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*完結* MECHANICAL CITY  作者: terra.
#07. Cracking 処分
78/189

[4]




 ターシャは身動きが取れず、シャルの硬い体にしがみ付くのに精一杯だった。

そこからは微かに、軋み音が聞こえてくる。




 実に速い速度で駆ける最中、目に飛び込むのは頭部や首元。

そして、振られる際に時折覗かせる腕。

攻撃を受け続けた事で皮膚が抉れ、部分的に金属骨格が露わになっている。

皮膚の切り口は黒く、人が切り傷を負った時のものと類似していた。






 部屋を飛び出して数秒、ビルが視界に現れる。

速度が早く、ターシャは悲鳴を上げた。

それがまるで後を押す様に、シャルの足が更に早まる。

ターシャは突如激しく後方へ引かれ、彼女のレザーベストの裾を掴み、顔を突っ伏す。






 進路は瞬時に方向転換した。

風が激しく全身を這い、髪が大きく靡く。

ヒールで橋が叩かれる音が鳴り響いた。






 その真下。

中庭で待機していたレアールが、ふと見上げる。

先程まで傍に居たジェレクは、居ない。

彼女は背中からアサルトライフルを回し込み、照準を覗くと、連絡橋の手摺りに沿って流れる様に連射した。






 「きゃあああーっ!」




銃声と飛び散る火花の数々。

それに堪らずターシャが悲鳴を上げた時、シャルは瞬時止まる。




 ビルは追い付くと、肩からターシャを引っ張り、後方へ投げ飛ばした。




 シャルに振り返られる寸前、右から左手で首を手刀打ち。

彼女の姿勢が僅かに左に傾く。

そのまま左手でその左肩を掴み、固定。

再び、頸椎から下3カ所を連続で打撃する。

彼女がよろめいた所、その背中を勢いよく蹴り飛ばした。




 シャルは前方に転倒しかけるも立位を保ち、彼を振り返る。

彼は透かさず、僅かに開いた胸部と腹に、目にもとまらぬ速さで右拳を連打。

そのまま両膝を連続で蹴る。

彼女の膝が逆向きに折れるも、即、復旧。






 ターシャは身を起こし、這ってサウスの入り口まで寄り掛かる。

アンドロイドの恐ろしい争いに、目は激しく揺れ動く。






 シャルが膝の復旧後、僅かに前屈みになり、上体を徐々に起こしていく。

その時、頸椎に1発放たれた。

彼女は不意に手を触れ、振り返る。






 ジェレクがウェスト入り口から現れ、手にしていた任務のスマートフォンをパンツの裏ポケットに仕舞った。

着用していたミラーレンズのサングラスを外すと、モダン部分を咥え、もう1丁引き抜き、構えた。









MECHANICAL CITY


本作連載終了(完結)後、本コーナーにて作者後書きをします。

また、SNSにて次回連載作品の発表を致します。




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― 新着の感想 ―
[気になる点] さっきの、バトル、書いてる方が興奮して、詰め過ぎちゃう問題。 このくらいの詰め具合いがベストだよ、うん。 連載なら分けちゃうのもありだよね。 人もこのくらいで、増えたら別視点で長くすれ…
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