6. 王の宣言
第13章 交易の帝国
6. 王の宣言
半年の歳月が流れた。
外交で得た猶予期間、そしてその間に緻密に組み上げた交易戦略――
すべてが形となり、山都谷火山王国は目に見える成果を手にしていた。
広場には、民衆や商人、諸侯たちが集まった。
市場の熱気は依然として旺盛で、護衛商隊が巡回する街道の安心感もあって、群衆は自然と集まる。
陽光は王城のバルコニーに立ち、帳簿や交易地図を胸に抱えながら、高らかに宣言した。
「山都谷火山王国は剣で国を支配するのではない!
我らは交易と利益で、人の心を結ぶのだ!」
広場は一瞬、静寂に包まれる。
民衆も商人も、言葉の意味を理解し、目の前に広がる繁栄の光景と結びつけた瞬間――歓声が爆発した。
「陛下万歳!」
「この国と共にあれば、我らは豊かになれる!」
歓声は広場を震わせ、街道を往来する商隊の音と混ざり合い、まるで一つの生き物のような活気を生む。
交易市場は活況を呈し、農産物、鉄、木材、薬草の取引は日々拡大し、通貨は統一された新金貨で円滑に回る。
民衆は飢えから解放され、商人は確実に利益を上げ、諸侯は安定的な分配を受ける――
そのすべてが、陽光の言葉の裏付けとなった。
陽光は群衆の歓声に耳を傾けながら、心の中で冷静に確認する。
外交で得た時間を経済に転換し、護衛商隊で物流を守り、利益分配のルールで忠誠を固定化した。
市場の繁栄は単なる偶然ではなく、**計算された支配の結果**である。
「経済の中心を握り、利益で従わせる――これこそが真の支配だ」
陽光の目には、かつて自らがサラリーマンとして培った商取引の知恵と、王としての戦略が一体となって光る。
商人や諸侯は自然と帝国に依存し、忠誠を誓うことでさらに繁栄を享受する。
反抗的な勢力は市場から排除され、経済圏の秩序は揺るぎないものとなった。
民衆は陽光の言葉に触れ、目に見える繁栄の意味を理解する。
市場には、遠方から運ばれてきた穀物や木材、医薬品が並び、商隊は街道を縦横に駆け巡る。
生活が安定し、物価は適正に保たれ、交易の恩恵は確実に民衆に還元されていた。
陽光は群衆の中に目をやり、商人や諸侯の表情を確認する。
彼らの視線は、歓喜と期待に満ちていた。
「我らと共にあれば、利益と繁栄を得られる――これが帝国の約束だ」
陽光の胸には、冷静な計算と王としての自信が同時に宿る。
広場に集まった人々は、自然と帝国の支配構造を受け入れる。
金と利益によって結ばれた忠誠は、軍事力以上に強固であり、剣を振るう必要はない。
帝国は、**交易と経済力によって世界の中心に位置する**ことを証明したのだ。
「これからも帝国は、剣ではなく交易で、民と商人、諸侯の心を結ぶ」
陽光の言葉は、山都谷の広場を超えて、街道や港、遠くの都市まで響くように思えた。
かくして、山都谷火山王国は単なる軍事国家ではなく、**経済帝国としても世界の中心に躍り出た**。
外交で得た時間、交易網の掌握、利益分配の制度化――
これらすべてが結実した結果、帝国は民衆と商人、諸侯の心を一体に結ぶ強固な基盤を手に入れたのだ。
陽光は帳簿を胸に抱き、地図を前にして静かに微笑む。
「交易と利益で結ばれた忠誠――これこそ、帝国の真の力」
広場に響く歓声は、軍事力ではなく、経済力が生む支配の証明であった。
そして山都谷火山王国は、今後の繁栄と支配の両方を確実に手中に収めたのである。




