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皇国の海軍将校  作者: Tatsu
最終章 皇国の海軍将校
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艦隊直進ス

自分の拳銃から放たれた銃弾は、栗田司令長官の頭を貫通し、長官は倒れた。


「すみません、失礼します。」


急な発砲音に司令部要員が驚いている間に、次々と射殺していく。


パーーン


艦橋の左側からも射撃音が聞こえてくる。良かった、あっちもやってくれているみたいだ。


栗田艦隊、第一戦隊司令部の主なる司令部要員は全員血を流して倒れており、艦橋内には自分と、数人の()()たちのみ残っていた。


「中佐、第一戦隊司令部の始末、完了しました。」


「ありがとう。助かった。」


報告をするのは第一戦隊通信参謀である冬月少佐。他にも大和航海長など、第一艦隊の作戦参謀で柱島にいた間に集めた同志たちが今ここにいる。


軍人とは上官に逆らえないもの。たとえ自分が正しいことを言ったとしても、上官と意見が合わなければ採用されない。それがたとえ良い司令官だったとしても、史実を見た人間の言葉は史実を見ていない人間には伝わらない。

ミッドウェー海戦の時にはそういうものだと諦めていた。諦めてしまっていた。結局たとえ史実を、未来を知っていたとしても何の力も持っていなければ、何も変えることは出来ない。結局その覚悟のまま臨んだミッドウェーは惨敗し、山口司令官も飛龍と共にする選択を選んだ。


だが、力がない若い将校でも、一つだけ出来ることがある。それは、武力に訴えることだ。

階級章も一発の弾丸で壊すことが出来る。

五・一五も、二・二六も結局はそういうことだったのだろう。


本当はずっと前から分かっていた。史実を変えると何回も言ってるにも関わらず、結局上官に従って、自分は出来ることをやったと自分をだましてきた。

だその結果が四空母の喪失。自分はミッドウェーの後も太平洋戦争での日本の勝機はあったと思っているが、南太平洋やマリアナでは航空戦が主力であり、自分はエースパイロットというわけでもない。それでレイテを決戦の舞台に選んだのが二年前。そこから着々と準備を重ねてきて今に至る。




艦橋内で銃撃音が消えてたころには、いつのまにか対空砲火の音も消えていた。


「各戦隊司令官より一時撤退の上申が届いておりますが……」


冬月通信参謀より再び報告が入る。


今は私が司令官なのだ。上官は今はいない。







「第一遊撃部隊全部隊に連絡!! 艦隊直進!レイテ湾を目指す!!」

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