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【第4話:溺愛は止まらない、着替えもさせない!?】


光が収まり、そこに現れたのは――。

もふもふパジャマから卒業し(?)、どこか神秘的で色香を纏った、絶世の美女となったラルムだった。

「な……ッ、あ、ああ……」

アルフレッド様は、顔を真っ赤にして口をパクパクさせている。

以前にも増して美しくなった私を直視できず、かと思えば瞬きも惜しむように見つめてくる。その瞳には、もはや隠しきれないほどの熱が灯っていた。

「ラルム……。ああ、私のラルム……。なんて、なんて美しいんだ……!」

(名前を呼んでくれるのは嬉しいけど、アルフレッド様の視線が熱すぎて溶けちゃいそう!)

「旦那様。見惚れている時間はございませんぞ。ラルムお嬢様をこのままにしておくわけにもいきません。急ぎ着替えの用意をさせねば」

セバスチャンの冷静な指摘に、アルフレッド様が弾かれたように叫んだ。

「そうだな! よし、私が着替えさせる!!」

「……はい?」

「ラルムは私の妻(予定)だ! 他の誰にその素肌を触らせるというのだ。私が、この手で完璧にドレスアップさせてみせる!」

そう言って、伯爵様は鼻息荒くドレスの山に手を伸ばした。

「なりませんぞ、旦那様。未婚の女性の着替えを男性が行うなど、このアルフレッド伯爵家の……いえ、貴族の矜持が許しません。それに、旦那様の手は震えすぎていて、ボタン一つ掛けられんでしょうな」

「黙れセバスチャン! 私は今、かつてないほど冷静だ! ラルム、さあ、恥ずかしがらずに私に身を預け――」

「ひっ、お、落ち着いてください伯爵様ぁ!」

一歩、また一歩と迫りくる「残念なイケメン」と化したアルフレッド様。

結局、セバスチャンの手厳しい「お盆チョップ」が伯爵様の脳天に炸裂し、私は女性使用人たちの手によって別室へ運ばれることになった。

……その間も、扉の向こうからは「ラルムぅぅ! 私にやらせろぉぉ!」という伯爵様の叫びが響き渡っていたけれど。

数十分後。

最高級の絹を使った紺青のドレスに身を包み、私は再びアルフレッド様の前に立った。

「お待たせしました、アルフレッド様……」

少し恥ずかしくて俯き加減に挨拶すると、アルフレッド様は今度こそ魂が抜けたような顔で固まった。

「……あ。……う……」

もはや言葉にならないらしい。

私が少し首を傾げただけで「ッ!!」と胸を押さえ、私が裾を直そうと屈んだだけで「ぐふっ……」と鼻血を抑える。

(ど、どうしよう……。アルフレッド様のときめきが、限界突破しすぎてて怖い!)

「ラルム。……君が瞬きをするたび、私の心臓は止まりそうになる。君が微笑むたび、私はこの国を滅ぼしてでも君を閉じ込めておきたくなる……」

「いや、国は滅ぼさないでくださいね!?」

天然で奥手なラルムの何気ない言動すべてに、アルフレッド様の溺愛ギアが猛烈な勢いで加速していく。

このままでは、帰る方法を探す前に、私の心臓と(彼の理性)が持たないかもしれない!

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