始まり始まり(2)
あの後他に来た者はなく、結局は影縫・幽々子・紫の三人で飲み続けた
影縫は周りと比べるとかなりの長寿だが体自体は他の人間と変わらない、そのため二人とは違いあまりガブガブ呑むことは出来ない
といっても影縫は人間の中でもかなり呑む部類に入りペースも調整したためあまり酔ってはいなかった
人間の倍以上飲める紫は飲み過ぎでベロンベロンになっていて幽々子に関しては酒はそっちのけで食べ物にがっついていたので全く酔ってなんていなかった
「Zzz」
「全く、いつもは冷静で尊敬すらするのに何で酒が入ると面倒になるんだか……」
「なんかいった?」
「お前はいい加減飯食ってるときには話を聞かない癖を無くせ、そしてはよ食え」
幽々子はそう言われてしぶしぶ炊き込みご飯をかき込む、それにしてもなぜ飲みの席で炊き込みご飯を頼む
「御馳走様でした♪」
「帰って良いか? 徹夜明けで寝たいんだ」
「その前に一つお仕事をしてもらえない?」
「……仕事といわれたら断れないな」
影縫の仕事はヤバい仕事以外は何でも受ける便利屋だ
「紫を一緒に連れて帰って貰えない?」
「わーたよ、じゃあな」
そう言って影縫は代金を払い紫をおぶって家路に向かった