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*完結* MECHANICAL CITY  作者: terra.
#07. Cracking 処分
81/189

[7]







 連絡橋の縁に残ったジェレクとビルが攀じ登ると、ビルが先に飛び降りた。

続こうとするジェレクの腕に、ターシャは咄嗟に飛び付き、押さえる。



「止めて!殺さないで!すぐ止めて!」



「あ?」



今にも飛び降りる姿勢のまま静止しては、必死の彼女を凝視する。





「貴方も弄ばれないで目を開けて!

殺し合いなんかしないで眠らなきゃいけない!」



「目は開いてるぜ女。で何だ?眠る?どっちだクズ。

指示は正確にしねぇと任務は失敗に終わるぜ。

てめぇ、スペックまるで0じゃん」



ピストルのスライド音が2丁から鳴り、真下に向けて構え、2発。

1発はそこで取っ組み合うシャルの頭頂部に、もう1発は躱された流れでビルの肩に当たり、その目がふと合う。






「眠るなんてだっせぇプログラムはされてない。

俺達は永久的に作動するアンドロイドだ。

お前、変換すんなら保安官には到底向いてねぇ」



ジェレクは彼女の手を振り払い、縁に立ち上がっては中庭を見下ろす。

2対1の取っ組み合いは、未だ決着が付いていない。

彼は1丁をホルスターに、残る1丁を両手で構え、シャルを狙う。



「止めて!―



2発。

焼け焦げた臭いは荒い潮風に横殴りされ、それと共に涙も散る。




彼もまた、顔や腕の負傷を目立たせていた。

鉄の骨は連絡橋の照明を受け、鋭い光を放つ。

金属を入れ込まれ、薬剤で表面を維持され、自在に操られる故人。

それにアマンダが被る。




 ターシャは咄嗟に、その場からウェストの入り口へ走り去った。

ジェレクは見向きもせず、軽快に縁から飛び降り、消えた。






 「何でっ……

何で2度も死ななきゃいけないのっ…!」



ターシャは泣きながらつい、言葉を漏らす。

扉を通過し、同じ様な薬剤室が並ぶ廊下に入る。

両側を確認し、すぐ左に扉が見え、飛び付く。

ノブを押すと直ぐ、階段が露わになった。



(アマンダっ…)



中庭で銃声が飛び交っている。

そのままあの広場に奴等が出てしまえばと思うと、ゾッとした。




 駆け下り、正面のドアに激しく衝突しては開け放つ。

そこには、黒い3人が居たフロアに似た大理石の床が広がっている。

そこを恐々と通過し、玄関のガラス扉に向かった。




だが、近付いた途端複数の流れ弾がガラス扉に減り込み、巨大な亀裂を生んだ。

ターシャは恐怖に一驚し、反射的に横の壁に背を預け、小さくなる。

外に出られる訳が無い。

彼女は床に這いつくばり、状況を角から覗き込んだ。










MECHANICAL CITY


本作連載終了(完結)後、本コーナーにて作者後書きをします。

また、SNSにて次回連載作品の発表を致します。




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― 新着の感想 ―
[一言] 眠らないアンドロイドの代わりに眠たくなる。深夜2時。 外に出る事も出来ない…希望を失いつつある深夜2時に珈琲追加。
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