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皇国の海軍将校  作者: Tatsu
序章 兵学校編
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満州事変

有村と同部屋になってから1年、俺は3年生、有村も2年生になり、最初の頃より有村と親しくなれたと思う。

最近では、有村の休日の課題について討論したりしている。

まあ親しくなったと言ってもおそらく有村にとって俺は良くて尊敬する先輩くらいのもんだと思うが…


「先輩、この記事についてどう思います?」

有村が見せてきた新聞には大きな文字で

『奉軍満鉄線を爆破 日支両軍戦端を開く』

と書いてあった。そういえばそろそろ満州事変か…ちなみに満鉄線を爆破したのは日本軍で、自作自演だと言われている。

「これ本当に支那が満鉄線を爆破したんですかね?戦力差からして大日本帝国に喧嘩を売る真似はしないと思うのですが…」

「ああ。おそらく陸軍の自作自演だな。このまま満州を占領するつもりだろう。もちろん支那の軍人が暴走したというのも考えられるが」

「…やっぱり支那と戦争になるんでしょうか…?」

「支那は資源の宝庫なのに未だ完全に植民地化されていないからな。あまり戦争にはなって欲しくないが…」

「なんでですか?支那と戦争になったとしても日本が負けるとは思えないのですが…」

「確かに日本と支那の戦力差を見れば日本が勝つだろう。しかしこのまま戦争になって欧米が黙って見ているとは思えん。それに補給の問題もある。」

今の中国は誰にも手がつけられていないケーキなのだ。そこで日本がそのケーキをまるまる取ろうとしたら当然他の国が黙っていないだろう。

「確かに支那の山脈では補給は苦しいと思いますがそこまでですかね?」

「単純な話だ。砲弾が少なく、制限しながら撃たないといけない新型の野砲と砲弾を気にせず撃てる旧式の野砲では旧式の野砲が勝つ。特に日本は補給を軽視している節があるからな。」

「やっぱり戦争って難しいですね…私も先輩のように頭が良ければ良かったんですが…」

「首席様が何を言う。それに有村はまだ学生なんだから分からなくて当然だ。」

「それを言えば先輩も学生なのですが…」





俺の記憶通りに満州事変が起きた。ということはこのまま日本は泥沼の日中戦争へと進んでいくことになるだろう。

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