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第4話 合わせ鏡 その3

 小雪が続ける。

「ナンバー一六弟はナンバー四六兄が大好きで尊敬しているにゃん。でも、ナンバー四六兄はナンバー一六弟をよく思ってないにゃん。むしろ、疎ましく思ってるにゃん」

「どーして?」と首を傾げる華穂に、小雪も自分の解析結果に納得いかないらしく、困り顔で返す。

「なんていうか……、ナンバー一六弟の戦闘能力に嫉妬してる感じだにゃん」

 言い終えると同意に理久が吐き捨てる。

「気に入らないな。ぶったおしてやる」

 小雪が盛り上がる。

「おー、理久さんがやる気になってるにゃん」

 理久が左手を前へ伸ばして狙いを定める。

 狙うのは方向転換を終えて向かってくる弟のナンバー一六ではなく、その向こうで暇そうに見ている――と理久には感じられる――兄のナンバー四六。

 叫ぶ。

「発射っ」

 理久の左手から撃ち出された呪能砲が一直線にナンバー四六目がけて空を裂く。

「よし行けっ。一直線」

 いつになく興奮状態で声を上げる理久だが――。

 放った呪能砲は着弾寸前にその弾道へ割って入ったナンバー一六に直撃する。

 “がんす……がん……す”

 ナンバー一六が断末魔とともに蒸散して消えていく。

 呪能砲が初めて通用した様子を目の当たりにした理久だが素直には喜べなかった。

 自分が倒したかったのは弟のナンバー一六ではなく兄のナンバー四六なのだ。

 そんな理久の心中とは無関係にナンバー四六が咆吼を挙げる。

 “だべえっ”

 次の瞬間――。

「え?」

「うそ」

「にゃん」

 理久と華穂、そして、小雪が目を見張る先で新たなナンバー一六が実体化する。

 思わぬ展開に華穂がうろたえる。

「無制限に召喚できるってこと?」

 小雪が瞬時に状況を把握する。

「ナンバー四六兄にとってナンバー一六弟は消耗品も同然だにゃん。いくらでも召喚して使い捨てるにゃん」

「ひどーい」

 頬を膨らませる華穂以上に理久が不快感を滲ませる。

「ますます気にいらねえ。絶対、あいつ――四六はぶっ殺す」

 そして、華穂に声を掛ける。

「昼のあれできる?」

 華穂が即答する。

「うん。やる?」

「やろう」

「なにをするにゃん? なんのことだにゃん?」

 唯一わかってない小雪に華穂が得意げな表情を向ける。

「来る前に言ってたあれ。あたしと理久さんの“初めての共同作業”だよ。ふふっ」

 なぜか頬を染める華穂に理久が声を掛ける。

「撃つぞっ」

 華穂が答える。

「いいよっ」

 その様子に“これからなにが起こるんだにゃん?”と、小雪がキラキラと輝く期待に満ちた瞳で華穂と理久を交互に見る。

 理久が左手を突きだす。

 そして、ふたりで叫ぶ。

「発射っ」

 理久の左手から撃ち出された呪能砲が直後に四散し周囲一面に拡散する。

「これなら庇いきれないだろっ」

 四散した呪能砲の狙撃性能は正確性に欠くものの、どれか一発でも当たれば勝ちだと理久は勝利を確信する。

 ナンバー四六が吠える。

 “だべだべだべだべだべだべだべだべええええええっ”

 同時に目の前に展開する光景に理久は絶句する、華穂は目を疑う、小雪は混乱する。

 一吠えするごとに次々とナンバー一六が現れ、四六へと飛来するいくつもの拡散呪能砲を遮って消えていく。

 我に帰った理久が――

「っざけやがって」

 ――足元の土を蹴り上げる。

 華穂も抑えきれない感情を発散させるように両手をじたばたと振り回す。

「同時召喚とか、ありえないっ。信じらんないっ」

 その間にもナンバー四六は新たなナンバー一六を召喚し続けている。

 理久が吐き捨てる。

「きりがないっ」

 その手の先で小雪が華穂を見る。

「ねーねー華穂ちゃん」

「なーに小雪ちゃん」

「さっきのあれって、小雪もできるにゃん?」

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