表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラーメン大好き美少女と彼女を可愛がりたい僕  作者: 久野真一
第4章 もう一人の親友と僕たち
21/43

第21話 バカップルになった僕たちの朝

「ふんふんふん~♪」


 投稿途中、鼻歌を歌いながら、僕に寄り添ってご満悦なセシリー。

 なのはいいのだけど、今は登校途中でも割と人目がある。


「一体どうしたの?今、結構、人が見てるよ?」


 人に見られているのにこうして甘えてくるのはどうしたのだろう。


「キョウヤが大好きだから、どうでも良くなっちゃった♪」


 ふにゃっと幸せそうな顔の彼女は大変可愛く-じゃなくて。


「でも、どうしたの、いきなり?」

「いきなりじゃないわよ。先週、すっごい情熱的に口説いてくれて、感動したもの」

「あの、ちっちゃいがいいってこと?」

「そう!だから、嬉しくて、嬉しくて!人に見られるなんて些細なことよ」


 うーむ。セシリーに自信を持って欲しいと思っていたのだけど。

 まさかこんな副作用を生むとは。

 恥ずかしがる彼女をイジメるのが楽しみだったのに。ま、いいか。


「それじゃ、僕も」


 セシリーの顔をくいっとこちらに向ける。

 意図に気づいたのか、そっと目を閉じるセシリー。

 少し長い間、強く口づけを交わして、お互いの舌の感触を味わう。


「ぷはっ。はぁ……」

「どうだった?」

「凄く気持ちよかった」

「僕も良かったよ」


 なんだなんだと周囲が僕たちを見ている。


「周りの目があるけど……大丈夫?」

「うん。とっても嬉しい。大好きよ、キョウヤ」

「僕も大好きだよ、セシリー」


 人目をはばからず通学路で愛をささやき会う僕たち。

 時折そんな事をしながら教室に着いた僕たちだけど。


「おまえら、ちょっとバカップル過ぎるだろ!」

「そうだそうだ!クラス……いや、学年中で噂だぞ!?」

「恥じらうセシリアちゃんが可愛かったのに」

「うちの校風的に大丈夫だろうけど、ほどほどにな」


「はー。なんか、セシリアちゃんが盗られちゃった気分」

「ねー」


「セシリーちゃんがバカップルになっちゃった……」


 反応は様々だけど、僕たちの振る舞いがちょっと過激過ぎると言いたいらしい。


「いやー、ごめん。つい」

「ごめんなさい。つい」


 一応、やりすぎたという自覚はあるので揃って謝る。


「つい、じゃねーよ」

「てーか、お前ら、週末になにかあったのか?」

「そうそう。ますます仲良くなってるよね」


 確かに、そこまで変化すれば気づくか。


「もっとキョウヤのことが好きになっただけ。なんにもないわよ♪」


 そんな事を幸せそうな顔をして言うものだから。


「あー、なんか、ラブラブなエッチでもしたのかな」

「セシリアちゃんほんとに幸せそうだもんね」


「週末はきっとしっぽりと……」


 色々と想像されているようだ。いや、結構事実だから言い返せないんだけど。


「セシリーちゃーん。週末しっぽりって本当?」


 相変わらず舞はぎゅーっとハグしてくる。

 舞の体躯は女子としては平均的で、胸もほどほどにある。

 そんな彼女がセシリーに抱きついている様はどこか絵になる。


「それは、その……察してよ」


 秘め事を明かすのは羞恥心が許さなかったらしい。顔を赤らめている。


「それは絶対あったって言ってるよね!?セシリーちゃんが汚されたー」


 ヨヨヨと大げさな泣き真似をする舞。

 舞が気を遣ったせいもあると思うんだけどな。


「そういえば、先週はありがとね。助かったよ」


 改めて、先週の取材に協力してくれたお礼を言う。


「それくらい水臭いよー。それで、いつ放映するの?」


「今晩あたりかな。良かったら、動画編集の作業見に来る?」


 あと残っている作業は、例の部分をカットするか。

 他には、セシリーによる最終チェックくらい。


「いいの?邪魔にならない?」


 舞はやっぱり気を遣う子だ。


「大丈夫。だよね、セシリー?」

「ええ。大丈夫よ」


 というわけで、僕の自宅で一緒に動画編集となったわけだけど。

 そろそろ舞の事をなんとかしないと。

 セシリーの次に深い付き合いの舞には変な遠慮をして欲しくない。

 あるいは、僕に対する気持ちを押し殺しているのかも、と思うけど。

 こっちはできれば勘違いであって欲しいところ。


「そういえばさ、こないだ撮った動画で、最後のこのシーンがあるんだけど」


 クラウドに保存した編集中の動画のラストを見せる。

 そこには、僕がセシリーを抱きしめている様子が残されていた。


「そんなところ残してるなんて、やっぱりキョウヤはイジワルだわ」

「これ、流してみるのはどうかな?素のセシリーを撮った貴重な一瞬ってことで」


 きっと断られるだろう、そう思っていったのだけど。


「うーん。ちょっと、キョウヤが一緒に映ってるのが……」


 最後の所は少し言いにくそうだった。


「そうか。セシリーをアイドル化してるファンが不味そうだね」


 言っていて、自分のアイデアの問題点に気づいた。

 Ramen Walkersはあくまでラーメンのレビューをする番組だ。

 しかし、可愛くて、明るい彼女には個人のファンが何人も居る。

 アシスタントの僕についての問い合わせが以前来たことがあるくらいだ。

 幸い、あくまでアシスタントして押し通しているけど。

 公にいちゃついてる映像を流すのはちょっとまずい。


「ごめんね、キョウヤ」

「いいよ。僕が考えなしだった」


 再生数が増えて。

 番組だけじゃなくて、彼女本人のファンが増えているのだ。

 アイドルじゃないとはいえ、男といちゃついてる場面は避けないと。


「でも、これからは、人目があるところでも可愛がって?」


 そんな可愛らしいおねだりに僕の心はときめいてしまう。

 それじゃあ、とばかりに顔を寄せて口づけを交わす。


「もう、いきなりなんだから。キョウヤは」

「嫌だった?」

「嫌じゃないわよ」


 こんなやり取りをしている僕たちは、バカップルなんだろうな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ