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皇国の海軍将校  作者: Tatsu
快進撃
15/27

ミッドウェー海戦 前編

日本が負けたのは暗号を解読されたからだ。

日本では非常に有名な話であり、小中学校で習うところもあるかもしれない。

確かに、日本軍の情報戦はアメリカに劣っていた。だが、多くの人が思うほど日本軍の暗号は脆弱ではなかった。

日本の外務省が使用していた暗号は米軍に即解読されたが、日本海軍は幾度も暗号を変えており、米軍の情報部隊も日本海軍の暗号を解読しては変更されてやり直し……という攻防戦を繰り返していたわけだ。

そして、暗号が解読されていたことで米機動部隊の待ち伏せにあい敗北したと有名なミッドウェー海戦の前にも暗号は変更されるはずだったのだ。しかし、不運なことにトラブルにより暗号変更が一か月ほど遅れ、旧式の、解読済みの暗号でMI作戦が各地に伝達されることになったのだ。


さて、現在は昭和十七年の五月末。

世界最強と名高い南雲艦隊…第一航空艦隊は満を持してMI作戦を完遂させるため、ミッドウェーへと向かっていた。

飛龍の艦橋からは準姉妹艦の蒼龍に、一回り大きい加賀、そして飛龍と同じ左艦橋が特徴の赤城が輪形陣の中心となって進んでいた。だが、そこには一航艦を構成するはずの五航戦、翔鶴、瑞鶴の姿は見えない。結局珊瑚海海戦は日米の痛み分けで終わり、MO作戦は失敗した。翔鶴は大きく損傷し、本土にて入渠、瑞鶴も艦自体は無傷だったものの、航空隊が大きく損害を受けてトラックに停泊している。

当然、先の図上演習の場では五航戦の修理の完了を待つことを強く主張、かの源田実第一航空艦隊航空甲参謀らも同じように主張していた。

更に、精強を誇っていた一航戦や二航戦も休暇無しの疲労や、度重なる異動により技量が著しく低下しており、とても真珠湾攻撃の頃の練度は持ち合わせていなかった。

この点からもやはり五航戦の修理が終わるまでは、作戦の延期を何としてでも通したかったのだが…


源田中佐ら延期派も連合艦隊首脳部に最終的に説得され、残されたのは自分だけ。階級が物を言う軍隊の世界で、大将や中将に少佐が敵うはずもなく、作戦は決行されることになり、今に至る。


軍令部の予想では米軍の太平洋戦域での稼働空母は最大で3隻、エンタープライズ、ホーネットに所在が判明していないワスプであると考えている。

実際はレキシントンが応急修理だけすませミッドウェーに参戦してくることになるのだが、ワスプは参加しないため史実で参加する数とは変わらない。

五航戦が参加できないとはいえ、一航艦は4隻。数の上では未だ優勢である。

ミッドウェー島の航空戦力を考えれば互角になるが、空母が参加してくるかは五分と考えているため、戦力不足とは認められなかった。


史実を回避するのであれば、徹底的に主張するべきだと、そう思う人もいるだろう。しかし、自分は漫画や小説の主人公のようにエースパイロットであったりするわけでもないし、頭脳明晰で天才参謀というわけではない、ただの軍人である。さらに今後の海軍内での立場を考えると、引かざるを得なかった。

分かりたくもなかったが、史実で異論を心の中で唱えつつも立場のために上に従っていた軍人たちの気持ちが分かったようにも思う。


暗号云々の話って昔聞いたことがあるような気がするんですが、調べても全然出てこないんですよね……

間違ってたらごめんなさい。(まあ完全に史実再現しているわけでもないですし)

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