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クラス委員に任命

まだ4月だが入学式からだいぶ経つ。

健康診断では私の背は絶望的だと知った。テストは普通、部活のオリエンテーションもあったが特に入りたい部活は今のところ無い。


「さて、これから委員会を決めます」


沙原先生がそう言って黒板にそれぞれの委員会の名前を書き、その下に男女の名前を書くスペースをつくった。

今日真堂先生は用事があるそうで沙原先生が代行してクラスを仕切ってくれている。


「ですが、その前に、このクラスの委員長を決めたいと思います。誰かやりたい方は挙手をお願いします」


にこっと笑う可愛い笑顔になんでもきいてあげたくなるが皆は一斉に下を向いた。

まあ、そうなる。誰だってクラス委員なんてやりたくないだろう。でも私の隣の彼は違ったようだ。


「はい、空閑君」

「誰も立候補がいないのならば自分がやっても良いだろうか」

「まぁ、皆どうかしら?」


先生が私達に問いかけてくるが答えは決まっている。「空閑君ならピッタリかも」「立候補とかすげーな!」なんて言った後、パチパチパチと拍手が湧き上がる。


「じゃあ、男子のクラス委員は空閑君に決定です。残るは女子だけだけどどうかしら?」


シーン…


さっきまでの盛り上がりはなんだったのか、また皆(女子)は下を向いた。


「困ったわねえ、じゃあ…」


ガタ!っと音がすると1人の女生徒が立ち上がる。


「どうしたのかしら、春日さん」

「え!あ、いや…えっと」

「もしかして立候補?」

「は、はい!」


あははは、なんて笑っている桜良に涼ちゃんが驚いた顔をして見ていた。

桜良は決して前に出るタイプではない。そんな彼女に何が起こったのかは後回しにしておこう。


「ありがとう、立候補してくれるなんて嬉しいわ」

「ええ、まあ」

「じゃあ女子のクラス委員は春日さんでみんな良いかしら?」


「はーい」「がんばれー!」と空閑君の時と同じ様に応援の言葉と拍手が桜良に送られる。


「じゃあ2人とも前に出てきて委員会を決める手助けをしてくれる?」

「はい」

「は、はい…」


桜良と空閑君が前に出て来てチョークを持ちながら委員会の名前を言いながらそこに入りたい人を聞いていく。

案の定というか、一番の人気は風紀委員だった。


「あら、ほぼ全員の女子が風紀委員希望なんて困ったわね」


他の委員会は既に決まったので後は風紀委員だけである。しかしすごい。約半数の女子が希望しているのはやっぱり早乙女先輩効果なんだろうな。

しかしそれも空閑君の提案したくじ引きで結局は決まったみたいだけれど選ばれなかった女の子たちはその後もガックリと肩を落としていた。

私はなんの委員会にも入っていない。涼ちゃんもだ。何も入っていないし時々桜良の手伝いでもしようかと思ってもみたが止めておこう。もしかしたら空閑君とのイベントを潰してしまうかもしれないからね。





「はあ…」


桜良のため息が漏れる。


「お前なんでクラス委員なんて受けようとしたんだよ」

「え…いや、あれは」


頭を抱えて桜良は涼ちゃんに何かを言おうとして止めた。


「春日」

「あ、空閑君」


空閑君が来て桜良に握手を求めた。


「これからよろしく」

「う、うん…」

「何かあれば相談してくれ」

「ありがとう」

「空閑君、桜良をよろしくね」

「そうだな、足手まといになるかもしれねーけど面倒見てやってくれ」

「ちょ、ちょっと、何言ってんの」

「分かった。任せてくれ」

「空閑君まで!乗らなくて良いから!」


思わず桜良以外で笑いあった。まさか空閑君まで私達に乗ってくれるとは思わなかった。張本人である桜良はちょっと膨れている。

真実を言ってしまうと桜良は別にクラス委員になりたくてなったわけじゃない、飛んできた虫に驚いて運悪く立ってしまい、注目を浴びて恥ずかしくて思わずなると答えてしまったのだと後で教えて貰った。

なんとも桜良らしい理由だ。たまに運が悪く本人も思っていないところでイベントが進められてしまうなんてところも主人公の特徴だったりする。だから、諦めて。



やっと委員長と呼べるようになりましたが、普通に空閑君呼びになります。残念

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