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皇国の海軍将校  作者: Tatsu
快進撃
13/27

セイロン沖海戦 後編

トリンコマリー空襲が終わり、所謂セイロン沖海戦は日本軍の勝利に終わった。

こちらの損害が航空機十数機に対して、戦果は軽空母1隻に重巡洋艦2隻撃沈確実。その他駆逐艦や輸送船も撃沈しており、英軍基地にも重大な損害を与えた。


さすがに酒を飲んだりしている将兵はいないが、軍務をこなしていながらも皆の顔からは笑みが隠しきれていない。

まあそれも仕方がないだろう。これほどの勝利だ。


ただ、そんな艦橋の中で厳しい顔をした2人の将校が議論を交わしていた。


「だから南雲さんは許可しないよ。」


「ですが、イギリス東洋艦隊は未だ健在です。こいつを叩けばシンガポール、香港を落とされ、盟友ドイツによりロンドンも爆撃されているイギリス国民は戦争意欲を無くすでしょう。戦略的に非常に大きな意味を持ちます。」


議論の内容は前に話したアッドゥ環礁についてである。

作戦後、私はアッドゥ環礁を偵察、攻撃することを提案したのだが、山口さんはあまり乗り気ではないようだ。


「しかし本当にその環礁に東洋艦隊がいるのか?ボンベイや…

それこそアフリカまで避難している可能性もあるぞ。」

確かにそれはそうだ。事実セイロン沖海戦後東洋艦隊は危険を察知してボンベイに避難している。

「いえ、東洋艦隊は避難しつつも、我が艦隊へに反撃の機会を伺っていたはずです。となればアッドゥ環礁くらいしかないでしょう。逆に早く攻撃しないとアッドゥ環礁からも逃げてしまいます。」


「だがなあ…仮に敵艦隊を発見できたとして、勝てる見込みはあるのか?こちらの情報では東洋艦隊の残存戦力は戦艦5隻に空母2隻。対してこちらは空母が5隻いるとはいえ3日間に及ぶ攻撃で搭乗員も疲弊している。無駄な損害を出すだけだろう。」


「しかし…」


「艦隊を守るのも司令官の仕事だ。特に南雲さんは損害を嫌うだろう。今回は諦めなさい。」


「はい…」


そう言われては諦めるしかなかった。

実際私も攻撃したとして、確実に成功するとは言い切れない。よくて五分五分だろう。

確かにイギリスを戦争から脱落させるのは非常に大きな意味を持つが、あくまで日本軍が戦っているのはアメリカ軍。ここで熟練の搭乗員を失ってはミッドウェーでの勝ち目が完全に失われてしまうだろう。










「帽振れ!」

第一航空艦隊の将兵全員が帽を振り、第五航空戦隊が一航艦から分離する。

MO作戦のために台湾へ向かうのだ。

珊瑚海海戦……

日本の快進撃が止まる日が迫っている。


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