表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/7

プロローグ1

「明後日は、お前の誕生日だな。今年は俺もみんなも時間がとれたからパーティーを開こうと思う。連絡がぎりぎりになってすまないが、結構忙しくてな、時間がとれるかどうかなかなか分からなかったんだ。とはいえやるからには盛大にやろうと思う。しっかりと準備しとくから、楽しみにしててくれ。あいつらも久しぶりにお前に会えるのを楽しみにしてるみたいで相当張り切ってたからな。昼までには来てくれな、せっかくのミカの料理が冷めてしまうからな。主役だからって遅れるなよ? 父とお前の家族より」

メールが表示されている端末をもう一度確認してからしまう。


 面倒なIDチェックとか許可証の確認がようやく終わり、僕が駅から出ると誕生日だというのに灰色の重たい空がずっしりとのしかかってきた。もう立秋だというのに、湿度も気温も高い。夏において行かれた暑さはどうやらまだここにいたいのか、じめじめと纏わり付いてくる。この都市に来てまず目に入るのは、空へ向かって聳え立っていっている虹色の建造物。「悠久の時を刻む(マジッククロック)」。それはこの世界で初めて使われた魔法が施された建造物。という事にされているが、実際は違うだろう。そんな大きな建造物にかける魔法を国がぶっつけ本番でやるなんてありえない。そうして5年前この国では魔法が公に発表された。そしてこの都市は「特別総合特殊研究都市」つまり最先端の魔法研究都市に指定された。それからこの都市は「魔法の始まり(アルケミナ)」と呼ばれている。今日は曇っているが、晴れている日は綺麗に光を反射するらしい。僕がこの街を出るときにはまだ時計塔すら見る影もなかったが、今ではその時計塔の周りには研究施設が所狭しと敷き詰められている、らしい。そこの入れるのは国から特殊な許可をもらっている国家研究員だけ。一部官僚など特殊なケースもあるが、相当なレアケースだそうだ。その区域は中央区域(セントラル)と呼ばれ国からレベル4の禁止区域に認定されている。レベル4は、国の資格や許可をもらっている人が入れる区域、ここの場合は要するに研究者だ。そもそもこの都市(まち)は全体がレベル3の禁止区域に指定されている。いまこの都市に入れている僕は、もちろん国からの許可、第三許可証(サードパス)を持っている。第三許可証(サードパス)はこの都市(まち)で働いている家族がいれば発行してもらえるからそんなに貴重ではない。それでも駅での検査とかが厳しい理由はもちろん「魔法」で、そんなわけでこの街に出入りする時には、厳重な検査を受けなければいけないのである。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ