表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
*完結* MECHANICAL CITY  作者: terra.
#12. Complete 細胞の記憶
177/189

[19]




※約1630字でお送りします。


レスキュー隊とターシャ達の合流

そこから3人の別れ。

一方で、ビルと機動隊の対面

その後、機動隊がヘンリーと対面。


その最中、警備隊の船を追い返したジェレクが、海から敷地に上がってきました。







 ヘンリーを包囲する機動隊は、足元のガソリンの海を目にするなり、警戒し始める。




「両手を上げろ、ヘンリー・クラッセン」




本当にそれを言うのかと、彼は鼻で空笑いした。




「両手が当たり前にあると思うのも……

そろそろ止めねぇか……」




彼は言いながら銃を引き抜き、右手に引っ掛けると真正面を向く。




 彼の手に銃が光ると、一帯は身構えた。

その容姿を捉えると、彼等の目が僅かに痙攣する。




 警戒心で満ちるドロドロとした空気。

外からの炎の影がヘンリーの体に揺れ、空間をも赤に灯す。

独特な臭いで眩むその場は、一瞬の刺激を与えれば火の海と化す。




 そこに、朱を全身にユラユラと這わせながら佇む、片腕のみの容疑者。

顔には、死神が憑依した様な暗い影を落とす。

目にかかる汗に湿った髪の隙間から、闇に没した瞳を震わせていた。




 狂気じみたヘンリーを、キャプテンは目だけで数秒観察し、やっと切り出す。




「お前だけじゃないだろう。仲間は」



「わざわざ……言わせんな……」



「答えろ!」




その怒鳴り声もまた、いつかのものに似ている。

記憶が勝手に見え隠れした。

腕の痛みは徐々に頭痛に拍車をかけ、動悸は声を震わせる。

こんな体も声もうんざりで、要らない。








 飛行艇の散水や消火剤の効果が未だ追い付かず、拠点は灼熱を維持し続けている。




 ジェレクが警備隊の船を返し、水中から敷地に上がった。

そのまま柵を越え、火の海と化した広間を突っ切る。




 レスキュー隊とターシャの合流。

イーストのロビー内で、ヘンリーと機動隊の合流。

その奥にはビルを確認。

白枠が高速に走り、状況を解析すると、落下した連絡橋の手前を通過するアマンダとルークを捉える。






 重なる2本の連絡橋の隙間を素早く見つけ、そこを擦り抜けると2体に追い付いた。




 ルークとアマンダはターシャと別れ、イーストのロビーへ向かう所、ジェレクを察知。




 ジェレクはすぐさま2体を引っ掴み、割れた扉の前で彼等の侵入を阻止した。




 ルークとジェレクは、互いに電流を放っている。

彼等が中に突撃すれば、忽ち引火してしまう。

この先に入れるのは、無傷であるアマンダだけだ。




 ルークは、平然と邪魔するジェレクに鋭利な目を向ける。




 そこへ透かさず、アマンダがジェレクの右横面に一発捻じ込んだ。

彼の首が反対側に傾き、視線が逸れて力が緩んだ隙に、彼女はロビーの中へ入ろうとする。




 しかし、ジェレクは体勢を立て直すと、彼女の左腕を掴み止めた。

そのまま引き寄せると、彼女の右肩に掴み直し、動きを阻止する。




 その手を押しやろうと、彼女はジェレクの両肩に掴みかかり、互いに見合う状態になった。

互いの阻止する動きからは、ギシギシと歪み音が上がる。




 そこへ、ルークがジェレクに阻止される中、怒鳴った。




「放せ!部隊が入ってる!

こんな事してる場合じゃない!」




そこには生々しい怒りの表情が浮かんでいる。




「ジェレク、入って話をつけなきゃいけない!

このままじゃ…」




アマンダも必死に放つのだが




「決断は下された。

()うに決めていた、本人の最後の望みだって、てめぇらも分かってんだろう。

今更ガタガタほざいてねぇで、とっとと受け入れてやれ。

あの面が見えねぇのか。

あの目の先にはもう、やり切って、使い果たして、(カラ)じゃん」




「吹っ飛んでいい理由なんて無いだろう!」




途端、ジェレクの肌に僅かな白光を纏う糸が這い、消える。




「― どうだかなぁ。

うざったくてならねぇあいつは、俺にしてみりゃあとっくに居ねぇ。

思い通りにならなきゃ殺す、ただの餓鬼じゃん ―」




それに衝撃を受けるルークの表情は、微かに痙攣を起こす。

反応を顔で示せないアマンダすら、声を失いジェレクを凝視していた。




 ジェレクが向けてくる鋭利な目は、扉の奥に居るヘンリーだけでなく、目前のルークまでも貫く程だ。

まるで彼も、ルークの存在を認識しているのか。




 ルークはジェレクの阻止する腕からアマンダを解放すべく、彼の腕を引き剥がしていく。






 辺りには火の粉が舞っていた。

割ったガラス扉に少しでも入れば。

ルークはそれにも目を光らせながら、ジェレクに抵抗し続けた。










MECHANICAL CITY


12月5日 完結。18時に以下の3投稿を致します。

最終話

キャラクターエンドクレジット

作者後書き


また、SNSにて次回公開作品の発表を致します。

X/Instagram(@terra_write)

19:50~ 完結後 作者感謝メッセージ(必読)

19:55~ 次回公開作前書き

20:00~ 次回公開作発表


感謝はお伝えしたい為、お越しください。

次作は、気が向きましたら是非。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ