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*完結* MECHANICAL CITY  作者: terra.
#07. Cracking 処分
89/189

[15]




ウェストロビー

ターシャに掴みかかるレイシャ

中庭での戦闘シーン

上層部モニターに戻ります







……


………




 急速に嵩張り、消えた過去は、古傷を数秒疼かせた。

ターシャを掴む手に、爪が減り込んでいく。




「否定や軽蔑をする事なんて遥かに容易い……

不可能な理由や受け入れたくない理由なんてすぐ見つけられるっ…

ああ、ずっとやっとけ!」




放たれると共に減り込む彼女の爪に、ターシャは激痛の声を上げる。

その背後で、レイシャの目は震え、泳いでいた。

滾る悔いと怒り、終いには悲痛までもが彼女の視界を次々黒く掻き回した。

それを乱暴に拭う様に、目をきつく瞑り、首を振る。




背後の彼女の様子がターシャには一切見えないが、大きな温度差を見せる発言に動揺した。




「人の代わりに機械を使う。

それ程までに技術や人間の思考は変化している。

それを使わない手は無い。

ただの人形にして放っておくよりも画期的だわ!

良いのかしら?

人類の進化を追求し始めている最中、貴方がたの物差しはその程度で。

早急に改新した方が良いわねぇ。

できないのなら…

我々が手掛けて差し上げるわ…」




ターシャは萎縮し、震える。

レイシャは壁から彼女を引き剥がし、外のR達をその視界に入れ込んだ。




「Realは彼等を更に超える。

その顔で表現し、学習能力も長け、最高のパフォーマンスを発揮するわ………

貴方のお友達がそれであったならば…

恐ろしいだなんて最悪な発言はしなかったでしょうよ!」




興奮の浮き沈みが激しい様子に、ターシャは引き攣る。

目前ではまたも、金属の鈍い音が四方八方に響き始める。











 レアールが地面にサブマシンガンを投げ、シャルの胸部に貫通するビルの腕を掴んでいた。

貫通の際に開いた骨格が酷く喰い込み、引き抜こうとする毎に皮膚が剥がれていった。

フリーズしていたシャルは、残る光の流れを早めながら、突き破る彼の腕を掴み、微々たる抵抗をする。

背後で更に彼女を掴み、固定するジェレク。




 遂にビルは、手にした基盤を握り潰した。

小さく細かい破裂音と共に、それは地面に砂の如く落ちる。






 彼女の点滅は、消えた。






ジェレクは彼女を自分の方へ引き寄せると、ビルの腕を勢いよく奥へ蹴り返す。

反動で、彼の右腕はグローブごと抜けた。

その手は完全に皮膚を失い、重々しいシルバーの骨格を露わにする。

点滅しながら配線を伝う白、青、金の光。

それらは腕、関節、指先を走り、上腕から他へ残る皮膚の下に消える。




 ただの鉄の塊となったシャルは床に崩れ落ち、3体はまた、それを静かに見下ろした。











 「やれやれ」



イーサンが言いながら、その場をふらっと離れる。

だが、ヘンリーは真下の光景に、目を震わせながらニヤけた。










MECHANICAL CITY


本作連載終了(完結)後、本コーナーにて作者後書きをします。

また、SNSにて次回連載作品の発表を致します。




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― 新着の感想 ―
[良い点] 爪背中に立てて〜←お馬鹿カットでw [一言] 否定や軽蔑をする事なんて遥かに容易い……これは僕も共感。 ディスるのなら誰だって出来る。 認める方が難しい。 最高のパフォーマンスをする人類……
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