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*完結* MECHANICAL CITY  作者: terra.
#12. Complete 細胞の記憶
164/189

[6]




#12. Complete 細胞の記憶


[3]

屋上にいた部下2人は切り上げる。

彼等は足早に、ガレージまで駆け下りた。


[4]

「―走って!―」「―走れ!―」


[5]

スーツケースを手に部屋から出た。

微かに煙たい階段扉を開け、1つを滑らせながら螺旋を下っていく。

ただ只管、データを最後まで握って。







 イーストのボートガレージで、部下達と居合わせていたレア―ルはふと、海洋バイオテクノロジー研究所であるノース近辺を振り向く。




そこへ向かう予定のルーク、アマンダ、ターシャ。

それから広間に向かうジェレクとビルに、白枠が走る。




そこへ急にルークから何かを受信し、レアールは避難ボートを他所に、10秒以上と長い時間、目を左右に細かく動かしながら静止した。






 何か作業をする様な動きを終えると、彼女は天井を見上げる。

螺旋を描いて下る、レイシャの手を引くイーサン。

2人からは緊張している様子が窺えた。

また、屋上に居た部下2人が、階段半ばを下っている所も観測できる。

そして最上階では、ヘンリーが階段を下り始めているのも確認した。








 一方、火の粉が散り始める広間。

ジェレクが両腕の激しい皮膚の剥離を露わにした状態で、軋み音を立てて移動していた。

背にしていたショットガンは完全に歪み、破損している。




 接近する船やヘリをモニターしていたビルの傍に来たジェレクは、直に、使い物にならないそれを適当に地面に捨てた。




 2体はじっと、迫り来る横1列になる数々の船を、柵の傍で見据える。

無言の彼等の肌には、僅かに、細く白い糸が光って這うと、消えた。








 East Gateは早々に開放されている。

元々脱出専用ボート4隻が、縦横に連なって停められていた。

エンジン音が鳴り響き、排気の臭いは、ゲートから吹き込む風でも拭いきれない。




 それらの内、既に出た1隻目には、重傷者の部下と彼等のRが乗船していた。

間も無く出る2隻目には、軽症者が懸命に火傷を負った仲間の応急処置を施している。

各ボートには、緊急避難用具やAED、酸素が一定量備えられていた。




 2隻目と共に3隻目が脱出準備に入った時、入り口が乱暴に放たれる。

イーサンはレイシャを一番手前の4隻目に誘導させると、その流れで前方2隻に怒鳴った。




「さっさと出せ!行け!」




それに被さる様に、ハッカーのレナードと監督も忙しなく合流した。




「あれ?トップは?」



「後で追い付く。お前も先に行け。

絶対待機するな!」




最後の怒鳴り声に一同は目を泳がせるが、軽症の彼等はその指示に頷くと、2隻目が発進する。






 3隻目に、後から合流した部下2人が乗り込む。

レナードは引き続き、ラップトップを開いて作業を再開し始めた。




 そこへ、最後の4隻目に誘導されていたレイシャはイーサンを無理矢理押し退け、ロビーに戻り始める。




「馬鹿!乗ってろ!」




彼は彼女の腕を掴み損ね、後を追った。








 背後からの怒号など、彼女は聞いていられなかった。

ヘンリーが未だ降りてこない事が落ち着かない。

迎えに行こうと、勝手に足が動く。




 そして一気にロビーまで駆けた時、階段扉が開いた。

やっと本人と目が合い、レイシャは安堵する。

しかし彼は、それを見て表情を強面に、直に追い付いたイーサンに手元のスーツケース2つを滑らせる。




「とっとと積め……」




この状況の中、相変わらずのトーンで指示する彼は、ガレージに向かう流れでレイシャの腕を強く引いた。




「自分で歩くわよっ!」




声を放った拍子に、彼女は後方が気になり振り返る。

目に飛び込んだのは、ターシャとアマンダ、ルークがノースに逃げ込む所。

その光景を見た彼女は一気に豹変し、引っ張るヘンリーの右手を振り解いた。

更に、目に留まった彼の腰のピストルを瞬時に抜き取ると、そのまま入り口に疾走する。

ヘンリーはそれに目を剥き、追い掛けた。









MECHANICAL CITY


12月5日 完結。18時に以下の3投稿を致します。

最終話

キャラクターエンドクレジット

作者後書き


また、SNSにて次回公開作品の発表を致します。

X/Instagram(@terra_write)

20:50~ 完結後 作者感謝メッセージ(必読)

20:55~ 次回公開作前書き

21:00~ 次回公開作発表


感謝はお伝えしたい為、お越しください。

次作は、気が向きましたら是非。




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