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犬噛について注釈

田村俊たむらとおる犬噛いぬかみである。

そして、一定地域の犬噛たちの代表でもある。

一般的にはオオカミ男またはオオカミ人間などと呼ばれ、日本では犬神ともよばれることがあるが、我々は犬噛と呼称している。

満月の夜にオオカミへと変身するということはない。

彼らがオオカミまたは犬に変身するのは、自分の意志でいつでも変身できる。

尚、姿が大きく変わることを「回帰」と呼び、また、姿が元にもどることも「回帰」という、犬へ回帰する・人へ回帰するといった具合にだ。

彼らは生まれてから思春期までは回帰することはなく、女性であれば初経のころ、男性は夢精を経験するころに回帰が可能となる。

人から犬に回帰する際、筆舌に尽くせぬ痛みを伴い大抵意識を失ってしまう。

意識を失うと回帰は失敗し人の姿にもどる。

犬への回帰に成功しても意識を失えは元の人へと回帰してしまうことから、好んで回帰する犬噛はほとんどおらず、生涯一度も回帰したことのない犬噛が多くを占める。

中には意図的、回帰を経験させその痛みを知ることによって、回帰を抑制しているところもある。

回帰を可能にするには、痛みに耐えれるだけの強い意志、もしくは、なんらかの要因で痛みすら感じないほどの理性の欠如が必要となる。

近年、医学の進歩により犬噛の生態の解明に成功している。

医師の白根曰く、ウィルスに感染し免疫機能とウィルスが共存の道を歩んだ結果、特定条件下での回帰を可能にし、それが遺伝的に定着してしまっただけだという。

ウィルスは非常に安定しておりほぼ変異の可能性はなく、親から子に感染し、宿主の体が成熟するまで休眠状態で共存し、宿主が成熟すると活動をはじめ生命活動に必要なたんぱく質を宿主から摂取する。

たんぱく質を奪われてしまう宿主は結果、通常の人間より多くのたんぱく質を必要とし、たんぱく質の摂取が著しく阻害されると、宿主にたんぱく質を摂取させるため特殊なホルモンを分泌し、宿主をたんぱく質摂取に適した体へと変異させ、この際、宿主はホルモンの影響で理性と記憶を失うとのこと。

要約すると、人より肉をたくさん食べ、肉を食べてないと肉を求めて大暴れするということだ。

嚙まれたり引っかかれる事で感染するということはないが、大きな欠損を伴う噛み傷だと感染の可能性はあるものの、感染の確立は極めて低く、症例は片手で数えられるほどである。

またこのウィルスは日本固有種らしく、日本人系の遺伝子情報をもたない片親の場合、遺伝することはないが、その場合ウィルスは宿主に正しく遺伝をさせる為、懐妊の邪魔をすることが確認させれている。


日本には多くの伝記や物語の中に犬噛の存在は描かれているが、最初の感染は有史以前であると予測され正確な感染経路はわかっていない。

感染経路をたどる試みはされたが、1000年2000年の話ではないので難航し、早い段階で不可能と結論付けられた。


極々稀に思春期を待たすして回帰してしまう犬噛が存在することが確認されているが、数少ない症例も短命であった為、詳しい生態は解かっていない。

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