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皇国の海軍将校  作者: Tatsu
序章 兵学校編
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海軍兵学校

目覚めると少し離れた…といっても1mもないところに有村が無防備な姿で寝ている。

いくら1年海軍の厳しい訓練で鍛えられているとはいえ、もうちょっと気を付けて欲しいものである。

この兵学校で過ごしていると、たとえ異性であっても家族のようになり、恋愛感情などは微塵も沸かないのだが、こいつはよく見なくても美人なのである。

前世の記憶にあるゲームの俺の推しに似ているのだが、本人は立派な軍人を目指しているので、可愛いと言われるのは好きではないらしい。

まあ彼女が軍服さえ来ていなければ海軍軍人にはとても思えないのだが…


さすがに自分が変質者に思えてきたのでいつも通り講義の予習をしたいと思う。

俺は総合的な序列は4席な訳だが、座学だけ見ればトップである。太平洋戦争の様々な戦訓が前世の知識にあるため他の人と比べて結構有利なのだが、兵学校には天才が集まっているので気を抜くとすぐに抜かされてしまう。


…ちなみに運動は……単純な体力では上位なのだが、剣道などの技術がいるものは平均以下である。特に海軍軍人で重要視されている泳力は……

うん。まあそういうことだから今朝も抜かれないよう勉強していく。



「ん……………あ…先輩 おはようございます…」

「あ…ごめん起こした? おはよう。有村」

ベッドから身を起こして眠たそうに目を擦っている。

いやクッソ可愛いんだが? 理性が持つ気がしません…

「先輩早いですね。こんな早くから勉強ですか?」

「うん。勉強しか取り柄がないからね…」

「そんなことないですよ」

この子天使かな?美人で性格も良いとか最強かよ。

ずっとこの時間が続けばいいと思ったが、現実は非情なもので、いつも通り講義の時間がやってきた。



「えー対潜戦闘においては護衛中と哨戒中で対応が異なり……おいっ八神生徒。駆逐艦にて単艦哨戒中の際に潜水艦を発見した際ど対応する?」

教官殿は俺が授業を聞いていないのに気付いたのか俺を当ててきた。

「はい。駆逐艦単艦で哨戒中潜水艦を発見した際は…まず敵潜が魚雷を発射していないか確認、魚雷を確認した場合は直ちに回避行動を取ります。」


「うむ。魚雷が確認できなかった場合は?」


「魚雷が確認されなかった場合は、敵潜が魚雷を発射するのを注意しつつ、ジグザグ運動をとりながら接近、爆雷を投下します。またその際他の潜水艦がいないか常に捜索します。」

後ろの方は教本にはない内容だ。

「他の潜水艦の捜索?」

「はい。敵潜に攻撃する際、ジグザグ運動をしているとはいえ、他の潜水艦にとって絶好の的です。」

「なるほど…」

「また、現在はまだ開発中ですが、将来的水中聴音機またはそれに類するものが装備された際は、聴音機で探知した潜水艦と視認している潜水艦を混同してしまう可能性があるため、注意すべきと思います。」

これが原因で幸運艦と言われた駆逐艦が沈んだのだ。戦訓は生かすべきである。(まだ戦訓にはなっていないのだが…)

「ふむ…では夜間に敵潜水艦を発見した場合はどうする?」

は?夜間?冗談だろうか?

「夜間…でありますか……」

「そうだ」

だがここは…

「撤退するべきです。夜間は潜望鏡が見えづらく、たとえ1度発見したとしても見失う可能性が高いです。また魚雷を見逃す可能性もあります。帝国海軍の見張り員の練度が高いといえど、夜間での戦闘は分が悪すぎます。」

どうだろうか…

「うむ。その通りだ。夜間での対潜水艦戦闘は余程のことがない限り避けた方が良い。八神生徒座って良いぞ」

「はっ」

うん…講義ではちゃんと集中するようにしよう

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