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前話 サウスからウェストの連絡橋上
そこの3体の戦いを、上層部3人がモニター
ヘンリーはウェスト屋上から、連絡橋の光景を覗き込んでいた。
ターシャがそこに居る事に、僅かに首を傾げている。
手にする煙草の煙が、下から先に戻った隣のレイシャの顔をぼやけさせる。
やがてイーサンも、疲れを滲ませながら2人に合流し、見下ろした。
「酷い家族会議だ…」
彼は、4体の年齢からなんとなく、そう表現した。
ヘンリーは見下ろしたままそっと、隣の彼に1本突き出す。
その行為は珍しいどころか、異常事態に思えたイーサンは、肩が一瞬跳ね上がった。
目は現場を向いたまま、一切合わない。
そんな中、恐る恐るそれを貰う。
彼の視線を辿ると、ジェレクに向いていた。
「…………あの性質は……要るのか……」
彼の軽薄さに目が止まり、呟く。
「嫌なら自分でやるのね。その方が早いわ」
争いの見物を愉しむ目の光は瞬時、失われた。
彼はまた、何かに縛られたかの様に動かなくなる。
音が消え、景色が黒くぼやけていく。
その何処か1点を見つめ、首をジワジワ傾けると、低く囁いた。
「………俺は……あんな奴は……知らない…」
レイシャは目を閉じ、震えた息を吐く。
そのまま彼の隣の縁に両腕を預け、状況を見下ろした。
彼女の揺れるグレーの目は、許し難いものに対する怒りに震え、微かに潤む。
彼は、見違える程に変わってしまった。
これが、周囲が彼に望んでいた変化なのか。
「あの餓鬼何であんなとこにいんだ?」
イーサンは、ターシャがそこに居る事に対する疑問を放ち、煙草を吸った。
だが、目が突如見開き、激しく咽る。
苦過ぎる。
隣で激しく突っ伏す彼の騒動に、ヘンリーは我に返ると、その姿を数秒眺め、ほんの小さく面白がった。
3人の視線は移動する。
中庭に落下したシャルが、そこで待機していたレアールと対面した。
MECHANICAL CITY
本作連載終了(完結)後、本コーナーにて作者後書きをします。
また、SNSにて次回連載作品の発表を致します。




