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明日から史上最強の萌えキャラ  作者: 秋華(秋山 華道)
24/25

萌芽美少女コンテスト

 水着審査が終わり、ここで一次投票が行われた。

 ここでの上位八人が、予選通過者として、決勝に駒を進める事になる。

 結果は、まずまず予想通りの結果だった。

 しかし、大きく予想を覆すところもあった。

 一次投票の順位は、一位が高橋だった。

 これは予想はしていなかったが、或る程度納得できるものだった。

 来年や再来年の美少女コンテストで、同じ結果が出るとは思えないが、高橋は上級生からの支持が絶大だった。

 今年のコンテストに限って言えば、高橋は最強と言えた。

 二位は副会長だった。

 リカちゃんが負けたのは予想外だったが、これはきっと、萌えキャラで票を分け合ったせいだろう。

 これも予想外だったが、分析すれば理解できるところだった。

 三位はリカちゃん、四位は愛美、五位は冷子、六位はヒカル先輩、七位は副委員長と、萌え萌え委員会メンバーが名を連ねていて、これを見ても、やはり票を食い合っている事は明らかだった。

 何とかしなければ、俺たちは負ける、そう思った。

 ついでに八位には、美沙太郎が入っていた。

 これはきっと、コンテストを盛り上げてやろうという、おせっかいな生徒たちが、嫌がらせ八割で投票した結果だろう。

 俺は心の中で、そのおせっかい生徒たちに拍手を送った。

「では、質疑応答を始めます。質問はございますか」

 出場者への質問は、各クラスの委員長、又は副委員長が行う事になっている。

 ただし、出場者のいるクラスの者は、質疑応答には参加できない事になっていた。

 進行係の生徒が、手を挙げている生徒の中から、適当に一人を選んだ。

「皆さんに質問です。好みの男性のタイプは?」

 まあ最初は、当然の質問だな。

「では、予選通過順位の順番でお願いします」

 進行係の言葉に、まずは高橋がこたえる。

「はい。正直な人が好きです」

 高橋はそう言いながら、何故か俺の方を見ていた。

 おいおいおいおい~、俺は決して、正直じゃないぞ‥‥

 でもこの状況は、ぶっちゃけ嫌ではなかった。

「それだけですか?あ、そうですか。では次、お願いします」

 次は副会長か。

 どんな男性が好みなんだろうか。

 しかし一向に、副会長の声が聞こえてこない。

 副会長の口は動いているのに、どういう事だ?

 そう思って見ていると、コメンテーター席の会長が、いきなり通訳し始めた。

「わたくしは‥‥男らしく‥‥ぐいぐいひっぱって‥‥いってくれる人が好き‥‥です」

 大和撫子恐るべし。

 多くを語らない女性って事だろうけれど、少しくらいは喋れよ。

「はい、分かりました。次お願いします」

「はーい!お兄ちゃんです!」

 リカちゃん、嬉しい事言ってくれるぜ。

 でも、このこたえだと、萌える人が限定されそうだな。

 リカちゃんには負けてもらわなければならないが、なんとなく俺の中には、頑張って欲しい気持ちもどこかにあるようだった。

「では次、お願いします」

 いよいよ愛美か。

 でも、愛美が言いそうな事は分かる。

 きっと‥‥

「久弥くんです」

 タイプを聞いていても、愛美はこうこたえる奴なんだよな。

 まあ俺ももし、好きなタイプの女性を聞かれれば、愛美とこたえるだろうけれどね。

「そ、そうですか。暑いっすね。では次‥‥」

 こんな感じで、質疑応答タイムは、滞りなく進んでいった。

「あなたのチャームポイントはどこですか?」

「そうね‥‥乳首かしら?」

 冷子、お前このあいだは、膝小僧だって言っていなかったか?

 それにそんな見えないところ言っても仕方が無いだろう。

 つか、出そうとするな。

「どうして美少女コンテストに出ようと思ったんですか?」

「ふふ‥‥可愛いから?‥‥なんてね。ちょっと‥‥死んだおばあちゃんが‥‥夢枕に立って‥‥出るように‥‥言ってきた‥‥だけよ‥‥ふふふっ」

 いや副委員長、マジで怖いから。

「あなたともし付き合ったら、彼氏にはどんな特典がありますか」

「そうね。膝枕して、耳かきしてあげちゃうわよ」

 ヒカル先輩に膝枕かぁ。

 惹かれる男子生徒は、結構多いのだろうな。

「お前はどうして、こんな所にいるの?」

「それは、僕が魅力的だったんだな。女には負けないんだな」

 いや美沙太郎、そろそろ自分が出場している事自体、否定しようよ。

 こうして、質疑応答の時間は、あっという間に終わった。

 さてここで、コメンテーターによる、各出場者の評価を発表する。

 ここでのコメンテーターによる発言は重要だ。

 みんなが思ってもみなかった利点を指摘したりすれば、当然生徒からの評価も上がるし、逆に良いところが言えなければ、離れる生徒もいるかもしれない。

 高校生とは言え、まだ大人ではない。

 他人の意見に影響される部分も、きっと少なからず有るはずだから。

「ではまず、美沙太郎さんの評価をお願いします」

 順番は、予選順位の低い者から行われる事になっている。

 って、もう美沙太郎はいいよ。

 まずは大和撫子側の、校長が話し始めた。

「お前、見苦しい!」

 校長の一言は、美沙太郎を地獄に突き落とすには十分だった。

 アディオス、美沙太郎。

 もう二度と会う事はないかもしれないが、今度会う時は、女だったらいいな。

「では次、反生徒会側の方、評価をお願いします」

「お前、見苦しい!」

 真嶋先輩も、容赦なかった。

 だけど美沙太郎は、くじけてはいなかった。

 どうやら美沙太郎は、生粋のMのようで、全くショックは無いようだった。

 まあそりゃそうか。

 ペットボトルを投げつけられて、散々罵声も浴びたのに、まだ此処に立っていられるんだもんな。

 俺はほんの少しだけだが、美沙太郎を見直した。

 愛美がいなかったら、俺はもしかしたら、美沙太郎に投票していたかもしれない。

 そんな事も思った。

 この後も、どんどんコメンテーターの評価が発表されてゆく。

「論外だな」

「確かに、こいつは論外だが、良いところも探せばあるはずだ」

 副委員長、散々な言われようだな。

 でも副委員長、こんな時でも笑っているのね。

「何処にでもいる、ただの女子じゃな」

「そうですねぇ。こんなお姉さんがいると、夜は悶々としちゃうかも」

 校長、まあ間違っちゃいないけど、自分の高校の生徒、そんな言い方するなよ。

 俺もまあ、面白くもない、普通のコメントしちゃったけれど。

「何処がどういいのかわからんな。一昨日出直してくるのじゃ」

「冷子の良いところ?無い!」

 校長は相変わらずだし、せめて真嶋先輩、少しくらいは褒めてあげようよ。

「当たってるわね。流石マイダーリン光一先輩」

 お前も納得してるなよ。

 こうしていよいよ、愛美の番がやってきた。

 まずは生徒会長が話し始めた。

「ただのどんくさい女だな。もしかしたらそれも、わざとやって気を引こうとしているのかもしれない。そうなれば腹黒女って事か」

 おいおい、生徒会長がそんな事言っていいのかよ。

 でも、愛美は強くなった。

 そんな事を言われると、今までならきっと、ショックで苦笑いするのがやっとだったはずだ。

 だけど今の愛美は違う。

 本当の笑顔で、軽く生徒会長の言葉を聞き流していた。

 さて、次は俺がコメントする番だ。

 俺は一つ深呼吸してから、愛美の事を話し始めた。

「愛美は、正直昔からどんくさくて、一緒にいる俺は、命の危険を感じる事も多々ありました。だけど、徐々にドジは許せるものへと変わってゆき、周りにいる人達を、笑顔にできる女の子になってきたと思います。まだまだ、完璧な萌えッ子には遠いですが、愛美は俺にとって、最強の萌えッ子です。俺はそんな愛美が、大好きです」

 俺は動揺していたのかもしれない。

 もしくは、真嶋先輩に洗脳されていたのかもしれない。

 原因は分からないが、とにかく俺は、普通では無かったのだろう。

 だからなのか、俺は、自分でも信じられないくらい、普通に想いを述べていた。

 それを聞いた愛美の頬には、涙が一滴流れていた。

 愛美の評価の後は、特に余韻も残さず、次のリカちゃんの評価へと移っていた。

「かわええ子供じゃな」

「お前ら、まさか子供に投票するのか?こんなのに投票したら、ただの変態だぞ」

 真嶋先輩、敵になったら容赦ないな。

 少しくらいは褒めてあげようよ。

 リカちゃん涙目じゃないか。

 ああ可哀相に、後でなでなでしてあげるから、今は我慢してね。

 俺は使えるはずもないテレパシーで、必死にリカちゃんに電波を飛ばした。

 さて次は、副会長か。

「日本の良き女性像、それは大和撫子。男を立て男に尽くす、正に理想の女。君と結婚できたなら、俺は、俺は、必ず幸せにしてみせる!俺と結婚してくれ!」

 おいおい、ただのプロポーズじゃないのか?

 でもこれは、なかなかいい作戦だ。

 周りも祝ってやろと、盛り上がるからな。

「いやよ‥‥」

 ‥‥‥‥初めて副会長の声を聞いたけれど‥‥‥‥

 相当、会長の事が、好きじゃなかったんだろうな。

 俺はあまりの出来事に、副会長の評価を、無意識のうちに話してしまった。

「副会長は‥‥とても美人で‥‥少し冷たく見えるところもあるけれど‥‥実は凄くいい人なんじゃないかと‥‥そんな気が‥‥今しました」

 批判にはならなかったけれど、きっと副会長の優勝は無いと、俺は何故か確信していた。

 そしていよいよ最後の一人、高橋の番がきた。

「‥‥いいんだ‥‥俺なんて‥‥」

 会長は、評価できる状態ではなかった。

 可哀相に、この人はしばらく帰ってこないな。

 俺はそう思ったので、促されるのを待たずに、高橋について話し始めた。

「高橋は、普通にいい子だと思います。萌えもいいですが、普通ってのも、今は評価される時代だし。普通を売りに、芸能界で活躍している女の子もいますからね。でも、俺はやっぱり、愛美がいいかな。だって、愛美は愛美だから」

 ただ、ノロケてしまった。

 高橋には悪いが、応援するわけにもいかないしね。

 俺は少し申し訳ない気持ちで高橋を見た。

 すると何故か、高橋が涙を流していた。

 なんでそうなるの?

 特に悪口を言ったわけじゃないのに。

 観衆からは、ブーイングが巻き起こっていた。

 とにかく、上位四人の評価タイムは、誰かが泣くと言う、波乱の展開となった。

 まず、高橋の涙の意味はわからないが、コレはプラスに働く涙だろう。

 何故なら、観衆から俺に、ブーイングがあったからな。

 次に会長の涙、これ自体はプラスに働きそうだが、副会長のイメージが、一気に崩れてしまったので、票は伸びないと思われる。

 リカちゃんの涙は、同情を誘うものではあったが、真嶋先輩にああ言われては、投票する人も減るのは確実だ。

 で、愛美だけれど、これは微妙かな。

 愛美の一途さに心動かされる人は多いだろうけれど、こういう人気投票で、彼氏がいる事は、やはりマイナスだもんな。

 目の前でイチャイチャされれば、きっと面白くないだろう。

 これは高橋の優勝かな。

 俺はなんとなく、大和撫子側との、二位争いに照準を絞っていた。

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