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*完結* MECHANICAL CITY  作者: terra.
#11. Almost done 実行
145/189

[6]



※約1600字でお送りします。







 署では電話が鳴り響く。




書類、ファイルが忙しなく開かれる音や、データ分析するタイプ音。

汗水流す警察達の忙しない足音は、蠢く虫か。






 四方八方で騒いでいた。

臨時停泊施設である島からの情報は瞬く間に広がり、それはターシャとルークの両親の耳にもすぐに入った。






 定期的に訪れる沿岸警備隊だが、ボートがいつもと違っていた事。

訪れる警官が度々違う事はあっても、全員見た事がないのは初めてだった。

また、中でも特に2人の警官については若過ぎる印象を受けた。






 通報したロンの口から更に零れたのは、比較的目に付く時間が長かった、警察手帳に記されたビルの名前。

そしてターシャ、ルークの名前だった。






 現れた警察の特徴を聞いても、沿岸警備隊の中にビルは勿論、他に誰1人存在しない事も発覚。

また、訪問予定日でなかった為、警官に偽装して現れた事も直ぐに判明した。

これに合わせ、海洋バイオテクノロジー研究所の存在について綿密な調査が入り始める。






 実際に新薬が採用された実績も数多くある施設。

古くから独立しているそこの存在の真実を明かすべく、直接捜査に訪れる判断が下された。






 また、入れられた情報の中に飛び込んだのは、捜索が断念されたルークと、死亡した筈のターシャの存在。






 彼女の両親は特に理解に苦しんでいた。

娘が何故急に、生きていると言われるのか。

これから葬儀が始まろうという時に起きた、奇妙な事態。

急遽、遺体の確認が再度行われ、その事実は発覚した。






死亡判断を下したのは、部分的に実物の人体パーツが使用された、恐ろしく本人に近い人形だ。








 刑事が電話の向こうの捜査班と話している。

見た事も聞いた事も無い施設から提供された情報を得た両親。

それは、どう考えてもターシャだった。






「入院先の病院と、カメラも調べてくれ。

遺体がすり替えられているならそれが映り込んでいるか……いや…

そんなあからさまじゃないか……

映像が摩り替ってるかもしれない。

その切り口を探してくれ」




刑事の指示に身を寄せ合い、2人の両親は震え上がっていた。

そんな彼等に、刑事は近付き腰を下ろす。




「どうか落ち着いて………必ず突き止めます。

心中はお察し致しますが、もう少しだけご協力頂きたい」




間を置くと、互いに見つめ合う。




「入った情報によると、その研究所では死んだ人をロボットにしているという、ターシャの発言がある」




それにルークの両親が震え、母親は短い悲鳴を上げた。

夫婦互いに身を寄せ合い、背や腕を擦り合いながら、息を必死に整える。




「ルーク・ルブラン……

事故当時の調査から、生きている事は考えにくいのですが……

目撃情報どころかそれを越え、停泊施設のオーナーは彼と対面し、会話までしていると」




「ああ神様っ!」




恐ろしい話にルークの母は再び声を上げる。

ターシャの両親も、言葉を失った。




「また、名前は特定できませんがご存知かどうか。

ターシャの親友の女性も居合わせていたと」




「まさか……アマンダ!?」




ターシャの両親は驚きを隠せないまま、刑事に彼女の事を告げる。

その後、彼女の両親にも早急に連絡をした。






「これがもし事実なら…

死体損壊等罪や、その他重犯……

重罪という一言では済まされない…」








 背後では犯人の特定捜査が進み始める中、ある名前が浮上する。




「元々の設立者は、既に亡くなってるアルフレッド・クラッセン。

その後継者はヘンリー・クラッセンとされてる。

だけど今は辞めて、血縁関係が無い現オーナーに、その研究所を引き渡してる。

でも、それはどうも架空人物。

誰かが代わりに名乗ってる可能性が高い。

前代表である本人か、仲間がいるならその可能性も」




「クラッセン?あの有名科学者か?」




「関係を調べたところ、それは祖父と父親。

ヘンリーはその子孫ね。

その名を伏せて、研究所にいるのかもしれない。

父親に確認を取るわ」




「一体何で……」




次から次へと舞い込む情報は、署内を大混乱させていった。










MECHANICAL CITY


本作連載終了(12/5完結予定)後、本コーナーにて作者後書きをします。

また、SNSにて次回連載作品の発表を致します。




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