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笑ってごまかせ…
……
ピクピクっと動く耳。ふさふさと揺れる尻尾。…触りたい…
ぼーぜんとしている僕にお爺さんはクシャッと笑みを浮かべ
「もぅ大丈夫だ。小さいのによく頑張ったな~」
って何も聞かずに頭をポフっと撫でてくれた。
その手が暖かくて、久しぶりに人?の優しさに触れた僕は…ボロボロと大きな瞳から大粒の涙を流した。
「…うっ…ひっく…うわぁーあぁー…」
お爺さんはやさしく、そんな僕を抱きしめて背中をトントンと叩いてくれて…
どれくらいそぅしていたんだろうか。たくさん泣いて気持ちが落ち着いてきたら、ぐぅ~~~~って お腹がなった。恥ずかしくて赤くなる僕。お爺さんは
「よしよし。元気な腹だ!」って、わはははって豪快に笑う。
ちょっと待ってろっと部屋から出て行って程なくすると、
ホカホカと湯気の出ている野菜とキノコのスープを持ってきてくれた。
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(???)
目の前でスープを一心不乱に飲んでいる少年をみて微笑む。
森で倒れているのを見つけた時は…死んでいるかと思ったが。こんな小さな子供があの森でよく無事でいたもんだ…どんな理由か知らんが放置した者どもに怒りが湧く。
怒りが顔に出ていたのか少年がこちらを恐る恐る見ていた。
「ん?どうした?ゆっくりお食べ」
笑ってごまかした…
うむ。食事に集中しだしたな。…色々聞きたいが…まぁゆっくりでよいだろぅ。
澄んだ目をした少年だ…見ていて心が和む。
多くの魔物の住む森で花に守られるように倒れてたのも不思議だが…
なぜかこの子を守ってくれと花に頼まれた気がした…
願わくばこの子の未来に幸多かれと…
読んで下さりありがとうございますm(_ _)m