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消えた第3ボタンの謎

作者: 二世

注)これはギャグ系小説です。そこまでギャグ感もありませんが、ギャグ小説です。

キーワードに刑事とありますが、サスペンス等の関係は一切ありません。

一応ノンフィクションです。

甘露煮が美味しい季節……だったが、もう冬だ。もうすぐで大福の時代だ……。


……私の名前は探原准事。十五年間、サスペンス事件に関しての仕事を務めている。


私は影のような存在。なぜなら影が薄いからだ。


私は子供の頃から教室の端っこにいた男だ。席替えをするときも毎回左端。いつも窓が私の存在に気づいてくれたことは、今でも覚えている。


そう、私は窓が友達だった。そんな親友の名前はうぃんどう・ごりごりという。彼は今でも私のことを覚えているのだろうか……。


……そんなことはどうでもいい。先程から、事件のにおいがプンプンする。私の鼻もノリノリだ。



今日は事件が起こる予感がする。


まずはあの学校へ行ってみようか。


名前は……天川中学校。日本でありがちな名前。岐阜とか青森とかにありそうだが気にしないでほしい。


では、潜入しようか。




時は平成。日本がポツダム宣言を受諾してから四十年ほど経った頃だ。


生徒達はいつも通り、午後四時ぐらいに帰宅する。しかし、その学校帰りに事件が起こる……。




「アハハハーソレデサー……。」


学校帰り、生徒達は毎日、アニメやバラエティ・ゲームなどについて語っている。


「そんでよー、俺やっと神戸へ行けたんだぜ?いやー楽しかったわー。」


「おいおい馬路かよ。俺も行きたかったなぁ。」


「まぁ話は後だ。早くチャリに乗れ。こぎながら話してやっから。」


生徒三人が自転車に乗り、飛ばしながら坂を降り、石がいっぱいある公園へ行くようだ。




「あの子達の誰かが、事件のきっかけになるかもしれない。」


准事は走って三人を追いかける。しかしあっというまに三人の姿が見えなくなった。


准事は走るのが遅い方。常人の体型なのに遅い。端っこにいたせいかもしれない。


「ま、待ってくれー!私と同じスピードでこいでくれよー!」



五分後、生徒三人は公園に到着。ブランコに座り、再び神戸の話を続ける。


「でよ、続き何なんだ?早く教えろよ。」


「まぁ慌てるなって。よーく聞いておけよ?――。」


四十分後……



「――そろそろ帰ろうぜ。俺、塾あるから。」


「羨ましいなぁ。今度、オカンに頼んでみよっと。」


「俺も。」



……事件が起こる……



「よし、行くぞー。」


制服を着ていると暑いので、ボタンを外すその時!!


「うわっ!」


プラスチックの棒を折った感じの音が。


「どうした?」


他二人も尋ねる。何が起きたのか気になるようで。



「ボタンが外れた。」


「なーんだ。そんなことか。」


「そんなにうわっ!っていうほどじゃねー。」


「そりゃそうだけど……ボタンがどっかいった。ちょっと探してくれよ。」


「しかたねーなぁ。で、何の?」


「第3ボタンだ。」


「第3ボタンって何?おいしいの?」


「馬鹿、第2の下についているやつだろうが。」


「まぁとにかく、すぐ見つかるはず。探して。」


「仕方ねぇなぁ。探してやるか……。」



この帰る寸前、准事もようやくこの場についた。


「はぁ……はぁ……何だよこの坂……急だ……急すぎる……。」


彼の目は既に死んでいた。十年ほどの運動なのか、一時間かけてようやく公園の地に足をいれた。


「見つけたぞ……小僧共……!」


「事件は何なんだぁー……!?」



それから五分後、生徒達の様子は……


生徒達は体勢を変えながら探しているので、暑いも何も。制服は一旦、自転車のかごへ戻した。



「おいおい見つかんねぇなぁ。」


「結構探したぞ……?」


「もっかいボタン見てみろよ。本当はついていたりして。」


「ある訳ないだろ!もしあったら百万円あげるっていうジョークかましてやるよ!」


自転車置き場へ行き、制服を見せる。当然のようでそれっぽいものはない。


「そりゃないか。」


「あまり人を疑わないほうがいいぞ~俺は嘘つかねぇから!」


「そうだったな。スマンスマン。」


喋っている間に、もう空は暗闇だ。


「なぁそろそろ帰ろうぜ?真っ暗だよ。」


「第3なんて、代理に使えるものぐらいあるじゃん。クリップとかおはじきとか。」


「いやダサいよ!クリップとかおはじきとか何軽くほざいてんの?」


「まぁ落ち着けって。第2ボタンよりは価値低いからさ。」


「第2は確か恋人募集中とかそういうのあった気がするけど、第3は知らないなぁ。」


「価値や効果とかの問題じゃねーの!俺は完全なままがいいの!」


いつのまにか突っ込み役になってきている。しかし二人の生徒の顔は見事な真顔っぷり。何も面白くないそうで。


「まぁ今日は諦めよう。喋っている内に太陽が真っ先に沈んじゃったよ。」


「……。」


第3ボタンをなくした生徒Aも流石に諦めようとした。……が!


「ちょっと待ったぁ!!」



公園のすべり台からシニカル(笑)に登場。


「そこの君達!私は警察じゃーないぜ!」






「お、おい。さっき変な声聞こえなかった?」


「いや俺は全く……。」


「そ、そう……。」


生徒Aは幻聴を聞いたようだが、他の生徒には全く聞こえなかったようだ。


それ以前に、さっき准事の声を聞いた生徒達。


准事は目の前にいる。



「……おい!私は目の前にいるんだぞ!何故私の存在に気づかん!?」


いや……本文の上から三行目で自分で「影が薄いからだ」とかほざいてたからだろjk。



「しょ、諸君!聞こえるか!返事をしてくれ!」


「……えっ?」


「さっきの声……あのキモ声と同じ声だ!」


「どっから聞こえるんだ……?この辺から来るんだがなぁ。」


生徒Cが指さす方向に、AとBもそこを見る。


しかしその指先には、准事の目先に向いていた。


「あ、危ね!もうちょっとで鼻の穴に入りそうだったじゃん!」


「つーかキモ声とか言った奴誰だ!後でぶっ殺す!」



「また声聞こえたね。」


「不審者いるんじゃないか?」


「不審者ってこんなによく喋るのか?俺は変人がいるんじゃないかと……。」



「(糞が……言いたい放題いいやがって……特に横にいる老け顔の餓鬼二人!!)」



謎の声に不思議そうにいる男達と、暴力は決してしないと自覚(←無駄な強調)した准事の距離間は、15cmほどであった。



「ま、まあいい……諸君!こんな夜遅くからすまない。私は不審者でも変人でもない。刑事という者だ。あと……。」


「私の話をよーく聞いてほしい!」


渡○陽一と世間話をするときなのか。本当に距離がアレだ。近すぎる。


「び、びっくりした!さっきの人、もうだいぶ近いところにいるよ。」


「私の話を聞いてほしいって言ったよな?ちょっと静まろう。」


「で、何ですか?」


最後に三人同時で返す。准事もやっと話を聞いてくれてホッとしたようだ。


前置きはようやく終え、あきれ顔から真剣な表情に切り替える。


「ふぅ……じゃあ言いますぞ。」


「君達、ついさっき事件が発生しなかったかね?」


「じ、事件……?」


「事件って、この第3ボタンをなくした件についてじゃないか?」


「でもこれを事件って言えるのかと……。」


そう、たかがボタンが失っただけという。生徒達はとりあえずガッカリ。こんなのサスペンスらしくないと思った方もいるのではないかと。


「そう、それだ!誰かがボタンをなくしたこと!それも事件だ!私が解決してみよう!」



周囲に緊張が走る……。


「……ヘクショイ!なんか寒くなってきたな……。」


「夜になってきたからじゃないか?」


「いや……緊張したのかな……(あの不審者の駄言で……?)」


「さぁさぁ、まずきっかけを説明してくれ。」


また緊張が走った……。(のか?)


「ボタンをなくしたきっかけ……。」


「まずはBとCに旅行の話しにいったんです。(いけね、鼻水出てきた。何故だ……?夜だから……?)」


「まぁ誰も来ないと思い込み、三人で公園へ行き、その話をしたんです。」


「そこで時間をとり、話を終え、帰るときちょっと暑かったので制服のボタンを外した時、誤って第3ボタンが弾き、先程お探しになっていたところです。」


「ほう……。」


准事はその内容に深く考える。いや、考えた振りをしているのかもしれない。


きっかけが安っぽすぎるのか。しかもたかがこれだけなのか。


「え、んーと……きっかけはそれだけかい?」


あきれ顔→やるき顔 という構成であったが、今度はあせり顔に。


「すみません。本当にこれだけで……。」


Aは申し訳なさそうに話を終える。


「……なるほどね……。(?)」


「公園で失ったのだね?学校で落としたということは絶対ない?」


「当たり前です。」


おい、ちょっと不機嫌になってる……。いくら私がしつこいとは言えど、これは事件なんだ。


Boy.今から幸福にしてあげるYO!


「よし、まず落とした場所を教えてくれないか?」


これについて教えてくれないと非常に困る。ささ、その位置へ案内してくれよ!


「んーと、確かこの辺だったかな。」


彼は自転車の周辺で落としたと言う。まぁ帰る寸前だったからだろう。


「この辺か……で、ボタンが外れた時、ここからどの方向へとんでいったんだ?」


「どの辺……?お前等どう?」


「いや知らんよ。俺等はそっちの目にいってなかったし。」


まぁそりゃそうだよな。たかがボタンだ。


「なぁ、もうクリップでもいいからそれで代理にしようぜ?完全に暗いよ。」


く、クリップだと!?お主……中々やるじゃないか!これは無難じゃない。クリップなんぞダ○ソーに普通に売ってるし!


いや、しかし、私は悩みを解決するいわゆる刑事だ。時間をかけてまで「クリップでカバーしよう!」という解決をして「一件落着~!」なんて、刑事失格だ!


やはりここは本物を探さなければならない。


「ふざけんな!クリップなんかごめんだ!」


「そ、そうだよね!ここは君の言うとおり、本物の第3ボタンを見つけ出し、ハッピーエンドといこう!」



「じゃあどうする?また探すのか?」


「俺はもういいよ……――。」


生徒Aは、挫折した気分で自転車置き場へ。


ま、まずい!このままだと事件が解決せずに終えてしまう!


ここは上手く誤魔化さなければ!


「じゃああの人が見ていない内に帰ろう。」


三人は自転車に乗り込む。


あの人には申し訳ない……。十円ガムここに置いとくから……。


では、さようなら!


……その時!!



「うわっ!!」


生徒達が異口同音で驚いた表情が。


「おいおい、偶然かこれ……。」


なんと公園の周囲にある電灯の明かりが消えた。自転車もこいでいないため、彼等の姿は見えないほど。


そして准事はどこだ……。馬路で何も見えん!彼は透明人間になったのか!?


「電気が切れたね。」


「ここしっかり管理してんのかよ?」


……またまたその時!!



「……その時だった!」


現れたのは准事だった。古○任三郎のあのスポットが一つ。まぁ上に懐中電灯が吊るしてあるだけだが。


つーか御前の姿は『無』なんだから、スポット照らしても意味ないがな。(笑)


「……いただきました!」


……お前はSPECの当○紗綾か!いくら俺が戸田○梨香が好きだからって、お前のその低すぎる声で言ってもだなぁ!こんちくしょーが!


「生徒達、事件は無事解決しますよ。(つーか↑の文章、何で筆者の馬路な気持ち?)」


「ほ、本当ですか?」


「おいおいまだ天の声に構う気か?何度目の正直なんだか。」


「親に馬路で怒られるぜ。俺等帰っていいか?」


「いいや、お待ちください。最後に見せます。びっくりさせます。」


相変わらずBとCだなー。今に見とけ!


「ボタンがない……。まぁつまりなくしたというわけですが。」


「今日風が強かったでしょう?つまりボタンは風とともに飛ばされたわけです。」


「あーそういうこともありますね……。」


私が最初に感づいたのか……。いやー助かった。


「問題は風向……。しかしです。あの木々をご覧ください。」


准事が指すは、公園にある木。今は冬の夜。風が強くなっている。


そして風が揺れる方向……。


「ここからご覧になると、ブランコが正面から揺れるほど……。」


「あのベンチをご覧ください。」


そのベンチは四人が向いている方向。ブランコも彼等の平行の位置に立っている。


即ち、彼等四人が見る方向から、正面から風が吹いていることがわかる。(のか?)


「ここから見れば……左を見ると北となり……。よって風向は東からです!」


「ようするに……生徒達、そこから180度ぐるりと周ってみよう!」


反対側には、生徒達が持ってきた自転車が置いてある。生徒達は後ろを向き、そこから下の方を見ると。


准事は、吊るしてあった懐中電灯を手に持ち、まるで浮かせているかのように懐中電灯を照らす。


「ほら……あった!あれです!!」


三台並んでいる自転車の奥を照らすと、光るものが一つ。


「あれでしょう?第3ボタンというものは。」


生徒Aが黙って自転車の奥へ行く。そして豆のような物体をついに見つけ出したのだ。


「あったぁ!……」



「……ありがとうございます。確かに僕のものです。」


生徒Aは、すぐさま第3ボタンを付ける。感触はそのものだった。


「よかったな。」


「これでようやく帰れるぜ。」


生徒達は、准事の居る場所の少し左側に一礼した。


「どういたしまして。(あれ……どこ拝んでんの……?)」



「いやーやっと見つかったなー。」


「感謝感謝。」


「けどあの天の声、何処で喋っていたんだろ。本当に天からここを見物していたのかも。」



「……これで一件落着だなー。」


見事事件を解決できた准事。かなり感激だそうで。


「上手く誤魔化せたな……アハハハ……。」


ん?今なんと……?



「いやー、ようやく子供達を帰らせることができた……。」


「いやー、助かった!あっはははは!!」


ゲラゲラ笑った後、彼は服のボタンをとめる。



「私の代わりがあって助かった……。」








「……。」







雨が降ってきた。そして雷もゴロゴロと音をたてて鳴りだす。






「……おいどうしたんだ。何故今だけこんな静寂であるんだ?」


「……まぁ簡単な説明をしようか。」



まずは生徒Aの第3ボタンを探した。しかしどこにも見つからなかった。


彼等は嘘をついていたのか、本当に見つからない。むしろ風で飛ばされたのではなく、土竜に奪われたのじゃないか。


どうしようかと考えたその時、私の上着を見た。


それには刑事用の服装。そして偶然にもボタンがついていた。下を見ると……。



そう、第3ボタンがあった。


まるで商品のおまけのようについていた第3ボタン。私はそれをすぐに外した。


次に木々を見る。今の風向は東からだと判断し、風の飛ばされる方向に、私の第3ボタンを適当な場所に投げた。


そして私は格好つけてスポット懐中電灯を吊るしたわけだ。



用意が出来た後、投げた方向へまた探し出す。十秒も持たずに見つける。


外は真っ暗だったので、生徒Aも私のものとは気づかないだろう。



日が昇った朝の頃は――。




~翌日~



――昨日は辛かった。久々に刑事の仕事したけど、かなり疲れるなぁ。


というわけで、


「……刑事……辞めました。」


「これから見えない一般人というとりえのない人間として生きていきます。よろしくお願いします。」





まぁ別にいいが。



人間を辞めようとした准事であった。





その頃、生徒Aの家にて。



彼は飯と風呂を済まし、自分の部屋で勉強をしていた。


「あーあ、テスト近いと勉強三昧だから困るなぁ。」


「それにしても、あの謎の声は一体何だったんだろう。」


今日の公園での出来事をふと思い、椅子から立ち上がる。


「……でもあの人のお陰で無事に戻ったんだよな。」


「彼に感謝したいな。」


制服を見、探してくれた人を思いながら微笑む。つーか、ボタン一つで感謝しなくてもいいだろ。


そして第3ボタンを見つめた時……!






「……何これ。」



「……これ第3ボタンじゃない。」



暗かったせいなのか、何にも見えなかった。ただ、感触で第3ボタンだと感じたんだ。でも……。




「これはおはじきなのか……?こんなに上手く改造したおはじきなのか……!?」


表はツルツルじゃない。模様がある為、爪でこすったらガリガリ(?)いう。


「あの人って刑事って自負していたよね……」




「刑事って何なんだ……?」



「あ、そういえば空を一時間ほど見上げれば、嫌な記憶が忘れられるんだっけ。」


今度はカーテンを開け、窓も開け、星空を眺める。



「嗚呼……星が……綺麗だなぁ……。」


目から滝のように涙が流れていた。感動したのか、あるいは悔しかったのか。




次の日の朝、彼は上を向いて歩いていた。


「嗚呼……甘露煮食べてぇ……。」





甘露煮が美味しい季節……だったが、もう冬だ。もうすぐで大福の時代だ……。



この話は、実際友人のボタンをなくしたことがきっかけです。

刑事はオリジナルで出しましたが、それ以外は本当の話です。

外が暑かったからなのか、いきおいで第3ボタンを外したら、弾いて飛んでいってしまい、30分ぐらい探して、見つからず。そのまま場を立ち去ったことは忘れられませんね。

あいつももうちょっと気をつけて外すべきだったなぁ(笑)

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