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--.舞台・登場人物の設定*第6部まとめ



【登場人物】



時永(ときなが)ミコト


 聖山学園高等部1年3組。16歳。

 身長156cmのやや細身。


 長いポニーテールのような髪型が特徴の少女。

 基本的には大人しい性格で、学校でも友人を作らず本を読んでいるか、他人の世間話に人知れず耳をそばだててふんふんと興味深く頷いているタイプ。


 実はごく普通の女の子に見えて、思い描いた物事を現実化させる「リムトーキ」の力が一般より強く、エネルギー保有量は軽く神界の神様以上。

 その力をありったけ使い、地球によく似た異なる世界「全てをやり直した理想郷」を作り、その中で現実逃避をしていた。




時永(ときなが) (まこと) (主人格/善)


 聖山学園特別教科「説話研究学」講師。

 精神年齢27歳 (※肉体年齢はミコトの想像力の限界で42歳)

 身長179cm。


 痩せ型と童顔、眼鏡が特徴のニッコリふわふわ系イケメン。


  ・他者に対する愛着

  ・家族に対する愛情

  ・自己嫌悪(自身に対する静かな怒り)


 が核となって成立している。

 感受性豊かで涙脆く、他者に対して面倒見のいい性格。

 人格剥離の影響で『怒り』という感覚がほぼ失われており、自身に対しては猛烈な「怒り(自責の念)を感じるものの、自己から他者に対して/他者から自己への怒りを巧く知覚できないせいで一見、ズレた振る舞いをしているようにみえる。


 が、イヌカイやイツキに対しては「そういうものがあるはずだ」と仮定して動いていたため、ちゃんと心の交流ができていた様子。

 (ピンとこないことはあったにしても!)


 過去編序盤の時永くんから「クロノスに合わせて成長」をした第1部登場の別人格とは逆に「ミコトの母=美郷に合わせて成長」したような存在。

 恋愛感情や気遣い、優しさを持ち合わせているのはその為だが――その愛情や恋心は、紛れもなく本物。


 人格や意識を司る『魂』が文字通り一部砕けたのが人格が分離した原因。

 なのでばらばらのそれらを繋ぎ合わせて、無理やり稼働しているのが「ミコトの世界」でのお父さん時永であり、同時にその世界を創り出す土台、原型、もしくは基盤になっていたのが彼だったりする。


 ――日記を持ち歩いていたのは、いつか出会えるかもしれない彼女に「みたよ」という為。ただそれだけ。




・イツキ(植苗(うえなえ)イツキ)


 精神年齢18歳。元人間の木の妖精。

 体長推定240cm(※上に枝を伸ばした状態がデフォルトの為。頭までの計測だと156cm程度と以前の155cmとさほど変わらない)


 →第2部「3.冒険の序章は目の前に」からは155cm、人型。左手首にベルトを巻いている。


 13年前、時永に騙されて人間辞める羽目になった人物その1。

 元々年齢の割にはガキっぽく、好きなものには「好き!」嫌なものは「嫌!」とハッキリ口にするような性格。

 その後、第2部でよくしてもらったパン屋。

 それから第3部〜4部での時永、橘、谷川、佐田と複雑な交流や出会いが続き、気づけばかなり成長。


 面倒見がいいのは昔からでも、そこに+して冷静な分析や落ち着いた言動が増えてきて、ちょっとだけ大人になったような……(気もする)?


 また左腕が変化する「植物のつる」も、イツキの度胸や発想次第で多彩なバリエーションを発揮するように。

 佐田相手につるが盾になったり、ミコト相手に盗聴器になったり、谷川相手に水を吸う巨大スポンジになったり。

 ……ん?

 もしや地味に見えて、イツキの能力が一番万能なのでは……




・イヌカイ(犬飼(いぬかい) (はじめ)


 精神年齢28歳。元人間の人狼。

 体長推定275cm以上3m未満(ちゃんとはかってないので目測)


 →第2部「3.冒険の序章は目の前に」からは181cm、人型。首にチョーカー風のベルトを巻いている。


 13年前、時永に騙されて人間辞める羽目になった人物その2。

 基本はちゃらんぽらんでギャグテイスト、ちょっぴりふざけた印象の雰囲気をかもしだすが……実はそれはイツキに対する「気ぃ抜いていこうぜ」のポーズ。


 体を張りがちな頑張り屋というよりは、自らが関わったものに対する責任感とプライドが桁違いなだけのちゃんとした大人。


 今回地味にミコトから塩対応されているが、「まあそんなもんだろ」と苦笑いしており、全く怒っていないところに懐の広さが見え……


 …………みえ


 ……。


 ――いや違うな。

 これ、ミコトの能力に巻き込まれてない!?

 (※「怒られたくない」とは絶対に思われている)




時永(ときなが) (まこと) (別人格/悪)


 聖山学園特別教科「説話研究学」講師。

 29歳(第1部の1話~4話)→41歳(第1部の6話以降)→??

 身長179cm。


 痩せ型と童顔、眼鏡が特徴の一見爽やかなイケメン先生。


  ・他者に対する警戒心と拒絶反応

  ・同族嫌悪

  ・自己愛(自身に対してのみ。愛されているとは思わない)


 が中心になって成立した別人格。

 今回は回想のみの登場。

 短気で臆病かつ、他者からの愛情に飢えており、その自覚もちゃんとあるのだが――元々が『他人に対する拒絶反応』を軸に成立している為、愛や友情、執着を自分に向けられているものだと認識することができない。


 (チヤホヤされるのは好きだが、距離感が縮まると拒否反応で攻撃的な発想と発言が出るのはその為)


 元々は主人格が心の奥底にしまいこんだ悪い感情や記憶、トラウマがベースになっており、断片化していたそれらをクロノスが集め、一纏めの人格として過去編の裏で形成されていった。


 クロノスから課されていた役割は【主人格によって生まれたミコトの『養育/飼育』】。


 他人に恐怖心と嫌悪感しか覚えない当人はその事実を断固として拒絶。クロノスの存在を忘れたせいで、グレイブフィールを扱えるようになったキッカケも断片的にしか覚えていない。……()()……。


 それでも別人格はクロノスの支配下から逃れることはできず、ミコトに謎の執着を見せている。――彼はそれを、「愛情の名残」だとはまったく自覚できないままに。




【登場人物(理想郷)】



(たちばな)


 ミコトの担任 兼 イツキの元同級生。

 身長164cm。担当教科は本来、現代国語。


 「委員長気質(イツキ談)」、「負けず嫌い(時永に似ている?)」、「自分がやらなきゃ誰がやる(イヌカイそっくり)」という、頼まれたら断れない性質3拍子のせいで現実世界の地球では時永失踪後の説話研究学をカバーしたり(※特殊な授業なので教員免許が要らない)、球技が嫌いなのにバスケ部の顧問をしたり。ともかくいろんなことをしているらしい。


 ……よくよく考えてみたら時永の大暴れで一番しわ寄せがきてる人である。


 ミコトの世界では時永やイヌカイにとって、微笑ましい後輩キャラのような立ち位置。そしてイツキにとっては――ライバルの一人だった人。今となっては感謝と祝福を向ける、尊敬すべき同年代。




・ユータロー


 イツキの友人、バスケ部所属。

 基本ノリで動く人間。

 彼からはイツキを名字で呼ぶが、イツキからは名前呼び……というのは特に深い意味があるわけでなく、単にありきたりな名字すぎて周囲との被りが激しいので、下の名前で呼ばれているだけという設定。たぶんミコトに襲いかかった中にいた。




上硲(かみさこ)


 イツキのクラスメイトの女子。

 ミカン同好会所属でミカン色のネイルをしている。ミコトに襲いかかって橘にやられた。

 が、裏設定として――実は生徒時代の橘としてみれば、かなり絡みの多い女子である。クラスメイトだしね本来。




・ハーフアップの生徒会長


 イツキの世代にいた生徒会長。時永の犠牲者の一人でグレイブフィールの体を構成していた一人。

 時永(善)へどういう感情を向けていたかは不明。ミコトに始めに襲いかかった。




谷川(たにがわ) ユキ


 男遊びが激しくノリが軽い女性。過去にイツキの祖父が経営するラーメン屋『アオギリ』でバイトしていた経験もあり、イツキとは元々知り合い。

 高校時代は一つ下の後輩だったイヌカイと付き合っていた上、大学時代に時永とは友人だった。


 (※詳しくは『青春ロスト』と『過去編』参照)


 作中では掴みどころのない言動やしれっとした単独行動で佐田やイヌカイ等、周りを振り回していたが、内心ではクロノス側が有利になりすぎないよう、バランスを取っているつもりだったようだ。

 実際、最終的にミコトがあの世界から離脱するキッカケを作ったのは彼女だったりする。


 この世界の谷川にとって、イヌカイは未だに【大切な人】という認識。

 彼が時永と手を組んだ時点で、クロノスに協力するフリをしつつミコトをこの世界から切り離し、イツキたちに返す覚悟はできていたようだ。


 「憎まれてもいい、嫌われても構わない。ただ『貴方』の望む未来が欲しい」――それが谷川の恋のかたちだし、愛のかたち。


 ――きっと「イツキ」が家族を見捨てた罪悪感を引きずるのは、貴方が望まない。

 「ミコト」がクロノスにいいように使われるのも貴方が望まないし、かつての親友が必要以上に苦悩するのも望まないだろう。

 だから秀ちゃんにメンタル的なフォローはする。だからクロノスの懐に入る。単独行動と時間稼ぎをして、ミコトちゃんを傷つける。植苗家を襲撃し、悪役としてのヘイトを溜めて、悪いものを全部持っていく。


 ……そうして事態を引っかき回してやるのだ。貴方が最後に笑えるように!




佐田(さだ) 秀彦(ひでひこ)


 谷川の高校時代の後輩+イヌカイの高校時代の親友。

 「明るくふざけたお調子者」を演じているが、実際の中身は自信を一切持てたことのない努力家。そのため誰よりも真面目に周囲を観察しており、少し神経質だが人当たりはいい。


 一度懐に入れたもの・気に入った何かに対する拘りは人一倍強く、『自分より下の弱者と敗者』を気にかけつつも、強者の誇りと意志を持って勝ち続けてきた泥臭い男。


 「たとえ誰であろうと容赦したくない。……『しない』ではなく、『したくない』としか言えない」――それが佐田の強さのかたちだし、弱さのかたち。


 ――今まで打ち負かしてきた人々に失礼だからこそ、正々堂々と勝負に出る。負けたものを笑うな。至れなかったものを馬鹿にするな。そんな人間が上に立つくらいなら、自分がそこに立ってやる。

 人が積み上げてきたもの、努力の痕跡は、たとえそれが誰のものであれ――大事に守られるべきだ!


 ……そういうところが『青春ロスト」の津田部長と相容れなかったのだが。


 メティス曰く「計算したおバカ」。




【登場人物(神界)】



・メティス


 「神界」に住むお助け女神。

 基本は声のみでのバックアップで、現在はイヌカイたちに手出しができない状態。

 神界に住まう「神」の特性上勘が異常に鋭かったり、特殊能力が何でもありレベルに使えたりと普通の人間に対しては敵なし。

 だが、イレギュラーと呼ばれる「魂の欠片が大きい人間」の意思の力や妨害行為に突発的にぶち当たった場合、途端に弱くなる性質を持つ。


 神界における神様とは「思い込みや言葉の強さ」が知覚した空間内に強く作用する性質を持っているため、能力の使い方や暴走の如何によっては「生きた災害」と評されることも……。


 能力が暴走しがちなクロノスを幼少期から散々『反面教師』にしてきたせいで、彼女は「自分もいつかそうなるのでは」という恐怖感から厭世的な性格になり、屋外には殆ど出ないようになっているのだが……


 ……ん? もしかして今回、お外(ミコトの世界)にちゃんと足を運んでる?




・クロノス


 「神界」に住む神。メティスとは旧知の仲だがどういう事情か敵対中。

 神としての「力の強さ」だけならメティスを上回るが、中身は反抗期丸出しの子ども。

 声の雰囲気も声変わりしたかしてないかの微妙な感じだが、どうもその割に長いこと生きているらしい。


 『人間というすぐ死ぬ生き物』を頑なに見下すことで、不安定な精神のバランスをとっているらしく、時永がああなる原因を作った張本人。つまり今のところのラスボス。




【劇中用語】



・神界


 地球と「夢」で奇妙なつながりのあるもう一つの世界。

 リムトーキという「思いを実現する能力」を扱える人間が多く、文化的な活動もそれに依存している。


 能力をどういうふうに使えるかは人によりさまざまで、メティスやクロノスのように別の世界から人を持ってくるようなスケールの人間もいれば、ぼこっと地割れを起こすレベルの人間もいるのだが、何事もバランスが重要。


 特に「人よりたくさんのリムトーキを持っている」人間の中でも「自らの思い通りに扱える者」+「それでいて地球の夢を見る者」は神と呼ばれて畏れ敬われたり。

 逆に「人よりたくさんのリムトーキを持っている」けれども、「思い通りに扱えず混乱を巻き起こす者」+「地球の夢を見ない者」という追加条件を満たす人間はイレギュラーと呼ばれ蔑まれる。


 交通機関が発達しておらず、基本的な移動手段は徒歩と馬車。

 また住人の傾向として「好奇心があまりなく、手近なもので満足しがち(※メティス曰く、ガッツがない)」という性質を持つためか、今回劇中で舞台となるのは一つの大きな大陸のみで、大陸内の住人は海の向こうに何があるかも知らないしほぼ興味もない。ある意味では飛行機や大船のまだなかった時代の地球と様相が近いかもしれない。



・リムトーキ


 思いを実現する能力。いわゆる「運の良さ」や「言霊」を概念化したもの。

 ゲーム的にいうとMPであり、人により持っている能力値は違うが、「全く持っていない人間」は地球含めどこにもいない。

 生物なら誰しも持っている「生存本能」が形を変えたものであり、言葉として「形」をハッキリさせることで強固なものになる性質を持つ。それを利用して発展してきたのが神界の人々。


 ミコトはこれがカンストしているため、理想の世界を創ることができた。ちなみにイツキもイヌカイも時永もミコトほどではないが「事実を捻じ曲げる」「佐田の利き腕を不能にする」等の使い方ができた理由は、【ミコトの世界出身の人間】は外の世界と比べて持っているリムトーキが少ないため。バランス的に【外の人間】の思い込みや運が強く出るのだ。




・ゴーレム

 岩石、鉱石やガラス片が集まってできたような謎の生物(?)。無機質な印象で独特な音、もしくは声を発する。


 その正体は時永が自分に対するイメージとして持っていた【全てを破壊する化け物】といった負の概念。


 時永の罪悪感の数だけポコポコ無尽蔵に増えるそれに目をつけたミコトがなぜか個別に命を与え、「立ち入ってほしくない領域」を守らせたり、行き場のないストレスを発散させる私兵として有効利用。

 そしてその破壊力を見ていたクロノスがシステムの一部を掠め取る、といった調子で実質雑魚エネミー化。




・プロセスコード


 心、魂の構造を言い表す詩のようなもの。

 これをクロノスに知られるということは「泥棒に見取り図を渡すようなもの(※メティス曰く)」、もしくは「パソコンのパスワードを教えるようなもの(※時永曰く)」らしい。

 基本的には人間一人一人が無意識に抱いているもの、指標にしている出来事を言語化したものなので当人が自覚していることは少ないが、自覚して口から出すととんでもない効果を発揮することがある……かもしれない。




・「夢」


 地球と神界をつなぐ不思議な現象。

 神界の人々はほぼ毎晩、地球の事象を夢に見る。それも誰か特定の一人の目線で。その目線の主を「影」と呼ぶ。


 神界人はこの「夢」を利用し文明を発展させてきたため、たとえば料理人がレシピを夢から丸パクリして持ち帰ったが末に「地球のものとほぼ同じ料理が食べられた」り、言語は日本語のそれだったりする。自力で発展なんてしてたら疲れてしょうがないのだ。


 ――過去編の美郷の目線だとこの現象とはどうやら逆のことが起こっている様子。


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