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先生達との秘密の共有-2

真堂先生がいなくなってから沙原先生が私をじっと見てくる。


「なんでしょうか」

「ん?何が?」

「いえ、さっきから見られているなと思いまして」

「あら、ごめんなさいね」


視線に耐えきれなくて話し掛けてはみたが、沙原先生はにやにやしながら私を見ているだけ。

なんなのだろう。


「ねえ、さっきから気になっていたのだけど…秋野さんってもしかして優作に気があるのかしら」


怪しんでいたら突然驚くような事を聞いてきた。何を言い出すんだこの人は。

そりゃあ私は真堂先生が一番親しみを感じるキャラだったけれども現実で桜良の攻略キャラを私が好きになるなんて事あるはずない。というか私には好きな人がいるのでまずあり得ない。


「あり得ませんよ」


私は呆れながらも、断言した。


「そうなの?でもあの驚き方と動揺っぷりは絶対そうだと思ったんだけど」

「……普通だと思います、あんな状況を見た後ですし。というか生徒と教師ですよ?そんな事あるはずないじゃないですか」


普通自分で机に頭突きするかしら?そうくすりと笑いながら呟いた先生に私は動揺を隠す様に顔を逸らした。あれはちょっと頭のキャパシティがいっぱいいっぱいになったのを落ち着けただけだし。別に深い意味ないし。


「うふふ、でも私は応援しちゃうわ~ちょっと憧れだったもの、教師と生徒の禁断の恋なんて」

「話を聞いて下さい…それに先生が教師と生徒の恋を応援ってどうかと思いますが」


勝手に話を続けてしまう沙原先生に私はもう一度否定した。違うって言ってるのに…


「そんなにカリカリしないで、ね?優作全っ然女っ気が無くてちょっと心配なのよ」

「はあ」


だからなんなんだ。それに、彼女が出来ないからって生徒に手を出す教師ってどうかと思うけれど。

でも先生の運命の相手は桜良だからな……結局生徒とそういう事になっているのは変わらない。いや、でもあれはほら、不可抗力みたいな、お互いそういう事を目的にしていなかったし…ギリギリセーフ、なのか?ああでもルート入らなかったら先生どうなるんだろう。さすがに一生独身はちょっと可哀想だ。なんだか不安になってきた。


「あんな体制になった原因だった携帯取り合ってたのも少しでも女の子の気配があればと思って私があいつの携帯をこっそり覗いたのが原因で…」

「何してるんですか」


彼女か!


「でも無いの!もう27よ!?27の男の携帯にそういうサイトに出入りしてる気配も画像も全く無し!あるのは仕事場と家族の連絡先、どうでも良い時代劇の俳優やら建物やらの写真だけ……どうかと思うわ!」


わなわなと震えながら私に語り掛けてくる沙原先生。それと同時にがくがくゆすぶられる私の体。気持ち悪くなってきた…

けれどそれは心配になるかもしれないな…涼ちゃんでさえ私達に隠れてグラビアとかは見ているみたいだし。


え?何で知っているかって?それは女の情報網ってやつもあるし、あと何回か涼ちゃんの部屋で見かけた事がある。その度に友達が置いてったって言い訳をしていた。よく言うよ、髪型とか体型とか桜良にそっくりの子ばっかりだったじゃないか。いやまあ私に似た体形の子を見ていてもそれはそれでちょっと困るんだけど……くぅ、幼児体型で悪かったな!!


「だからねー、もうそういう場が学校しかないのよ…キャバクラとかにも行かないし…」


うーんと考えるポーズをする沙原先生。はあ、やっと解放された


「ですが、心配だからと言って教師が学校をそういう場にするのは止めてください、先生の信頼を無くしますよ?ましてや生徒とは犯罪です」

「分ってはいるんだけど…あいつロリコンじゃないし生徒に興味ないと思うんだけど…同じくらい仕事の仲間にも興味ないのよね…馬鹿なのかしら」


真剣に悩んでいるようだ。そんな事言われてもって感じだが27歳でイケメンでモテるのに女の人に興味が全然ないって言うのは確かに周りからしたら不安だな、トラウマ抱えているならともかく。ゲームの設定ですよとは言えないし。

しかし何故私はこんな事を相談されているのだろう?


「ああ、でも最近春日さんとも仲が良いみたいね」

「!? 春日さんと…?」

「あの子はクラス委員でしょう?よく用事を頼んだり、あと話が合うみたいでね放課後楽しそうに話している姿を見かけるわ」


桜良凄い、なんだかんだ言ってちゃんとイベントこなしてるんだ!私もその姿を見たい!仲良くしている2人を見てによによしたい!先生と桜良が付き合ったら毎日あの天使と脳内イケメン№1の先生とのラブラブっぷりを見られるのか…悪くない。


「あら、嬉しそうね?」

「! べ、別に…」


コホン、と咳払いをして私は話を続けた。


「とりあえず生徒にそういう事を相談や期待をしないで下さい。されても困ります」

「そうよね、ごめんなさい」


ふふ、っと笑いながら謝る先生。私は貴方が先生の恋の相手だと思ったんだけど…検討違いだったのか。じゃあどうして沙原先生はいるのだろう…


「でも私は貴方がお似合いだと思ったの」


急に沙原先生がさっきまでのからかうような雰囲気から優しい眼差しを私に向けてくる。


「貴方は似ているもの…」

「え?」


一体誰に似ているのか、私を見ながら沙原先生は私を誰と重ねているのか、それを聞く前に真堂先生が帰って来てしまった。なんてタイミングの悪い登場だ。


「すまない秋野、遅くなった」

「ほんとおっそい、待ちくたびれちゃったわよね」

「えっと……大丈夫です」


出来ればもう少し遅くても良かったのに。私がさっき言われた事が気になって悶々としていると、どうした?と顔を覗く様に真堂先生が顔を近づけてきた。


「具合でも悪くなったか?」

「……な、んでもありません」


先生の顔が近くにある事にびっくりしすぎて言葉が詰まる。

おうふ…くそう、かっこいい…!その格好良い顔を無駄に私に近づけないで!やめて!惚れてまうやろー!!でもありがとうございます!脳内保存しておく!心配そうなお顔もたまらなく素敵ですね!


けれど私はそのテンションを出すまいと唇をきゅっと噛んで俯きながら堪えた。萌えに。オタクつらい!


「…そうか?…それで、このプリントなんだが修正して欲しい所があって一応付箋は貼ってあるが…」

「あ、はい」


私は先生にプリントを見せてもらいながら修正個所の説明を受けた。

その間沙原先生はにやにやしながら私達を見ている…ああもう、鬱陶しい…。



先生といる時の茜音のテンション高いな…  

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