転生1回目その2
1週間後。王城に戻り中央突撃機動騎士団の執務室に入り報告をする。報告が終わって今日から1週間の休暇を貰えた。俺は急いで騎士の宿舎に行って身支度を済ませてすぐに出る。移動して宿舎から出る所で3人の人に会う。
「これはこれは中央突撃機動騎士団の紅一点様たちではないですか。お勤めご苦労様ですが朝っぱから2人の女性を侍らせながら堂々移動していて・・・、さぞ昨日はお楽しみだったのでしょう。所で私のような下賤者に何か御用でも?」
「朝の挨拶をするだけでこうも長い挨拶をしながら、自分の卑屈に言うのは貴方くらいですよ。途中から褒めてもいない事を入っていますが、気にしない事にします」
「おや何か突っかかって来ると思っていたのですが、当てが外れたので残念ですね」
「わたしを何だと思っているのです?」
「女性でありながら自分好みの女性を見つけると口説いてそのまま持ち帰って虜にさせる、大の女性好きの超ド変態だと思っています」
「・・・リシャールはご機嫌が良いようですが、何か良い事でもありましたか?」
「おや完全にシカトですか。実は今日から1週間の休暇をいただけたんですよ! この騎士団に入団して初めての休暇ですよ!」
「休暇ですか、それは良かったですね」
「「「・・・初めての休暇?」」」
「はい! 給料はかなり良いのですが一度ども休暇を貰えなかったんですよ。何やら色々やる事が多くそれを解消しなければいけないと言われまして、俺はそれらの仕事をこなしてきましたよ。1週間前なんて1人でゾンビの群れを壊滅させてきました。これって中央突撃機動騎士団がやるような内容じゃ無いですよね」
「わたし達は当時じゃ無いので何とも言えませんが、確かにわたし達がやるような任務では無いですね。それはそれとして。リシャールが本来得るはずの休暇の件について、キッチリと団長とお話をして来ます」
「・・・・・・貴女は本当にマリナ・クリホード・ルシー様ですか?」
「どう言う意味で言っていますか? まるでわたしが偽物だと聞こえるのですが」
「だって普段は男性を見ると『下賤者め・・・』って目で見るマリナ様が、私みたな下賤者の為にあの憎き横暴私怨団長に物申すのなんて・・・。さては貴様は偽物だな!? 正体を現せ!」
「くだらないと芝居に付き合っている暇はありません。行きますよ」
3人来た道を戻っていく。俺は疑問に思いながら宿舎から出て街の方に行く。街に着いたら先ずは実家に帰る事にする。
実家はここから馬車で3日で着く街だけど、馬車に乗って行くほどの時間が持った無いから、ここは強化魔法を使って走って行くか。先ずは南門に行かないとな。
俺は南門まで移動するが何故か色んな人に声をかけられて、少し時間がかかったが何とか南門に着く。南門から出て強化魔法を使って身体を強化をして走り出す。
はぇーやっぱり魔法って凄いな。前世でも魔法があれば、あの呪われた剣を使わずに済んだと思うんだがなぁ。無いものはしょうがないけどな。魔法が使える代わりに銃火器が使えないのはちょっとキツイな。前世ではよく使っていたから現世でも使いたかったなぁ。俺用の特注の銃だから中型の魔物なら大体殺せるはず。これも無いものだからしょうがないけど。ってもうすぐ街に着くな。やっぱり魔法は凄いな。
俺は減速を始めて歩きに変える。街の門に着いたら門番に住民カードを見せて中に入って、すぐに家に向かって門番に挨拶をして玄関まで行ってドアを開ける。
「ただいまっ!!」
「「「「リシャール様!?」」」」
「お帰りなさいませリシャール様。まさか唐突にお帰りになるとは思いませんでしたよ」
「今日初めて休暇を貰えたからな! だから家に帰って来た」
「そうですか。初めて休暇を貰えた?」
「あ、その話はもういいよ。先輩にも同じ反応されたからな。所でエリック兄さんは生きてる?」
「ご存命でございます。今は執務室におります」
「執務室か。じゃあ会いに行ってくる」
「お会いになる前に一度お風呂に入られたらどうですか?」
「それもそうだな。この時間に入っている人はいる?」
「おりません」
「どうも」
俺はすぐに脱衣場に行って脱衣所で服を脱いで風呂場に行く。身体を洗って湯船に入ってゆっくりしてから、湯船から上がって風呂場から出てアイテム袋から服を出して着替えて、さっきまで来ていた服はアイテム袋にしまってから出る。俺は執務室に行ってドアをノックして自分の名前を言って、入室の許可を貰ったら中に入る。
「久しぶりだなリシャール! 唐突に帰って来てビックリしたぞ!」
「今日から1週間休みを貰ったからな。どうせなら久しぶりに実家に帰ろうと思って帰って来たぜ」
「そうか、座ってくれ」
俺は空いているソファに座る。
「手紙でも聞いてるが騎士団の方はどうだ?」
「激務激務激務の3つの言葉だぜ。休暇なんて今日初めて貰ったからかな!」
「今日、初めて・・・?」
「そう今日初めて」
するとエリック兄さんは紙を出して書き始める。書き終わったら執事のマックスに渡す。
「これを王国第9中央突撃機動騎士団の団長に出してくれ」
「かしこまりました」
「いやそんな抗議の手紙を出さなくても。大丈夫だよちゃんと休憩時間や美味しい食事も食べられるから。その分激務だけど」
「入団したてのお前にやらせるような内容じゃ無いだろ。それに休暇もちゃんと渡してない時点で、労働環境がゴミになのはどうなんだ?」
「そ、それを言われと反論の余地もありません・・・」
「じゃあ出しておくよ。それとリシャール当てに縁談の話がこれでもか、っと言うくらい来てるよ」
「全部焼却して無いのか?」
「出来る訳ないだろリシャールの縁談だぞ・・・。特に凄いのが王族の第3王女からだぞ」
「へぇそうなんだ。どうでいいから全部焼却しておいてよ。全部どうでもいいから」
「どうでもよく無いだろ!! 王族からだぞ王族。王族からの縁談を無視するのかよ?」
「あたり前じゃん。俺みたいな年齢で死なない人間なんて不気味すぎだろ。お相手が可愛そうだろ」
「お前ぐらいだぞ王族を蔑ろにするのは・・・」
「それに俺は常に激務だから会う暇ないんだよ。これに関しては団長に感謝しているぜ」
「あの団長をどうにかこうにかクビに出来ないか?」
「男爵程度の権力じゃ無理だろ。せめて侯爵か辺境伯じゃないとな」
「そうか。そうかぁ・・・」
「何でそこまで落ち込むんだ。それとはいご祝儀」
アイテム袋から金貨500枚をテーブルの上に置く。
「おおおお、おまえそれいくらだ・・・?」
「ざっと金貨500枚! エリック兄さんの結婚式に行けなかったから、迷惑料も含まれているよ」
「多すぎる! 迷惑料込みでも金貨5枚でいいんだよ。何処の世界に金貨500枚をご祝儀を出す馬鹿がいるんだよ・・・」
「ここにいるぞ」
「言うな! 金貨5枚だけ受け取るから、残りはお前の為に使ってくれよ」
「大丈夫。まだ白金貨10枚あるから」
「何で国家予算内で使われそうな金額を持っているんだよ・・・。そっかリシャールは中央突撃機動騎士団だったな・・・」
「これだけあれば子育てとか投資とか出来るだろ。結局何をするにもお金は必要だろ」
「・・・解った受け取るよ。僕の妻たちに挨拶はどうするんだ?」
「んーどうせすぐに出るからしなくてもいいかな。本当はしないといけないのだろうけど、家に帰って来る日がほぼ無いからな。あそうだ前に手紙で言っていた、不動産はどうなっているの?」
「それならこの紙を渡すよ。とりあえず王都にある不動産だ」
エリック兄さんはこっちに来て紙を受け取って、金貨500枚を持って行く。
「―――この辺りに不動産があるのか。よし行って来る」
「待て待て一度部屋に行って縁談の手紙や肖像画を見てくれ」
「ゴミを見て時間を潰す暇があったら、すぐに不動産に行って家を買いたいんだけど。ゴミの処分はそっちに任せるし、またゴミが来たら全て断っといて」
「ゴミゴミゴミ言うなっ! 何処の世界に縁談をゴミって言う人がいるんだ!?」
「だからここにいるって」
「・・・お前にあれこれ言うのは駄目かもしれなぁ。解った縁談は全て断るでいいんだな」
「おう。何かなん癖言って来たらすぐに言ってくれ。叩き潰しに行く」
「穏便に済ませないのか?」
「向こうが過激にやってほしいって懇願してきたんだ、ならそれに応じないとないけないだろ」
「お前に楯突く馬鹿野郎はこの世に存在してるのか?」
「するんじゃない? 己の力を理解してない奴とか」
「そうだな・・・」
「じゃあ俺は王都に戻るから。気が向いたら帰って来るよ!」
「出来るだけ早くな。兄弟の中で帰って来たのはお前だけだからな・・・」
「マジかよ。薄情な兄たちだな」
俺は紙をアイテム袋にいれて執務室から出て玄関の方に向かう。途中ですれ違う使用人たちに挨拶をして、屋敷から出て王都に戻るために街から出る。