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入学式後-2

帰る途中、涼ちゃんがそういえば、と話を切り出した。

どうしたのだろう?


「桜良、お前どうやって体育館前まできたんだ?俺たちでさえ案内されなきゃ分からなかった場所だぞ?」


あぁ、確かに。うちの学校は無駄に大きい。ぞろぞろと長い道を歩かされ、入学式の為に体育館へ行かされた。

私はどうして桜良が辿り着いたのか知ってたから聞いてなかったけれど。


「先輩にね、案内してもらったんだ」

「先輩?」


知らない振りして聞いてみる。


「うん、入学式の場所が分からなくて慌ててた時にそっちじゃないよってわざわざ体育館の近くまで連れて行ってくれたの」

「そう、じゃあちゃんとお礼を言わないと、お世話になったんだし」

「そうだね!」

「その前にその人の名前とか知ってんのか?流石に先輩だけじゃ分からないだろ」

「あ……」


桜良が確かに、と呟くと涼ちゃんがはぁ、とため息をつく。

そうだよね、名前を知らなければ話にならない。私は知っているけれど、会ってもいない私が知っていたらおかしいので今は黙っておこう。


「その人の特徴とかは覚えてる?」

「えーと、笑顔が素敵な人だったな」

「いや、もっと身体的な特徴だろ」

「髪が金髪!」

「金髪意外といるよね?この学校」

「んー、あ!風紀委員って言ってた!」


桜良のなんとも断片的な記憶を頼りに、なんとか探せそうな情報を繋ぎ合わせる。

先輩、金髪、風紀委員で笑顔が素敵。

うん、私の知ってる情報と一致してる。その人は攻略キャラクターだ。


「あ、ちなみにどんな女?」

「ううん、男子だったよ」

「……そう、か」


涼ちゃんが黙ってしまった。まだ見ぬ相手に嫉妬でもしているのだろうか?

しかし、何故涼ちゃんは相手を女の子だと決めつけてたんだ……桜良だって普通に男の子と話はするだろうに。


「その人風紀委員なんだよね?だったらまた会える機会があるんじゃないかな?風紀委員はよく校門の前に立ってるらしいし」


そう、桜良とその人はまた絶対会う機会がある。そうじゃなければ物語が進まないし。それに風紀委員は結構表に出てくる委員で目立つから知り合いが居なかろうと何回かは会えるはずだ。


「よく知ってるな」

「うん、学校調べてた時にたまたま……ね?」


そう言って、誤魔化しておく。

その後は明日の持ち物の確認だったり、今日の教室での話だったり普通の話をして家まで帰った。


「じゃあまた明日」

「うん、またね!」

「じゃあな」


私の家のお向かいが桜良の家で、桜良の家の隣は涼ちゃんの家だ。それぞれの家の前でまた別れの挨拶を交わす。

2人の姿が玄関の扉に消えた後、私も家の中へ入った。


なんにせよ、やっと一日目が終わった。明日からはまた大変になるだろうなとは思いつつもとてもワクワクした気持ちで私の胸はいっぱいで、早く明日よ来いと寝るまで思い続けていた。





一日目の終了です。

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