--.舞台・登場人物の設定*第5部まとめ
【登場人物】
・時永 誠 (主人格/善)
聖山学園特別教科「説話研究学」講師。
肉体年齢42歳(精神的には27歳)
身長179cm。
痩せ型と童顔、眼鏡が特徴のニッコリふわふわ系イケメン。イツキやイヌカイを騙した時永(悪)とはほぼ別人だが、罪悪感はある。
穏やかで控えめ。それでも他者に対して面倒見のいい性格。
『怒り』という感覚がほぼ失われており、自身に対しては猛烈な「怒り(自責の念)を感じるものの、自己から他者に対して/他者から自己への怒りを巧く知覚できないせいで一見、ズレた振る舞いをしているようにみえる。
過去編で分岐した「クロノスに合わせて成長」をした結果の【時永(別人格/悪)】とは逆に「ミコトの母=美郷に合わせて成長」したような存在。
ミコトのことを大切に思っているが、関係性を育ててきたわけではなく親としての接し方が分からない上(自分に親と呼べるモデルケースがいなかったこともあり)、実は迷走しすぎて割とヘロヘロ。結局父ではなく、もっと広く家族として接している。
・イツキ(植苗イツキ)
精神年齢18歳。元人間の木の妖精。
体長推定240cm(※上に枝を伸ばした状態がデフォルトの為。頭までの計測だと156cm程度)
→第2部「3.冒険の序章は目の前に」からは155cm、人型。左手首にベルトを巻いている。
13年前、【時永(別人格/悪)】に騙されて人間辞める羽目になった人物その1。
年齢の割にはガキっぽく、好きなものには「好き!」嫌なものは「嫌!」とハッキリ口にするような性格。だがその反面注意深く、空気は読むし考え込みもする一面も。
歳の離れた妹、楽観的な父に仕事好きな母。父方母方の祖父母と家でのことをたくさん覚えていたようで、この世界でも家族にしっかり囲まれているが――イツキ曰く、それが『本当にそうだったか』はよく分からないとのこと。
ただししっかりと懐かしいのは事実。
・イヌカイ(犬飼 元)
精神年齢28歳。元人間の人狼。
体長推定275cm以上3m未満(ちゃんとはかってないので目測)
→「3.冒険の序章は目の前に」からは181cm、人型。首にチョーカー風のベルトを巻いている。
13年前、【時永(別人格/悪)】に騙されて人間辞める羽目になった人物その2。
基本はちゃらんぽらんでギャグテイスト、ちょっぴりふざけた印象の雰囲気をかもしだすが……それはイツキに対する「気ぃ抜いていこうぜ」のポーズ。
天然の入った【時永(主人格/善)】に振り回されがちだが、それがただの天然ではないことに、うっすら気づき始めた。
【登場人物(理想郷)】
・谷川 ユキ
基本的には「男遊びが激しくノリが軽い」女性。過去にイツキの祖父が経営するラーメン屋でバイトしていた経験もあり、イツキとは古い知り合い。
高校時代は一つ下の後輩だったイヌカイと付き合っていた上、大学時代に時永とは友人だったという経緯もあり、3人ともその人となりは何となく理解している。
(※詳しくは『青春ロスト』と『過去編』参照)
大胆かつ飄々とした性格をしており、今回はミコトにまさかのダイレクトアタック。が、逆にミコトを気遣うような言動も見せていたりする。目的は何だ……?
・佐田 秀彦
谷川の高校時代の後輩+イヌカイの高校時代の親友。
「明るくふざけたお調子者」を演じているが、実際の中身は自信を一切持てたことがなく、手を抜くのが苦手な努力家という二面性を持つ。更にいえばかなりの頑固者で、自らの保護下に入った人間の面倒は最後まで見ようとするタイプ。
谷川と違い、イツキとだけあまり表立った繋がりがない。が、イヌカイの影響があるらしく、あまり憎めないような感覚はおぼえているようだ。
・リコ
佐田の劇団にやってきたばかりの新人女優。普段はティーンのモデルをしており、演劇には元々興味がなかったものの、所属事務所の勧めでキャスト募集のオーディションを受け、たまたま佐田の目に止まる……という経歴。
なんだかんだ演劇にハマったようで、佐田にとってはそれが唯一の心の拠り所。
――そうして彼には、負けられない理由ができた。
・時永ミコト
聖山学園高等部1年3組。16歳。
身長156cmのやや細身。
長いポニーテールのような髪型が特徴の少女。
基本的には大人しい性格で、学校でも友人を作らず本を読んでいるか、他人の世間話に人知れず耳をそばだててふんふんと興味深く頷いているタイプ。
実はごく普通の女の子に見えて、思い描いた物事を現実化させる「リムトーキ」の力が一般より強く、エネルギー保有量は軽く神界の神様以上。
その力をありったけ使い、地球によく似た異なる世界「全てをやり直した理想郷」を作り、その中で現実逃避をしている。
【登場人物(神界)】
・メティス
「神界」に住むお助け女神。
基本は声のみでのバックアップで、現在はイヌカイたちに手出しができない状態。
神界に住まう「神」の特性上勘が異常に鋭かったり、特殊能力が何でもありレベルに使えたりと普通の人間に対しては敵なし。
だが、イレギュラーと呼ばれる「魂の欠片が大きい人間」の意思の力や妨害行為に突発的にぶち当たった場合、途端に弱くなる性質を持つ。
神界における神様とは「思い込みや言葉の強さ」が知覚した空間内に強く作用する性質を持っているため、能力の使い方や暴走の如何によっては「生きた災害」と評されることも……。
・クロノス
「神界」に住む神。メティスとは旧知の仲だがどういう事情か敵対中。
神としての「力の強さ」だけならメティスを上回るが、中身は反抗期丸出しの子ども。
声の雰囲気も声変わりしたかしてないかの微妙な感じだが、どうもその割に長いこと生きているらしい。
『人間というすぐ死ぬ生き物』を頑なに見下すことで、不安定な精神のバランスをとっているらしく、時永がああなる原因を作った張本人。
……そう。今のところのラスボス枠。
【劇中用語】
・神界
地球と「夢」で奇妙なつながりのあるもう一つの世界。
リムトーキという「思いを実現する能力」を扱える人間が多く、文化的な活動もそれに依存している。
能力をどういうふうに使えるかは人によりさまざまで、メティスやクロノスのように別の世界から人を持ってくるようなスケールの人間もいれば、ぼこっと地割れを起こすレベルの人間もいるのだが、何事もバランスが重要。
特に「人よりたくさんのリムトーキを持っている」人間の中でも「自らの思い通りに扱える者」+「それでいて地球の夢を見る者」は神と呼ばれて畏れ敬われたり。
逆に「人よりたくさんのリムトーキを持っている」けれども、「思い通りに扱えず混乱を巻き起こす者」+「地球の夢を見ない者」という追加条件を満たす人間はイレギュラーと呼ばれ蔑まれる。
交通機関が発達しておらず、基本的な移動手段は徒歩と馬車。
また住人の傾向として「好奇心があまりなく、手近なもので満足しがち(※メティス曰く、ガッツがない)」という性質を持つためか、今回劇中で舞台となるのは一つの大きな大陸のみで、大陸内の住人は海の向こうに何があるかも知らないしほぼ興味もない。ある意味では飛行機や大船のまだなかった時代の地球と様相が近いかもしれない。
・リムトーキ
思いを実現する能力。いわゆる「運の良さ」や「言霊」を概念化したもの。
ゲーム的にいうとMPであり、人により持っている能力値は違うが、「全く持っていない人間」は地球含めどこにもいない。
生物なら誰しも持っている「生存本能」が形を変えたものであり、言葉として「形」をハッキリさせることで強固なものになる性質を持つ。それを利用して発展してきたのが神界の人々。
ミコトはこれがカンストしているため、理想の世界を創ることができた。
・理想世界
暫定的な名称。ミコトの創ったもうひとつの地球。
優先順位としてはミコトの認識>イツキの記憶=イヌカイの記憶=時永の記憶を基に世界史、文化、環境が構築されており、不自然な箇所が一見分からない。
が、そもそもミコトが知っている現実の地球は西暦2033年なのに対してイツキ、イヌカイの知っている地球は2020年なので、その辺りの接合性がむちゃくちゃだったりするようだ。
現実世界と比較すると『ミコトの理想』が主軸となっており、
時永が『攻撃的な別人格』を持っていない
→時永が事件を起こしていない
→イツキ、イヌカイが巻き込まれていない
という想像上のベストな世界観がベース。
・ゴーレム
岩石、鉱石やガラス片が集まってできたような謎の生物(?)。無機質な印象で独特な音、もしくは声を発する。
その正体は時永が自分に対するイメージとして持っていた【全てを破壊する化け物】といった負の概念。
時永の罪悪感の数だけポコポコ無尽蔵に増えるそれに目をつけたミコトがなぜか個別に命を与え、「立ち入ってほしくない領域」を守らせたり、行き場のないストレスを発散させる私兵として有効利用。
そしてその破壊力を見ていたクロノスがシステムの一部を掠め取る、といった調子で実質雑魚エネミー化。
・プロセスコード
心、魂の構造を言い表す詩のようなもの。
これをクロノスに知られるということは「泥棒に見取り図を渡すようなもの(※メティス曰く)」、もしくは「パソコンのパスワードを教えるようなもの(※時永曰く)」らしい。
基本的には人間一人一人が無意識に抱いているもの、指標にしている出来事を言語化したものなので当人が自覚していることは少ないが、自覚して口から出すととんでもない効果を発揮することがある……かもしれない。
・「夢」
地球と神界をつなぐ不思議な現象。
神界の人々はほぼ毎晩、地球の事象を夢に見る。それも誰か特定の一人の目線で。その目線の主を自分の「影」と呼ぶ。
神界人はこの「夢」を利用し文明を発展させてきたため、たとえば料理人がレシピを夢から丸パクリして持ち帰ったが末に「地球のものとほぼ同じ料理が食べられた」り、言語は日本語のそれだったりする。自力で発展なんてしてたら疲れてしょうがないのだ。