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*完結* MECHANICAL CITY  作者: terra.
#07. Cracking 処分
90/189

[16]




 シャルの足首が光った。

白光が皮膚下に流れて消えると、彼女は上体を起こす。

その後、真横のレアールに飛び掛かり、頭突きを喰らわせ押し倒した。

そのまま身を翻しジェレクの肩を掴み、引き寄せ、首を真後ろへ完全にへし折ると、石畳に叩きつける。

振り返りざまビルの胸部、腹部、股を蹴り、彼が僅かに前屈みになった隙に両目を突いた。

彼の両眼は寸秒で眼窩の奥に消え、光放つ目に変わる。











 再び勃発した騒音に、イーサンは戻って仰天する。

ヘンリーはまた、その様子に笑わずにはいられなくなりかける所、必死に堪えていた。











 ジェレクは後方に倒れきった首を両手で前に持ってくると、軋み音を立てながら、固定位置を探った。

完全に折れた為に、嵌りが甘い状態になるが、そのままピストル2丁を構える。



 ビルは地面に寝そべっていたサブマシンガンを即座に拾う。

それを捉えたレアールが、マガジンを投げた。

彼は掴み取ると手早くそれを仕込む。

レアールは、背にしていたアサルトライフルをリロードする。






 3体に囲まれる所、シャルは更にビルに襲い掛かろうと手を伸ばすが、3方向から連射を喰らう。



 中庭は激しい火花が散り、明々とそこを照らした。

銃弾は時に、互いの皮膚を掠りながら、シャルの右半身を攻撃し続ける。



 短銃のジェレクは控え目だが、Rの急所を確実に狙っていた。

後の2体は頸椎、腰椎、最終的に再起動させた足首まで満遍なく銃撃する。



 焼け焦げた臭いと煙は、朝日の中へ溶けていった。

陽光に眩しさを感じる事も無く、撃ち切ったレアールとビルの手は止まる。

シャルはまだ、ビルに向いて立ち尽くしているが、彼女の眼光は確認できない。






 3体が銃口を下ろした数秒後、突如シャルの首がレアールに向いた。

彼女は銃を振り翳そうと構えた所、シャルの剥き出しになった青白く光る頸椎に、ジェレクの手早い2発が入る。

電流が高々放たれ、System Rebirth初号機は、そこで完全に倒れた。






 静寂が10秒程続くと、状況を確認する部下達の声が飛ぶ。

屋上から見下ろす2人もまた、再起動が無いか、目を光らせていた。











 太陽は徐々に水平線から昇り、暗かった拠点は顔色を変える。

爽やかな潮風は、派手に暴れ、狂いに満ちた空気を拭った。




3体は銃を完全に仕舞うと、肩や手、大腿を淡々と払う。

射す陽光をレザーに受け、そこから控え目な光沢を放った。

そして、焼却炉へ向かう態勢に入った。




挿絵(By みてみん)










MECHANICAL CITY


本作連載終了(完結)後、本コーナーにて作者後書きをします。

また、SNSにて次回連載作品の発表を致します。




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― 新着の感想 ―
[一言] シャル…。 此処までしても、再起動もあったりするのか。 壮絶な闘いだな。
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