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*完結* MECHANICAL CITY  作者: terra.
#10. Tracking 再回収
131/189

[13]



※ご興味があれば

 微分・積分・代数の方程式をご覧ください。

※筆記する様子ですので

 本人の書き順で羅列してます。



#05. Error 誤搬送 [4]


気分転換や、酷く苛立つ時、思い悩んでいる時、叩き込まれている数多の方程式を連ね続ける。

それをしている時は声も届かなければ、強く揺さぶりでもしない限り接触されている事も気付かない。

こんな事をする理由をレイシャがしつこく尋ねると

形状を変えたり、等号で結ばれていく形が、人間に見えて仕方が無いと言った。

尖っている、丸い、長い、短い、線引きする、組みを作り隔たりを生む。

それらを人間と引っ括める。

式によっては、こういう解という事にしよう、代数的に解けない、或いは解は無いと都合よく表現したりする。

それらの羅列はまるで、人間の思考に終わりが無い様相を表していると言う。

彼はいつだって、それから目を離そうとしなかった。







 再び静寂が訪れた時。

右手がデスクを這い、液晶横に立てている用紙とペンに伸びる。

それらは傍にありながら、随分と遠かった。




すると、向こうから颯爽と手元にやって来る。

レイシャがペンを持たせた時、ヘンリーは間を置いてから、それを1回転させた。

震えは治まったのか、落ちる事なく握る。

やがて彼は、慣れた手つきでペンを走らせた。





 彼女はイーサンと共に、どこか不安な顔を浮かべながら、式の世界へ籠る彼を見守った。











d y ― d x + P x ( ) y = Q x ( ) P = -1 / x Q x ( ) = 1

作ったものが壊れるように 人もまた 壊れる




y = u v U d v ― d x + V d u ― d x - u v ― x = 1

守る為 得る為ならば 傷付け 壊す事を選ぶ




= U d v ― d x + V d u ― d x - u ― x ( ) = 1

そして真実や 新たな事に辿り着き 再開する




d u ― d x - u ― x = 0 d u ― u = d x ― x

どうしようもなく脆い 人は これを繰り返す




= ∫ d u ― u = ∫ d x ― x = l n u ( ) = l n x ( ) + C

無くなる事のないこれを もう 恐れる事は無い




= l n u ( ) = l n x ( ) + l n k ( ) = l n u ( ) = l n x k ( )

ここに居る皆はもう どこへ行こうと 孤独ではない




=u =x k k x d u ― d x = 1

失くす訳には いかない




= d v = 1 ― k d x ― x = ∫ d v = ∫ 1 ― k d x ― x

どうしても 残っていて欲しい 残したい




=v = l n x ( ) ― k + l n c ( ) = v = l n x c ( ) ― k

彼等は違う まだやれる まだ生きられる



y = u v = k x 1 ― k l n c x ( ) = x l n c x ( )

同じ色に染まりはしたが いや 染めたのだが




n Σ k = 1 k ² = 1 ― 6 n n + 1 ( ) 2 n + 1 ( )

それでも 生きていていい 貫いていい




n Σ k = 1 k ³ - k - 1 ( ) ³ { } = n Σ k = 1 - k - 1 ( ) ³ + k ³ { }

彼等は 真っ直ぐに表現する事を 恐れたりはしない




=- 0 ³ + 1 ³ ( ) + - 1 ³ + 2 ³ ( ) + - 2 ³ + 3 ³ ( ) + ・・・

彼等は変わり 今 遥かに対応できる事がある




+ - n - 1 ( ) ³ + n ³ { } = n³

その逸材達に 時間を与える




n Σ k = 1 k ³ - k - 1 ( ) ³ { }

結局 未だ 守る事がどういう事か 分からない




= n Σ k = 1 k ³ - k ³ - 3 k ² + 3 k - 1 ( ) { }

愛し方も 愛され方も 分からない




= n Σ k = 1 3 k ² - 3 k + 1 ( )

想像してみても 自信はない




=3 n Σ k = 1 k ² - 3 n Σ k = 1 k + n Σ k = 1 1

だけどそれでも 考えろ 俺だからできる事を




=3 n Σ k = 1 k ² - 3・1 ― 2 n n + 1 ( ) + n

どこまでも守るには どうすればいいのか




=3 n Σ k = 1 k ² = 3 ― 2 n n + 1 ( ) + n = n ³

悉く恨めしい脳だが 徹底的に使ってやる




↔3 n Σ k = 1 k ² = n ³ + 3 ― 2 n ² + 1 ― 2 n

俺はいつだってトリガーだ そうだろう




↔3 n Σ k = 1 k ² 1 ― 2 n 2 n ² + 3 n + 1 ( )

ならばそれらしく 決めてやる 導いてみせる




∴ n Σ k = 1 k ² = 1 ― 6 n n + 1 ( ) 2 n + 1 ( )

俺にとっての 本当の最高の利益を 残してみせる











走るペンが止まった時、用紙とペン立てが置かれた箇所に目を向ける。

そこには、微かな筆記の振動で、水が張ったグラスに揺れる1輪の白いジニアがあった。




挿絵(By みてみん)









MECHANICAL CITY


本作連載終了(11/29完結予定)後、本コーナーにて作者後書きをします。

また、SNSにて次回連載作品の発表を致します。




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