ジェネレーションギャップ
涙目でギルドから出ていこうとする彼らを見てケリアはふと思い出した。
「あ、皆少し待ってくれ。ちと思い出したことがある」
振り返る彼らの顔には不安としか書かれていない。
「ドリグ。ギルド倉庫があったはずなのだが、どこにあるかわかるかの?」
ケリアはマジックバッグをごそごそ漁り鍵を取り出した。
「あー・・・そういえばもう使っていない部屋に宝箱みたいなものがあった気がします。確かどうやっても開かなかったので放置しておいたと思います」
「おーそれだの。ちと持ってきてくれるか?」
そうケリアが言うとドリグがイーギルにギルド倉庫を持ってこさせるように指示する。イーギルが奥に行ってから何が入っていたか思い出した。
「あぁ・・・そうだそうだ。確かあの馬鹿が作ったポーションが4万5000本とSPポーションが3万3000本くらいで・・・あと引きこもり爺がガラクタ量産しておったの・・・」
ブツブツと呟くケリア。色々思い出しているとイーギルがギルド倉庫を持ってきたようだ。埃を被ってみすぼらしい姿になったその箱の穴に鍵を差し込む。
「アンロック(解除)」
ギィィ・・・とゆっくり開くギルド倉庫。90年ぶりに開かれたギルド倉庫を見てニヤリと口角を釣り上げるケリア。
「よし、今から濃縮ポーションを支給するのでな1人100本ずつあれば3週間はもつであろう」
その言葉に目を見開く新参組の陽炎の爪メンバー。
「濃縮・・・ポーション?」
その反応に戸惑うケリア。一体どうしたの言うのだろう。戦いの備えはしっかりとしていた方がいいはず。新参組と古参組両者頭を抱えどうにか理解しようとする。
「ケリアさん。現在のグランフェリアでは戦争による物資の消費でポーションが高騰しているのですよ。そして濃縮ポーションとなれば長い遠征に一人5本持っていければかなりの備えと言われる時代になっているのです」
ドリグの説明を聞いて昔と今の差を理解するケリア。正直一人でも死なれると連携して倒すという目的が達成できないのであるのだから使えば良いだろうと思いそのままポーションとSPポーションを渡すことにした。
かなり低姿勢で受け取っていたのは余談である。
「あ、それと昔引き篭り爺が作った装備を今後の遠征での戦闘を見て渡すのでな楽しみにしていてくれ。勿論自分の使い慣れた装備が言いというのなら受け取らなくても構わないが、自分の実力に見合った装備を身につけるのも冒険者としての義務だからの」
先程までの不安とは打って変わって神を崇めるような目で見るギルドメンバー達。かなり飴が響いたようだ。バベルの塔ではしっかりしごくことにすると心に決めたケリアであった。
「ふぃ~。召喚! ひよ子ちゃん!」
ギルドメンバーが帰宅してから夜になった。他にも冒険者達がいたようだったが、少し疲れたのでマスター室でぐだぐだしていた。
「可愛いですなその子。それにしても何故あなたがここにいるので?」
溺愛しているひよ子ちゃんを抱きしめて口調が素に戻るケリア。元々は威圧感を出すためにあの口調になっているのだ。
「うーんと、あれだよ、私マスター室が家みたいなもんだったからねー。おーよしよし。出来ればここに泊まらせて欲しいんだけど」
「あ、そうでしたか。ではベッドを出すのでここで寝ていて良いですよ。私は家に帰りますので」
ひよ子ちゃんのもふもふに癒されるとケリアは備え付けの風呂に入ってマジックバッグから食べ物を取り出し慌ただしい1日を終えるのだった。