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*完結* MECHANICAL CITY  作者: terra.
#11. Almost done 実行
141/189

[2]




【Warning】

10/20~10/22 人 対 人の戦いが行われます。

刃物、シリンジ、暴力、流血、人体パーツ描写が発生します。







 すぐ隣の部屋に入った。

また同じ様な部屋で、薬品が棚に並んでいる。

ターシャは目にも止まらぬ速さで、片っ端からそれらを落とし、撒き散らかした。




瓶は割れ、バッドに浸されていた医療器具も落下し、床に散乱する。

飛散した薬やガラスは、みるみる混合していった。

見渡す限り、まだまだ並んでいる。






 棚の間を縫って奥に進み続けると、横幅が広く、背の高いガラスの引き戸付きのステンレス棚に目が留まった。




「きゃあああっ!」




上2段に眼球。

下2段に歯が、それぞれ瓶の中で液体に浸され揺れている。




堪らず顔を伏せ、背後に衝突。

そこにはシンクがあり、横にメスが大量に洗浄された状態で並んでいる。

ターシャは目を見開き、1本をポケットに入れようとした。








 その時、部屋の入り口から声が上がる。

駆け付けた2人が最悪の状況に引き、血走った目を向け、ターシャを追う。

ターシャは歯を鳴らし、隣室に続く通路を進んだ。




 しかし、追いついた女がターシャの左肩を背後から鷲掴みする。

二手に分かれて追い込む策か、隣室から回り込んできた男が、ターシャの正面に現れる。






 瞬時、時が止まる。

考えろ。

ターシャは、持っていたメスを握った。






「いい加減止まるのね!」




女は怒りに任せ、強引にターシャを引き寄せる。

体が接触してしまった。

ターシャは、右手で女の右大腿を突き刺した。

激痛の叫びに呑まれながら、共に後ろ倒しになる。






 女は反射的に激しくターシャを突き飛ばす。

メスは、大腿に刺さったままだ。






 正面から来た男は堪らず、更にターシャを脇へ払い除け、負傷した仲間に駆け寄った。

負傷箇所を目にするなり、ターシャを肩越しに睨みつける。






 棚に突き飛ばされた彼女の背後には、先程目にした人体パーツが液の中で大きく揺れる。

それらに恐怖していた事も忘れ、彼女はボートでビルが捨てた機械針を抜き取り、男に向けながら徐々に隣室の入り口の方へ後退った。




 次々武器を使う彼女に、男は目を疑う。

荒い息遣いが満ちる空間は一時、激痛に悶える女の声だけになる。




 男は焦燥するも、ターシャを睨むだけに留め、痛みに嘆く仲間に向く。

その隙にターシャは、男が回って来た隣室へ姿を消した。








 足止めされた2人は、細かいガラスの破壊音を背に、目を激しく左右させる。

現状から予測される事を、必死に探った。




あらゆる薬品が混合し合う事で発症するのは、気分不良と頭痛。

また、揮発性が高い液体が多く撒かれた事で、鼻を突く臭いで充満している。

発火性、引火性があるものも含むそれらが飛散する事で、リスクがみるみる高まっていた。




 男は痛みに声を上げる仲間から一時離れ、部屋を飛び出し、廊下の窓を開けた。

既に咳が襲い、目が若干眩み始めている。






 再び入室すると、仲間の止血と応急処置を始めた。



「いいから!早く追って!」



「置いて行けるか!空気が悪過ぎる。ここから出るぞ」



「追って!止めないと酷くなる!

直ぐそこに居るのよ!?私は耐えられる!」



先程からずっと、隣室であらゆる破壊音が鳴り響いていた。

男は舌打ちするが、それでも止血を優先する。

メスが瞬時に抜かれた勢いで、女は一驚を上げた。

男は近辺の引き出しを漁り続け、見つけたガーゼやタオル、布を合わせると、彼女の大腿をそれらで何重にも巻いて締め付ける。

その激痛に再び、痛みの声が上がった。









MECHANICAL CITY


本作連載終了(12/5完結予定)後、本コーナーにて作者後書きをします。

また、SNSにて次回連載作品の発表を致します。




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