表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
*完結* MECHANICAL CITY  作者: terra.
#07. Cracking 処分
75/189

[1]



#01. Access 搬送

「どうしたって製作者に似るか、その思考が露わになる。

ビルなんてトップの都合の塊じゃないの」







 3人に強引に連れられ、再びエレベーターに乗車。






短時間で下ろされたそこは、あの時脱走した場所と瓜二つ。

少々違うのは、ガラス戸が多く、ステンレス棚に薬品が大量に並ぶ部屋が幾つもあった。




「放してよっ!」



あの男と違い、拘束が弱い彼等の手を必死に捻り、抵抗する。



「静かにしろ!」



怒鳴り返されても尚、彼女の足の力は漲る。

片足を大きく振り上げ、男の脛に思い切り蹴りを喰らわせた。

痛みの声が上がると、壁に叩きつけられる。

後に残りの2人が加わり、ターシャは手足を持ち上げられ、宙に浮いた。

恐怖に泣き叫び、振り払おうにも、大人3人の力とこの体勢では何もできない。






 そこへ、太く緩やかなヒールの音がした。

全員の動きが止まり、耳を攲てる。






進行方向の奥から、シャルが姿を現した。






彼等は、妙だと顔を歪める。

ターシャもまた、彼女に目を見開いた。



「外回りだろシャル!」



しかし、彼女は指示を聞かずに直進する。

焦点は、明らかにターシャに当てていた。






 そして後方からドアが放たれる音が轟き、3人は振り返る。

ヒールの音が止まると、別の颯爽とした足音が廊下に響いた。




「ビル…」



「必要無い。処分命令が出た。退け」



足早に現れては、両手の革グローブを留め直す。

Rに表情は無い。

だが不思議な事に、彼の眼差しと声、動作からは、明らかに殺意が放たれていた。




状況に戸惑う中、4人は彼が突っ切る流れで咄嗟に道を開ける。






 刹那、立ち止まるシャルの顔面を目掛け、彼の右ストレートが走った。

しかしそれはあっさり掴み止められ、彼女に手早く肘からロックされる。

透かさず左手で彼女の肩を掴み、踏ん張ると正面を直視したまま、再度放った。




「退け。死ぬぞ」




直後、肩を掴む彼の左手に力が大きく加わる。

彼女の左脇腹に蹴りを入れ、ロックされていた右腕を反動で弾き、真横へ解く。

解けた右手で彼女の頭頂部を鷲掴み、左側のガラス戸にそのまま頭から投げ入れ、突っ込んだ。




鋭い破裂音に人間の悲鳴が重なり、ターシャは落下。

3人は、真横の部屋に慌てて逃げ込む。




ターシャは腰が抜け、立てなかった。

座位姿勢のまま、息を荒げながら後退る。

素足と手が汗ばみ、床を滑ってなかなか後方へ距離を取れないが、直に3人が逃げ込んだドア付近まで来る。




ビルが見せる威力もまた、先の女性2人の戦い同様、凄まじい。

ターシャは泣き目を震わせ、彼に釘付けになる。

その背から滾るものと目付きは、どこかあいつに似ていた。








本章をもって お陰様で 折り返し地点を迎えました

8/16(水)21時~ 「X」の固定欄、「インスタ」にて

皆様へ感謝メッセージ画像を投稿します。

(@terra_write)※両アカウント共

是非お越しください。




MECHANICAL CITY


本作連載終了(完結)後、本コーナーにて作者後書きをします。

また、SNSにて次回連載作品の発表を致します。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ターシャ巻き込まれ、散々キャラに成りつつあるけど、 凄いバトルだね。 顔面狙うとか有り得ない狂気の沙汰だ。 けど、ロボ的にはそれが正当な狙い方なんだろうなぁ。 なんて、思いながら…珈琲を用意…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ