表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
*完結* MECHANICAL CITY  作者: terra.
#10. Tracking 再回収
122/189

[4]




 レアールが桟橋に現れ、そこには拠点のボート2隻が着く。

彼等はアマンダに目を向け、乗船を促した。






「煩わせたな。協力に感謝する」



ビルはロンに踵を返す。



「ああ、いや。ただまぁ…何せ、頼んだよ」






 その様子にターシャは絶句する。

景色はみるみるぼやけていった。

やはり、自分がおかしいという事になっている。

それは、酷く孤独を感じてならなかった。




気付けばフラフラとアマンダに手を引かれ、ボートに近付いていく。

益々焦燥する中、懸命に考えを巡らせ続けた。






 直に、ルークの真横に着く。

彼は船内のシートから振り向いた姿勢で、船縁に肘を付いて辺りに目を這わせていた。

目を瞬かせながら、高速に動かしている。

まるで人々を舐め回す様だ。




 その視線はやがて、やって来たターシャからアマンダに止まる。

真っ直ぐ見上げる目は、ボートの屋根の下に差し込む陽光を受け、同じ晴天を思わせた。



「しんゆう?何だ?それ」



アマンダから受信をしたのか、目を見開かせて興味津々に尋ねている。

ターシャは首を傾げる彼の姿を目に、隣のアマンダを横目で見た。



「理解し合える存在。一緒だと安心する」



声に出した彼女は、ターシャの手を握る手を強める。

ターシャはそれに、更に顔を険しくさせた。



「へぇ。じゃあ、あっちも親友でいっぱいだ」



その声にターシャは顔を上げ、アマンダの手を乱暴に放した。





「触らないで」





それは低く、鋭く放たれた。




その脇では、ボートの屋根を掴み、体を支えて立つビル。

奥には、コックピットに座るジェレクとレアール。

保安官達は冷静を保ち続けるまま、無言でターシャに視線を向ける。

それでも、ただじっと釘付けになるのではない。

ルークの様に表情を変えないが、適度に首に角度を付けたり、視線を動かす事で何らかのオーラを感じさせる。

しかし、ターシャはそんな彼等から目を背けたままだ。




「この子は違う。ルーク、貴方も。

あいつ等の普通じゃない言葉や、間違いを、分かってない。

理解し合えてるなんて言えない」



「ターシャ」



低い声で早々並べ立てられた言葉に、アマンダが飛び込む様に切り出した。



「私はもう、馴染もうとしちゃいけないかな…」









MECHANICAL CITY


本作連載終了(11/29完結予定)後、本コーナーにて作者後書きをします。

また、SNSにて次回連載作品の発表を致します。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ