ゴブリン村の焼き芋バブル
ここはとあるゴブリンの村。
ゴブリンは野性的で基本的に弱い上に経済力も無い。
ゴブリン村の村長はそんな村を変えたいと常々思っていた。
そんなある日、たまたま焚き火していたところに持っていた芋が落ちてしまう。
その芋が適度に焼け、なんだか旨そうなニオイを発していることに気づいた。
食ってみる。
ウ、ウマイ!
なんつー旨さ!今世紀最大の発見だ!
この旨さを村長に伝えたところ、すぐに焼き芋の製造に取りかかるよう指示が出た。
こうして村全体が焼き芋工場と化し、大量に生産し始めた。
また、周囲の村や人間の町や魔物の国等へもそれぞれの商人と取引を行い、ガンガン売ってもらった。
焼き芋は各国の教科書に乗るほど知名度はうなぎ登りで、ゴブリン村は大きく繁栄した。
村は町へ、町は国へと肥大化。
焼き芋によって飢饉も無くなり、出生率が凄まじく上昇。
それによってゴブリンはたったの50匹程度だった村から5000万匹という大国に成長した。
しかしやがてそんなゴブリンの国にも危機が訪れる。
ゴブリンたちは皆、経済大国となったことをいいことに他国に対して見下すようになっていった。
それはどんどんエスカレートし、遂には人間の国がゴブリン殲滅作戦と称してゴブリンの国に侵攻してきた。
ゴブリンたちは豊かにはなったものの、別に強くなったワケではなかった。
だからあれだけいたゴブリンたちがみるみるうちに死んでいった。
ゴブリンたちはなす術がなく、遂には国が滅んだ。
ゴブリンたちは散り散りになり、また小さな村から再スタートせざるを得なかった。
だが、ゴブリンたちは希望を捨てていなかったのだ。
そうゴブリンたちには焼き芋がある。
その焼き芋をまた売り始めたのだが、既に焼き芋の製造は他国もやっていたのである。
最後の切り札さえも通用しなくなったゴブリンたちは再び、原始的な生活に戻ってしまうのであった。