オニンギョウ
また仕事終わりのサラリーマンですw
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「さ、帰ってビール飲もうかな」
最寄りの駅から15分の自宅までの帰路。
「今日は寄り道して帰ろうかな」
と思い、いつもなら通らない道を通る。
ふと見ると、街灯の下に何か黒い塊がある。近づくと、それは微かに上下していた。
「人だ…!早く救急車を……」
『イラナイ』
「え?」
『イラナイ』
その声はどうやら足元の人から発せられているらしい。
にしても、いらない、とは…?
「いらないって、どういうことですか?」
そう問うと、人はこちらに顔を向け、
『イラナイ』
そう繰り返した。
前髪の長い、少女…?
「と、とにかく救急車、呼びますよ!?」
ガチャッ
「あ、救急ですか?人が…………」
『イラナイ』
携帯から聞こえてくるその声に 、思わず携帯を落としてしまった。
「ひっ………………!」
『ダッテ、オニンギョウサン、イルカラ。』
「へ?」
見る限りは何も持っていないが、少女はそう言った。
『オニイサン、アソンデクレルンデショウ?』
その言葉を聞き終えると同時に、少女がこちらに飛びかかってき、俺は喉の辺りが熱くなるのを感じながら、視界が暗くなった。
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「昨日未明、○○駅の近くで、変死体が見つかりました。
死体は喉を食い千切られており、警察は肉食動物による事故とみて、捜査を…」