいのかな?まあ茶化すのはこれぐらいにしてスズクくんに話しておこう私の"旅の目的を”。」
レイカさんがいつもとは違う真面目な表情になっている。
スズク 「目的?」
レイカ 「あぁ。目的とは私の転生を止めることだ。私の転生は自分でも制御できない。つまりこのままでは永遠に生き続けてしまう。それを止めたい。そのためだったら魔王だって倒す。人生は終わりがあるから美しいんだよ。こんな私情のためだけどついてきてくれるかな?煌月凉久。」
その時のレイカさんの表情は自信で満ちあふれながら、力強い眼差しと穏やかな笑みを浮かべていた。
その表情に不覚にも俺はドキッと心臓の鼓動が大きくなった。
俺はこの人のために行動したいと本能が叫んでいる。
レイカさんになら着いていってもいいのかもしれない。
いや着いていく
スズク 「行きますよ。どこまでも。」
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