表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
*完結* MECHANICAL CITY  作者: terra.
#12. Complete 細胞の記憶
167/189

[9]


※予約投稿ミスに伴い、0時投稿になりました。

 驚かせてすみません笑



#12. Complete 細胞の記憶

[4]

ルークは状況全てに目を走らせた後、ノースに消えた。



[7]

ノースの玄関を僅かに開けたルークとヘンリーの目が合う。

出てこなくていい。

そう込めて首を振って見せると、躊躇いを見せながらもルークは身を引いた。







 ノースの入り口の外で、ヘンリーとレイシャが騒いでいた所を目撃していたルーク。

ヘンリーと目が合うなり、出てこなくても良いと首を振られた後、躊躇いながらもノースの中へ引き返した。






 中は、入るなり実験スペースが広がっていた。

サウスのロビー同様に、青白い空間にはステンレステーブルが立ち並び、顕微鏡や細胞融合装置など、見た事のない実験器具がターシャの目に飛び込む。




 超純水を作り出す装置に、質量分析計等の医薬品を分析する機器。

採取されたプランクトンが幾つもの保存容器に揺れ、壁に連なっている。

脇に立つステンレス棚には、これまで見てきた同様の物と思われる薬品類も並んでいた。




 アマンダに部屋の奥へ導かれる中、ターシャは外の激しい爆音と火の音に身を縮める。

薄暗い、しんとした空間には、微かに薬品の臭いが染みついている。

所々、棚から何かが持ち出された様な隙間があった。




 建物が微かに振動する。

連絡橋が軋む音もまた、耳を刺激した。

再び引き起こしている喉の痛みを堪え、息を整えようとゆっくり呼吸を繰り返す。




 アマンダはターシャを研究所内のデスクに座らせ、目の前の椅子に共に腰掛けようとした。

だが彼女は、突如、顔だけを入り口のガラス扉に向ける。

その先に何があるのか、ターシャも同じ方向を見ると、そこには同じ様子で横向きに立つルークが居る。






 2人共、何かを考えているのか。

何処か一点に集中して動かない。

彼に関しては、瞬きしながら目を左右させ、真剣な表情で床を見ている。

再び外での爆音にターシャが声を上げて怯んでも、彼等は微動だにせず黙っていた。

建屋はまた、振動を引き起こす。






「最終…判断…」




ルークの囁きに、ターシャは眉を顰める。

彼はまた何かを捉えたのか、急に顔を上げ、どこか遠くを眺めた。

考えているのか、ボートで脱出中の際に同じ表情を見た事を思い出す。






 統一されて入れ込まれた、不明瞭で未完成な指示。

その内容は、誰にも分からなかった。

ただ、下す事になるその時の状況を見て、ヘンリーが明確な動きを定めて発信するとされている。

2人には今、ある確認がなされていた。






 ターシャはアマンダに視線を戻す。

彼女は視線を宙に向けていたところ、振り向いた。

目も表情も変化しない彼女だが、ルークと同様に何かを考えている事は確かに感じられる。

彼女は、穴が開く程ターシャを見つめ、言った。




「>>私は安心を選ぶ。親友のね。

もう、決めてた。>>>>」




ターシャは、ふと零れた彼女の言葉の意味が分からず、目を瞬く。




「これがか…ならダメだ。

>>まだ大事な事がある。行かない。>>>>」




ルークは最終判断の事で、アマンダに呟いた。




「前にトップに聞いてみた事があるけど、覚えておけとしか言われなかった…」




静かになっていた2人が、やっと互いを見て動き始める。

ターシャには、2人のやり取りがよく分からなかった。




「ねぇアマンダ、どういう事...?」




不安な顔をする彼女の手に、アマンダはそっと手を添える。




「警察とレスキュー隊が、こっちへ回って来る。

着いたら移動しましょ」




アマンダはそう言って椅子に腰かけ、ターシャと向き合う。




「これあげる」




彼女はドレスの首周りに挿していた数輪の花を取り、小さな束を作り始めた。









MECHANICAL CITY


12月5日 完結。18時に以下の3投稿を致します。

最終話

キャラクターエンドクレジット

作者後書き


また、SNSにて次回公開作品の発表を致します。

X/Instagram(@terra_write)

20:50~ 完結後 作者感謝メッセージ(必読)

20:55~ 次回公開作前書き

21:00~ 次回公開作発表


感謝はお伝えしたい為、お越しください。

次作は、気が向きましたら是非。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ