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静かな波紋
心は、静かな湖に似ている。
外から見れば穏やかに見えても、底では小さな波が立ったり沈んだりしている。
あなたが今日、誰にも言えなかった不安も、言葉にするほどでもない痛みも、
その湖の底で、ひそやかに揺れているだけだ。
ある日、ふとした瞬間に、心にひとつの“波紋”が生まれることがある。
誰かの何気ない言葉。やわらかい光に照らされた風景。忘れていた記憶の匂い。
それらは湖面に小さく触れる石のように、静かに、しかし確かに心を揺らす。
その波紋は、すぐには消えない。ゆっくりと、やさしく広がっていく。焦らずに、無理強いもせずに。
あなたの心にも今、そんな波紋がひとつ広がっているかもしれない。
悲しみの波紋も、やがて静けさへと融けていく。喜びの波紋は、温度を残しながら、胸へ沁みていく。
大きな変化なんて、いらない。
ただ、そっと広がる波紋があるだけでいい。
あなたの今日が、少しだけ柔らかくなりますように。




