--.舞台・登場人物の設定*第1部まとめ
※前回までで第1部が終了したのでここまでの「まとめ」として、登場人物の現在のプロフィールと補足説明をつくってみました。
当然のように第1部までのネタバレがありますのでご注意ください。
【登場人物】
・時永ミコト
聖山学園中等部3年3組。15歳。
身長156cmのやや細身。
外見としては長いポニーテールのような髪型が特徴の少女。
基本的には自己主張のあまりない性格で、学校でもあまり固定の友人を作らず大概本を読んでいるか、他人の世間話に人知れず耳をそばだててふんふんと興味深く頷いているタイプ(でも輪には入らない)。
大概上のような調子であるせいでもあると思うが、父親とは違って人間嫌いなわけではなくむしろ人間観察等は好き。
だがそれでも外部の人間と表面的な付き合いしかしていない理由は、おそらくイツキとイヌカイで充分満足しているからだろう。逆に言うと強烈な「依存状態」なのだとも言える。
また、父譲りなのか一度キレるとブレーキが効かなくなりそうな面も。
・イツキ
精神年齢18歳。元人間の木の妖精。
体長推定240cm(※上に枝を伸ばした状態がデフォルトの為。頭までの計測だと156cm程度と以前の155cmとさほど変わらない)
12年前、時永に騙されて人間辞める羽目になった人物その1。
元々年齢の割にはガキっぽく好きなものには「好き!」嫌なものは「嫌!」とハッキリしている性格だったが、この姿になって以降輪をかけて嫌いなものに対しては敬遠通り越してドライに。……その結果、元々時永先生大好きっこだったのが「時永? 死ねばいいんじゃない?」……ぐらいのことは普通に言えてしまうほどのクールっぷりになってしまった少年。
姿が現在のものに変わって以降、顔つきの成長すら全くしなくなっている為に色々な意味で荒れたり塞ぎ込んでおり、ノリが若干ネガティブ&ナイーブ。
また、体にしなやかさがないせいで無理やり動かすと折れそうになるらしく、一歩も足を動かせないどころか立ったり座ったりもNG。目線を動かすこともあまりできない。……そんな生活を12年間も続けているフラストレーションたるや、相当なものだろう。
割と子供好きであり、妹がいたらしくいいお兄ちゃんだった様子がミコト相手の対応からも伺える。
・イヌカイ
精神年齢28歳。元人間の人狼。
体長推定275cm以上3m未満(ちゃんとはかってないので目測)
12年前、時永に騙されて人間辞める羽目になった人物その2。
基本はちゃらんぽらんでギャグテイスト、ちょっぴりふざけた印象の雰囲気をかもしだすが……実はそれはネガティブになりがちな相棒・イツキに対する「気ぃ抜いていこうぜ」のポーズ。実際中身はどシリアスだったりするので侮ってはいけない。
イツキ同様に見た目を気にしており、狼男になってしまった自分への何とも言い難いコンプレックスやら、外に出れない出たくないというストレスやらで自分も割とギリギリなのだが(というか平気なわけがない)、イツキの精神面が不安定なことを誰よりも気遣っている以上、自分がしっかりしなければと思っている。
体を張りがちな頑張り屋というよりは、自らが関わったものに対する責任感とプライドが高いのかも。
……ちなみに下の名前だが、読み仮名は「ゲン」でも「モト」でもなく「ハジメ」だったりする。
・時永 誠
聖山学園特別教科「説話研究学」講師。
29歳(1話~4話)→41歳(6話以降)。身長179cm。
ミコトの唯一の肉親(父)。
痩せ型と童顔、眼鏡が特徴の一見爽やかなイケメン先生。だが本当はかなり裏表の激しい性格をしている。
極度の人間嫌いにも関わらず「他人に認められたい」自己顕示欲や承認欲求が異常に強いという難儀な性格をしており、自分以外の人間全てを見下すため逆に「誰からも認められる完璧な人間」を演じ誰より優位に立ちたいと考えている節がある。
なのでミコトにそもそも全否定された際には精神的に追い詰められて爆発した。
どうやら彼にとって人間は「とても汚い」生き物であるらしく、「人間嫌い」が強すぎて人間のいない世界を実現しようとしたようなのだが……
・馬越 慎治
時永の共犯者として12年以上の月日を生きてきた使用人。
53歳(1話~4話)→65歳(6話以降)。
身長168cmの若干小太り。
気が弱そうで臆病、物腰が柔らかく少し表情が硬い。そんな印象の男性。
実はイツキとイヌカイがやってくるよりもずっと前、時永邸で14年前に起きた「ある事件」がきっかけでむりやり時永に仕える羽目になったという過去がある。
どうもそれ以後、時永に脅されて働かされていたらしいのだが……実は数年前から、脅しに使われていた「ダシ」がまったく機能していない。
つまりもう「彼のもと」で働く意味もまったくなかったという話。
……自らが付き従っている時永の存在が既に狂人のそれであり、「間違っている」のはもう最初から分かっている。自分が悪いことに加担しているのも知っている。
だからイヌカイやイツキに罪悪感を感じなかった日はない。実際許してもらえるなどとは考えていなかった。
(が、実はそういう態度が逆に2人を安心させていたり。比較対象が時永な分、まともな反応をする方への当たりはだんだん弱くなるし、そもそも馬越の性格が柔らかいのは接していればすぐに分かる。)
……それでも彼は暫く時永の隣にいた。いる意味もないのに、そこにいた。
それは何故だったのか?
そしてあの人間嫌いのはずの時永にまで「裏切った」と思わせたのは……不完全ながらではあるものの、心の交流を持っていたのは、何故だったのか。
……それはまた、きっと後のお話で。
・グレイブフィール
大きさは4m~5m四方。高さは3m半ぐらい?
ぼこぼこした肉の塊のような1頭身の側面、左右に4対と後頭部(尻?)から1本、計9本のミミズや吸盤のないタコのようなにゅるっとした気持ち悪い触手といった見た目のモンスター。
……その体は人間の肉が再構成されて出来ている。
【※以下殆ど裏設定】
地球を含む宇宙、つまり世界そのものが水に浮かんだ「あぶく」のような存在だとしたら、あぶくの内側でなく外側表面に張り付くように生活している、地球内生物とは起源の異なる不定形生物……というのがグレイブフィールの元々の姿。
元々が不定形な上に視認がしづらい(光をそのまま通す)、触った境目もあやふやな類の流体・気体に近い生き物だったようなのだが、どうやら「食ったものの性質や概念を自らに取り込んで成長・変化する生物」であるようで、地球のようなしっかりとした物質がメインで構成されている世界の生き物(それも人間)を食らったことで体がゆっくりと変化。
「触れる固体として肉がある」、「光を通さず目に見える」「循環器が備わり血が通う」「触覚を理解する(触腕が生えているのはこの為)」という一代での進化を遂げた。
実は成長するとある程度の知性を習得する種であるらしく、劇中で馬越が呪文のように詠唱していたのは彼らの「群れ」の長とやりとりする為の言葉だったりする。
内容はローマ字を並べ替えると読めるので暇な人は解読してみてください。
ただグレイブフィール自体はあれで幼生であり、実質的には赤子の類い。登場シーンの思考ルーチンも「言葉を習得する直前の赤ちゃん」というか、台詞はありませんが「ちゃんと痛いことされたら反応する女の子」のイメージで書いていたりします。
……そう、どっちかというと「メス」です。あの子ああ見えて。(滝汗)
なぜかというと簡単な話で、「失敗作」を食らって出来ているグレイブフィールの体は構成の男女比が結構偏っていて、女性が多いんです。
イツキやイヌカイの前にも「誰か」が多数いたというシーンがなろう版で追加されましたが、人をさらって改造するという目的のある時永からみれば、本来体格的に小柄な女の子のほうが確かに都合がいいんですよね。何かトラブルがあった際にパワーがなくて押さえつけやすいのは女の子の方なので。
だから当初は女の子を主体に狙っていたと考えられます。
何よりイツキのあの「ドリュアス」のポジション。あれ、モチーフ元のギリシャに伝わる木の精霊は大概女の子なんですよ。
イメージ通りにするなら女の子にこだわってたはずなんですが、恐らく途中からこだわってる場合でもないと思ってイツキみたいな男の子にも範囲を広げた。そういう話なんじゃないかなぁ、と。
【舞台】
・聖山学園
都内西部にある中高一貫の私立校。
……裏設定というかただの作者脳内イメージなのですが、校章のデザインも含めたスクールカラーが「赤」。その他制服も黒や紺でなく少し珍しい赤系。
(例えるなら朱殷や赤銅色が近いだろうか)
その為、他校の生徒と混じってもよく目立つ。
国・数・理・社・英等の通常授業は勿論のこと、他校では見られない「特別教科」を売りにしている。その中身は進学後に大学でやるような講義内容を中高生向けにかみ砕いたようものが多い為、進学先を選ぶ参考やきっかけにはなると保護者受けはとてもいいようだ。
特別教科の例をいくつか挙げると
・「説話研究学」(世界各地の神話や昔話を取り上げ、バックボーンの成り立ちや意味を読み解く)
・「心理学」(日常生活の『あるあるネタ』を題材として、それにどんな心の動きが付随するのか、なぜそうなるのかの意味を考える)等。
特に「説話研究学」の授業は人気が高く、人気の理由は勿論、テレビにまで活動領域を広げて天狗になっている時永。
学園側も入学者数が増えてちょっとウマいと思っているのか、ヘルプの先生をつけず時永に頼りっきりだった為に時永がいなくなった後、大慌てで人員を補填した。……現国の先生を無理やり。
……こんな感じですかね( ..)φ
勿論これ、第1部終了時点でのものなので少しずつ変わっていくと思われます。第2部の後も恐らく作るので、比較してもらえると面白いかもしれません。
06/01 … 今更ですがグレイブフィールを追加しました。
そうですね、忘れてたんです。加筆の原因、実はこの子を割合ちゃんと書こうとしたからこうなったんだけどねって。台詞らしい台詞はなくともちゃんとした「登場キャラクター」だよ……