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スキルは使えば育つもの

 オレは5歳児とは思えないほど鏡を覗くので、両親はオレのために姿見、それも幼児用に割れにくいやつを買ってくれた。


 別にオレだって、自分の顔がカッコいいとか思って鏡を見ている訳じゃ無い。


 そう、自分自身に “鑑定” スキルを使ってるだけだ。



 どうもこのスキルは噛めば噛むほど味がすると言うか、汎用性が高い。と、言うのも見ようとしさえすればなんでも見られるのだ。


 問題は1つ。オレの能力が、足りて無い。



 5歳にして、目に映る人類の野球スキルを知る事が出来るようになったのは良いのだが、残念ながらそれ以外を知ろうとするとすぐ疲れる。


 やはり『野球ゲーム風ステータス』ばかりを使いすぎたんだ。


 とはいえ、見ようとさえすれば他のステータスも、もちろん見られる。そして、使えば使うほど、疲労もしなくなっていく。


 見ようとすれば、だ。



 逆に言えば、「見ようとしない」ステータス。つまり、オレが思いつきもしない様なステータスはオレには見られない。


 説明、わかりにくいか?


 


 まぁ、具体的に説明しよう。


 アレは、幼稚園入って割とすぐだったと思う。


 達彦とうさんは、オレの幼稚園入園で少しは手が空いたと思ったのか、家庭用ゲーム機を買ってきてリビングにセットした様だ。


 んで、どうも夜中にこっそりやってるらしく、たまたま夜に目が覚めたオレはその姿を目撃した。



 その時、やっていたのは何かの銃を打つタイプのゲームだと思うんだが、達彦とうさんはちょうど「手榴弾を投げる軌道の予測」を画面にしてた。


 オレは眠かったし、ふーん。最近のゲームはリアルだなぁと思ってそのままトイレに行って寝た。



 で、次の日、幼稚園のグラウンドで遊んでいる時にふと思い出したんだ。




 今、手に持ってるボールを投げる時に『FPSゲームの手榴弾投擲予測』を出すとどうなる?


 答えは簡単。”鑑定” できる。だ。


 目の前に投げようとしたボールの予測起動が出てくる。振りかぶり方や、入れようとした力に応じて予測起動が面白いように変わっていく。



 その時の衝撃をオレはみんなに伝えたいが上手く伝わるだろうか?


 

 もしかしたら、オレは球界を変えるピッチャーになれるのかもしれない。


 オレは可能性に打ち震えた。



 そんなこんなでしばらく “鑑定” に夢中になっていたオレは、自分の限界も忘れてボールを投げて興奮しいた。そんな訳でオレは、人生2度目の昏倒をしたらしい。


 担任の杉浦先生が、「裕也くんはニヤつきながら失神した」と両親に謝罪しているのを、オレは顔を真っ赤にしながら聞く羽目になった。



 そんな訳で見ようとしさえすればこのスキルは汎用性が恐ろしく高い。


 恐ろしく高いのだが、見慣れていないステータス画面は疲労がすごい。だからオレは色んなステータス画面をなるべく多く使う必要がある。


 だから、オレは今日も鏡で自分を見る。繰り返しになるが、自分に対して "鑑定スキル" を使うためだ。


 そして、”鑑定スキル” で "鑑定スキル" 自身を “鑑定” するのだ。



 しかしながら、前世のオレは、正直そこまでゲームをやってこなかった。これは今になって後悔している。


 ゲームのステータス画面でイメージできるものの種類が少ない。だから、 "鑑定" で見られるステータスの幅はそこまで多くない。

 

 いろんなゲームのステータス画面を見てみるってのも、オレには必要なのかもしれない。

 

 幸いにも、俺のやっていた野球ゲームはとても良いものだったらしい。

 

 “鑑定スキル” の詳細な項目を A から F で簡単に記しつつ、数字表記もしてくれるし、わかりやすいアビリティも見せてくれる。



> 鑑定スキル

>

> 効果時間: E(3)

> 詳細度: F(4)

> バラエティ: D(18)

> 正確性: A(210)

>

> アビリティ

>

> 「チャンス◯」

> 「併殺」



 チャンスに強そうなのは個人的には気に入っている。変なアビリティも、気にはなる。


 鑑定スキルに併殺もクソもない気もするが……これ以上 “深く” 鑑定するのは、今のオレにはできないので詳細はわからない。

 


 鏡を使いながら “鑑定” する事のメリットはそれだけじゃない。


 “鑑定” をさらに深めようとすると、こんなステータスが出てくる。



> トレーニング・深度アップ

> 詳細度 ++ (+1, 12%)

> 精神 -



 オレのやっていた野球ゲームの育成モードよろしく、トレーニングの効果予測が見られるのだ。


 これは “鑑定” のトレーニングだけに限らない。例えば、「そうじゃなくて、走り込みをする事にしよう」と考えると



> トレーニング・走り込み

> スタミナ++++

> 根性++

> 体力 —



 と、今度は走り込みをするとどう成長できそうかの予測がでる。


 これはオレにとって嬉しい。まるで昔やった野球ゲームの選手育成みたいだ。やはりオレは球界を背負う人間になるのかもしれない。


 転生後は知らない球団ばかりだが。なんだよ巨人軍って……オレの推し球団『武蔵野オリオンズ』はどこいったんだ……


 おっと話がそれた。そんな訳でオレは鏡を見ながら、”鑑定” をするのを日課としていた。


 ものすごくゆっくりとだが、少しずつスキルの成長はしているみたいだ。



 早くスキルを育てて、確認したい事がある。


 そう。優花のスキルだ。


――


 オレの一番の友達にして約束されたマイラバー……主人公って、多分オレだよな? 魔王を倒せって言われてるし。まぁ、恐らくは約束されたヒロインである宮坂優花嬢にも、スキルがあるっぽいのは確認している。



 あれから何度か “鑑定” をする事で、彼女の背景は見えてきた。今、わかる範囲で全部まとめると、次のようになる。




> 名前: 宮坂 優花

> 5歳 両投両打

> パワー:1, 走力: 1, 守備: 1, 肩: 1, スタミナ: 2, ミート: Lv.1 

> 賢者 Lv 1

> HP: 10, MP:5, STR: 1, VIT: 1, AGI: 1, INT: 2, DEX: 3, WIL: 3 


> 二つ名: 悲劇のヒロイン


> 紹介: 本作品のヒロイン。主人公と幼馴染の賢者の卵。しかし行く手には数々の困難が立ちはだかる。果たして彼女は生き残れるのか? それは主人公次第と言えるだろう。


> 背景: この世界に転生してきた、魔王に挑む勇者パーティーの一員。前世は本好きの女子大生。転生のショックで記憶を無くしているが、徐々に人格は統合中


> スキル: 『デバッグコンソール』



 いくつかわかった事があり、例えば達彦とうさんは幼稚園児並みの不器用さだとか、前世は女子大生だとか、そういう情報がオレの胸を熱くさせる。


 まあ、1番気になるのはスキル『デバッグコンソール』だろう。名前からは何をするスキルなのか、正直言ってピンとこない。


 “デバッグ” ……と、いうからには、なんかのバグ技とかを無効にするんだろう。きっと魔王にもスキルがあるだろうから、それを無効にしたりするのかもしれない。


 “コンソール” はさらによくわからない。転生前の、うろ覚えの知識では、なんかゲーム機のことを「コンソール機」とか言ってた気がする。

 その辺りから考えると、何か機械的なものを呼び出したりするのかもしれない。


 と、よくわからないスキル『デバッグコンソール』だが、なにぶん優花自身が記憶喪失の影響か、年齢通り5歳児のような応答しかできないし、オレも『デバッグコンソール』スキルの詳細を “鑑定” しようとしたが、今のオレでは “深い鑑定” はできないようだった。


 まぁ、所詮は5歳児。気長にやるしかないのかねぇと、大人びた態度で臨もうとしたんだが……そうは言ってられない事情ができたんだ。

ここまで読んでくださりありがとうございました。


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