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*完結* MECHANICAL CITY  作者: terra.
#10. Tracking 再回収
135/189

[17]




 ルークとビルは見合う体勢になると、ビルが間髪入れず彼のフードを取り、顎下まで引っ張り顔面を覆った。

その動作に合わせ、彼の首が大きく前に下がった時、背後のジェレクが彼の右腕を取る。

ビルはプラグを突き立てた。




 だが咄嗟に、ビルはインサートを止めて床を蹴り、後方へ逃げる。

入れ替わる様に、白光が鋭く、瞬く間に床に放たれた。

ビルの足先に触れる手前か。

床から上がる硝煙は、瞬時に激しい潮風に拭われていく。

ルークのフードの生地越しに、レーザーが貫通していた。




 ルークは緩まったフードから左目を覗かせ、ビルを捉える。

その目は黒い立方体器具に切り替わっており、穴は銃口と類似していた。




 ビルは解析の為、静止する。

だが、ジェレクがルークの後頭部を掴み、大きく仰け反らせ、床に叩きつけた。

ビルがそのまま彼に跨ると、右腕を掴み、肘に触れる。




そこへ、ルークの解放されていた左手が拳に変わると、跨るビルの右頬に命中。

彼は左に体勢が崩れていく。

しかし、その手元はブレる事なく、遂にインサートされた。






 ルークは突如、体をバウンドさせる。

瞬間的なそれは、足先から頂点まで、まるで電流でも走ったかの様だ。

その動きに、ビルが距離を取る。




「ルーク!?」




ターシャが叫び声を上げ、つい前のめりになる。

それをアマンダが再び止め、彼女の手を取り、助手席付近まで引き寄せた。





 ルークの右肘からは、青白い電流が僅かに走る。

変換機器の先端は、赤で高速に点滅していた。

ビルとジェレクは、その光景をじっと見下ろしている。




「ルーク起きて!ねぇ、どうなるの!?」




「彼は抜け出してしまう程の行動力だから、それを一時的に抑えようとしてるみたい…」






 しかし機器が点滅する最中、ターシャの声を聞きつけた彼は、それが挿さる右腕を床に1発叩きつけた。

反動で、それはあっさり弾け飛ぶ。






 軽々身を起こしたルーク。

ジェレクとビルは、再び彼に身構えた。




 ビルは自分の機械針を抜く。

それから放たれた一瞬の光にルークは目を尖らせ、顰め面を露わにする。






 2体は出方を待っていた。

ルークはレーザー機器が剥き出たままの左目を復旧すると、瞬時、右手でジェレクの下顎を打撃。

胸倉を掴み、手前に引くと、左拳で腹を殴打。

ビルはその素早い動作を止めるべく、彼の両肩に掴みかかる。




あっさりルークをジェレクから引き剥がすと、彼の胸倉、腹側のベルトを掴んだ。

そのままビルは、彼を高々と持ち上げボートの屋根を破壊しながら、後方のプラットフォームへ投げ飛ばす。






 陽光が射すそこは、激しく立つ飛沫で光っていた。

それらは、彼の靡く金髪に触れる。

隙間から覗くスカイブルーの目は、真っ直ぐ2体を捉え、平然と瞬いている。

彼が立つそこは、後方へ数歩下がれば、海に消える手前だった。










MECHANICAL CITY


本作連載終了(11/29完結予定)後、本コーナーにて作者後書きをします。

また、SNSにて次回連載作品の発表を致します。




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