--.舞台・登場人物の設定*第3部まとめ
【登場人物(地球)】
・時永ミコト
聖山学園高等部1年3組。16歳。
身長156cmのやや細身。
外見としては長いポニーテールのような髪型が特徴の少女。
基本的には自己主張のあまりない性格で、学校でも固定の友人を作らず大概本を読んでいるか、他人の世間話に人知れず耳をそばだててふんふんと興味深く頷いているタイプ(でも輪には入らない)。
大概上のような調子であるせいでもあると思うが、後述父親とは違って人間嫌いなわけではなくむしろ人間観察等は好き。
また、父譲りなのか一度キレるとブレーキが効かなくなりそうな面も。
実はごく普通の女の子に見えて、思い描いた物事を現実化させる「リムトーキ」の力が一般よりとんでもなく強く、エネルギー保有量は軽く神界の神様以上。
現在地球によく似た世界「全てをやり直した理想郷」を作り、その中で現実逃避をしている。
第1部の終わり辺りに「赤い手帳」を発見しているが、どうやら今回の騒ぎの原因はほぼそれな模様。
……ミコトは一体、何を見たのか。詳しくはもう少し後に投稿する「過去編」で触れる予定。
・イツキ(植苗イツキ)
精神年齢18歳。元人間の木の妖精。
体長推定240cm(※上に枝を伸ばした状態がデフォルトの為。頭までの計測だと156cm程度と以前の155cmとさほど変わらない)
→第2部「3.冒険の序章は目の前に」からは155cm、人型。左手首にベルトを巻いている。
13年前、時永に騙されて人間辞める羽目になった人物その1。
元々年齢の割にはガキっぽく好きなものには「好き!」嫌なものは「嫌!」とハッキリしている性格だったが、この姿になって以降輪をかけて嫌いなものに対しては敬遠通り越してドライに。ある種成長か?
第3部ではそのドライさからか、一歩退いて様子を見ることを覚えたようで、時永相手にもほとんど怯まなかった。
というよりは、記憶のない間に接した印象もあり、時永相手の期待値がリセットされたらしい。実はちょっと警戒しているが、今のところその関係に波は立っていない模様。
パン屋とのやり取りからわかる通り、感情移入はかなり深い方。涙もろい。
――人型になって、念じるだけで左腕が太いつるになって伸びるという本人曰く要らない能力が付与された。
・イヌカイ(犬飼 元)
精神年齢28歳。元人間の人狼。
体長推定275cm以上3m未満(ちゃんとはかってないので目測)
→「3.冒険の序章は目の前に」からは181cm、人型。首にチョーカー風のベルトを巻いている。
服装はジャージだったが、バスケ部をやめたので余力でちゃんと着替え始める、かも?
13年前、時永に騙されて人間辞める羽目になった人物その2。
基本はちゃらんぽらんでギャグテイスト、ちょっぴりふざけた印象の雰囲気をかもしだすが……実はそれはネガティブになりがちな相棒・イツキに対する「気ぃ抜いていこうぜ」のポーズ。実際中身はどシリアスだったりするので侮ってはいけない。
イツキの精神面が不安定なことを誰よりも気遣っている以上、自分がしっかりしなければと思ってい……たのだが、今回は逆にこっちが不安定になって救われる羽目に。
体を張りがちな頑張り屋というよりは、自らが関わったものに対する責任感とプライドが高いのかも。
・時永 誠
聖山学園特別教科「説話研究学」講師。
29歳(第1部の1話~4話)→41歳(第1部の6話以降)→??
身長179cm。
ミコトの唯一の肉親(父)。
痩せ型と童顔、眼鏡が特徴の一見爽やかなイケメン先生。
だが本当は……。
――第1部では極度の人間嫌いにも関わらず「他人に認められたい」自己顕示欲や承認欲求が異常に強いという難儀な性格をしており、自分以外の人間全てを見下すため逆に「誰からも認められる完璧な人間」を演じ誰より優位に立ちたいと考えている節がある。
なのでミコトにそもそも全否定された際には精神的に追い詰められて爆発した。
――第2部ではミコトの創った世界にて再登場。
ミコトに「好き」と言われていきなりボロ泣きしだしたり。(→「理想郷~①~」)
申し訳なさげに謝ったり。(→「理想郷~②~」)
居眠り中のそれに優しく声をかけてお腹を隠したり。(→「12.プロセスコード」)
正直言って人が良すぎるので「誰だお前!?」状態。
その正体は、かつてクロノスの仕業で体を追い出された「もう一人の時永(主人格)」。
そして第1部までの彼は、彼の嫌う負の感情だけを集めて形成された、「人工の人格(別人格)」だったようだ。
彼がああなるまでの経緯は、この後ワンクッションおいた後で連載開始予定の過去編(ミコトのみた日記の中身)にて。
【登場人物(理想郷)】
・橘
ミコトの担任 兼 イツキの元同級生。
身長164cm。担当教科は本来、現代国語。
「委員長気質(イツキ談)」、「負けず嫌い(時永に似ている?)」、「自分がやらなきゃ誰がやる(イヌカイそっくり)」という、頼まれたら断れない性質3拍子のせいで現実世界の地球では時永失踪後の説話研究学をカバーしたり(※特殊な授業なので教員免許が要らない)、球技が嫌いなのにバスケ部の顧問をしたり。ともかくいろんなことをしているらしい。
……よくよく考えてみたら時永の新・旧合わせての大暴れで地味に一番しわ寄せがきてる人である。
ミコトの世界では時永やイヌカイにとって、微笑ましい後輩キャラのような立ち位置。
ごっこ遊びのような学園生活ではあれど、結局なんだかんだ両方にノリノリで可愛がられているのでは……
イツキからは存在がまず認識されにくいらしいが、今後会話はあるのか?
実は別サイトで連載中の××前日譚の主人公。本編完結した後ぐらいに「小説家になろう」でも連載開始する予定なのでしばしお待ちを……
・ユータロー
イツキの中学時代からの友人。基本ノリで動く人間。
彼からはイツキを名字で呼ぶが、イツキからは名前呼び……というのは特に深い意味があるわけでなく、単にありきたりな名字すぎて周囲との被りが激しいので、下の名前で呼ばれているだけという設定。
・鶴岡先生
イツキ失踪時の彼の担任。
橘の台詞に「何用ですかねあの昼行灯」とあるように、ぽややんとした印象ながら食えない狸のような性格。
誰に対しても普通に人懐っこく絡んでいく人間らしく、交友関係が広い。
時永ともイヌカイとも普通にフレンドリーに絡んでいたようではあるが、時永に近づこうとするイヌカイに「止めといたほうがいい」と冗談交じりに忠告しているところを見るに、ひょっとすると、一歩間違えたら被害に遭っていたのはこの人だったかもしれない。
・武田
バスケ部、高等部女子チームのPG。
PGはざっくり言うと、チームの司令塔役が担うことの多いポジション。実はイヌカイも元々学生時代はPGでプレイしていたという裏設定があるので、彼女を見るときはちょっと自分に重ねているところがあるのかもしれない。
・イヌカイの親友(タコ好きの佐田くん)
第2部ではラジオパーソナリティとしてフライング登場していた男性声優、もしくはナレーター。
イツキにとってのユータローのような存在だが、ミコトの世界にもちゃんといる模様。
しかし何やら不穏な雰囲気が……?
【登場人物(神界)】
・メティス
「神界」に住むお助け女神。
基本は声のみでのバックアップだが、現在はイヌカイたちに手出しができない状態。
神界に住まう「神」の特性上勘が異常に鋭かったり、特殊能力が何でもありレベルに使えたりと普通の人間に対しては敵なしなのだが、イレギュラーと呼ばれる「魂の欠片が大きい人間」の意思の力や妨害行為に突発的にぶち当たった場合、途端に弱くなる性質を持つ。
今回第3部「15.神々の幕間・後」にて、ミコトの母親と同じ魂の持ち主(影)だということが発覚した。
・パン屋
神界に住むちょっと風変わりな印象の中年。石造り区画でパン屋を営むが、扱っているパンが7割方とんでもない色をしている。
物事をあまり深く考えずに直感で判断する性格で、その裏には彼なりのドラマとプライドが……。今では地図のどこにも見当たらない、「山裾の村」出身。
「見たいものを見られる、そんな道を選びなよ」――イツキにとってはその後の標になる、かなり重要な言葉を残した。
・アリスとタイオス
身長135cm程度。
クロノス側からの刺客である殺し屋……のちっちゃい双子。
当人たちの認識では13歳程度だが元々は「イレギュラー」であることを理由に捨てられた捨て子のようで、環境が悪いのか体格も小さく、発言はかなり幼い。
アリスは「弟の為なら嘘八百」のビッグマウスで、素早い刃物さばきが特徴。
タイオスは「姉に依存しつつ劣等感丸出し」の性格で、発動は遅いが地面系の能力に長ける。
どちらも強がりだけは一人前の子供なチンピラ。
クロノスの指揮している暗殺集団に所属しており、アリスもタイオスも濃い灰色の装束をまとっている。
……かつて山裾の村を焼き払った「灰色の服」は、国側の人間ではなく、クロノスの子飼い……つまり同集団の人間と推測される。
今回第3部の「14.神々の幕間・前」をみていると、神様の天敵であるはずのイレギュラーな双子がクロノスに付き従っている理由ってどう考えても恐怖政治のせいだよね?
・クロノス
「神界」に住む神。メティスとは旧知の仲だがどういう事情か敵対中。
神としての「力の強さ」だけならメティスを上回るが、中身は反抗期丸出しの子ども。
声の雰囲気も声変わりしたかしてないかの微妙な感じだが、どうもその割に長いこと生きているらしく以前は「暇つぶしの遊び」でコンセンテ国を乗っ取ったりしていたようで、国内の情勢は25年ほど前まで荒れに荒れていた。「山裾の村」の炎上もその一環か。
どうも時永がああなった元凶であるらしいが……?
【劇中用語】
・神界
地球と「夢」で奇妙なつながりのあるもう一つの世界。
リムトーキという「思いを実現する能力」を扱える人間が多く、文化的な活動もそれに依存している。
能力をどういうふうに使えるかは人によりさまざまで、メティスやクロノスのように別の世界から人を持ってくるようなスケールの人間もいれば、ぼこっと地割れを起こすレベルの人間もいるのだが、何事もバランスが重要。
特に「人よりたくさんのリムトーキを持っている」人間の中でも「自らの思い通りに扱える者」は神と呼ばれ重要視される傾向があり、逆に「人よりたくさんのリムトーキを持っている」けれども、「思い通りに扱えず混乱を巻き起こす者」「地球の夢を見ない者」という追加条件を満たす人間はイレギュラーと呼ばれ蔑まれる。
交通機関が発達しておらず、基本的な移動手段は徒歩と馬車。
また住人の傾向として「好奇心があまりなく、手近なもので満足しがち(※メティス曰く、ガッツがない)」という性質を持つためか、今回劇中で舞台となるのは一つの大きな大陸のみで、大陸内の住人は海の向こうに何があるかも知らないしほぼ興味もない。ある意味では飛行機や大船のまだなかった時代の地球と様相が近いかもしれない。
大陸内の地理は結構単純。中心部北から南の方にかけてプレートのぶつかる山脈があり(エベレストとかと同じ)、その更に南には大きな湖があるというのが大きな特徴で、山脈地帯から西側の土地をモーラ国、東側をコンセンテ国、湖よりも南側をゲィプト国というように3つの国が統治している。
・リムトーキ
思いを実現する能力。いわゆる「運の良さ」や「言霊」を概念化したもの。
ゲーム的にいうとMPであり、人により持っている能力値は違うが、「全く持っていない人間」は地球含めどこにもいない。
生物なら誰しも持っている「生存本能」が形を変えたものであり、言葉として「形」をハッキリさせることで強固なものになる性質を持つ。それを利用して発展してきたのが神界の人々。
・コターボ(呪文)
神界で少し古い時代に使われていた言葉、もしくは暗号の一種。
耳で聞いただけでは単語の意味が想起しづらい為、大陸内のごく一部で軍内の機密事項を口にする際に使用されていたものが大陸全土に広まったと考えられている。その名残なのかいまだに王族や貴族は会話レベルに習うこともあるが、逆に一般庶民は扱える人間が非常に少ない。
(歴史オタクが戯れで身に着けていることもないわけではないが)
基本的には大陸中に話者の多い「日本語」をベースにしており、発音をローマ字レベルに分解して入れ替え、元の単語が思い浮かびづらい組み合わせにして発音しているようだ。
口にしやすいことを第一に考えられている為、長音は「a,i,u,e,o」の母音が連続したときの他にも割とでたらめなところに入ったりする。
現在では「あまり口にしないもの」なのでリムトーキを能力として形にする際の呪文詠唱にも使われており、そちらの方なら庶民でもよく耳にするし使う機会がある、といった感じ。
(例えば日本語や無詠唱でも理論上能力の発動はできるのだが、イメージを固めるためのスイッチとして言葉を使うと楽なので、大概の人間はコターボでの詠唱が入る。更に日本語、英語等の一般言語で発動することに慣れてしまうと今度は日常会話で誤爆する可能性があり、まったく推奨されていない。
……それでも子どもの間では中二病的な発想で「日本語詠唱」がカッコいいとされる時期が何故かあるらしく、結構な確率と頻度で家がすっ飛んだり学び舎が倒壊したりしている。頑張れ神界の教育機関……)
・プロセスコード
心、魂の構造を言い表す詩のようなもの。
これをクロノスに知られるということは「泥棒に見取り図を渡すようなもの(※メティス曰く)」、もしくは「パソコンのパスワードを教えるようなもの(※時永曰く)」らしい。
基本的には人間一人一人が無意識に抱いているもの、指標にしている出来事を言語化したものなので当人が自覚していることは少ないが、自覚して口から出すととんでもない効果を発揮することがある……かもしれない。
・「夢」
地球と神界をつなぐ不思議な現象。
神界の人々はほぼ毎晩、地球の事象を夢に見る。それも誰か特定の一人の目線で。その目線の主を「影」と呼ぶ。
神界人はこの「夢」を利用し文明を発展させてきたため、たとえば料理人がレシピを夢から丸パクリして持ち帰ったが末に「地球のものとほぼ同じ料理が食べられた」り、言語は日本語のそれだったりする。自力で発展なんてしてたら疲れてしょうがないのだ。




